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オーストラリア公民:私はどのように伸び盛りの娘に父親の惨死を教えたらよいのか分からない

2001年12月14日 文/オーストラリア公民 戴志珍 

【明慧ネット】幸福な家庭というものは大体同じようなものであるが、不幸な家庭には複雑な事情が絡んでいるのという有名な言葉があります。私の家庭内は中国国内の他の千万の家庭と同じように不幸に見舞われていると言えます。

 今年の7月のある日、私のルームメートは普段とうって変わって厳しい表情でした。インターネットからのある情報を私に手渡してくれました。「流浪してすみかを失った境地に追いやられた大法弟子の陳承勇さんが迫害のため死亡した」と言う文字が目に飛び込んできた瞬間、あまりにもショックで言葉に表すことが出来ませんでした。陳承勇とは私の主人のことです!私は自分の目が信じられなくて、目をこすって、もう一回読み返しました。どう考えてもやはり、主人です。こんなにつらい訃報に接して、全身が震え、めまいが止まらない状態でした。長い時間が経ち、ようやく私は我に返り、なんとか落着きを取り戻しました。ルームメートは泣きながら私を慰めて、私の手をとり、父親にそっくりの娘がいるベッドの方へ連れられて行きました。私は涙ぐんだ目で、たった15ヶ月で父親を失った幼い娘を見て、さらに切なくなって、再び体が震えはじめました。

 こんなに辛くて悲しい訃報が入ってきたばかりだというのに、家ではさらに不幸が起こりました。主人のお姉さん(お姉さんも法輪功の学習者です。)は弟が本当に死んだのか確認に行き、不法に捕まえられて洗脳学習クラス(実は、洗脳学習クラスは江沢民グループの法輪功に対する不法拘禁を行う所です。)に送られて、強制的に法輪功の修煉をやめるよう迫られたのです。しかし、彼女は、「真、善、忍」を重んじる法輪大法を信仰することは間違っていない。これは人間としての基本的な常識だと考えていて、法輪功を修煉し続けたいという固い意志を貫きました。理性がなくなった警察らは彼女の弟が殺されたばかりだというのに、8月には不法な二年間の矯正労働に課せられてしまいました。主人の父は愛する息子に先立たれ、また愛する娘の二年間の徒刑という二つの大きなショックが癒されることなく、翌月9月、この世を去りました。この連続の不幸は、私を何ヶ月もの間、悲しみの中に陥れたのです。

 たった2ヶ月間で2人の家族が惨死に見舞われ、1人の家族が牢屋に入れられるという恐怖で、私は法輪功学習者を残酷に苦しめた中国に、主人の遺骨を取りに行く勇気さえ持つことが出来ません。主人はオーストラリアへの移住を望みませんでした。私は、主人のその望みに賛成したことが本当に悔しくて、悔しくてたまりません。悠久の歴史とすばらしい文明を有するこの国が、今まさにある権力者によって破壊し尽くされそうとしています。中国はどうなってしまうのでしょうか?本当に分かりません。祖国は、なぜ「真、善、忍」を修煉する法輪功の学習者をこんなに酷く扱うのか、私は理解できません。

 主人の父は、尿毒症末期の重病患者で、病気治療のためにたくさんおの金を使いましたが、効果が全くなく、さらに中国伝統医学と西洋医学の両方の先生から絶対に治らないと診断されました。法輪功を修煉し始めてからは、父の病気は自然に治ったのです。法輪功がお父さんに第二次の命を与えたという奇跡は、お父さんと他の家族が働いていた工場や家の近所で評判になりました。これがきっかけで多くの人が法輪功の修煉を始めました。1999年7月20日、江沢民らは法輪功を迫害し始めました。お父さんは警察に、法輪功をやめたら病気が再発して絶対に死んでしまう、と懇願しましたが、警察は「私達は皆法輪功がおじいさんの命を救ってくれた事実を知っています。しかし、上が取り締まろうとするのなら、私達はそれに従わなければならないのです。」と言いました。このように、法輪功は父の命を救いましたが、江沢民政府によって父の命を奪ってしまいました。
 
 主人やお姉さんは法輪大法から恩恵を授かり、大法はとてもすばらしいと心から感じていました。人間として恩返しをするのは当然のことです。現在法輪功は無実の罪を着せられ、法輪功が公正に扱われるよう人々に真相を伝えるべきだと二人は考えました。公民として政府の抱く法輪功に対する誤った認識を正す責任があるのです。もし誰かが法輪功学習者に対して無実の罪という理由で殺している事実を知り、そのことを隠して皆に伝えなかったとすれば、結果的に悪人に味方したと見なしても過言ではありません。法輪功学習者である主人とお姉さんは憲法で与えられた公民としての権利をもって、県政府へ、北京へ請願しに行きました。しかし、毎回逮捕され、しかも職場から解雇されてしまいました。職場の同僚は皆「彼は真面目にこつこつとよく働く良い人なのに、なぜ解雇されたのか?本当に不公平だ。正義はどこにあるのだろうか?」と言いました。中国には、天の理がどこに行ってしまったのでしょうか。

 主人が生きていた頃の様子と迫害されて亡くなった状況がよく思い出されます。主人は江沢民テロ組織からの法輪功学習者に対する不法拘禁(洗脳学習クラス)を避けるために、2000年11月以降家に帰ることが出来なくなったため、流浪の旅に出ました。2001年1月10日まで主人と連絡を取ることが出来ていましたが、主人はとても健康そうでした。国内の法輪功学習者を逮捕し、洗脳学習クラスへの強制的な収容がさらに増加するにつれて、主人は居場所をよく変更し、収入がないため生活が一層困難になり、ついに主人との連絡が途絶えてしまいました。また、家の電話も盗聴されていたようで、もし電話で主人と連絡を取れば、きっと主人が危険に晒されると思いました。私はただ彼の無事を祈ることしか出来ませんでした。しかし、7月のある情報によると、「ある茅の小屋の中で陳承勇の遺体が発見され、お姉さんが遺体を確認したときには、遺体はすでに腐乱しはじめ匂いを発していたそうです。陳さんが亡くなってからかなりの時間が経ったころようやく遺族に知らせが入ったのでは。」

 主人がこのように無惨に死んでしまい、私は悲しくてたまりません。私たちの娘がまだ「お父さん」と上手に言うことが出来ないほど幼いのに、もう父親を失ってしまったことを思うと心が痛くなります。主人は子供が好きでした。娘が生後6ヶ月の時に撮った初めての写真は私の家族の永遠の記念写真となりました。私たち3人とお姉さん、お姉さんの子供と一緒に行った初めての遠足も最期の遠足となりました。そして、主人が名づけた「法度」という名前で娘を呼び、純真な娘が家族全員の写った写真にキスしているところを目にした時、私は断腸の思いで悲しい気分になります。私は、だんだん大きくなる娘に彼女の父親の惨死についてどうやって話したらよいのか分かりません。この恐怖心が娘にどのような影響を与えるのかも分かりません。しかし、一つはっきり言えるのは、それは江沢民政府が法輪功を残酷に迫害することによって、私の主人が亡くなり、同じように他の千万の家庭が不幸に見舞われ、江沢民はまさにこれら無数の不幸を作り出した張本人であるということです。

 この何ヶ月の間、悲しみのあまり、私は全ての物事に対するやる気がありませんでした。今日、やっと文章を書こうと思いました。私は先ず、私の家族が遭った不幸を皆さんに話したかったのです。全ての善良な人々が私の主人と同じような残酷な苦しみを受けている中国の法輪功学習者に声援の手を出してくれるよう願っています。法輪功学習者に対する無惨な迫害を一日も早く制止できるように、全ての正義のグループと正義の人々が正義の声を出してほしいです。あなた方の一通の手紙、一つの署名、一つの決議案は邪悪の残暴な行いを止めさせることができ、私の家族に起こったような不幸な家庭の発生を抑えることができるのです。また、あなた方が一つの真相を配り、伝え、真相を知らない人が真相を知るように、また盲目的に政府の話に信じて従う人が「善悪に報いがある」と言う天の理を理解できるようになることができます。それによって、まさに底無し深淵へ滑り落ちようとしている命が救われるのです。
(2001年12月12日 シドニーにて)