日本明慧

大陸時事:その一

【明慧ネット】
百年に一度の旱魃は山東省を襲う、400万人が水不足に悩む

2002年9月20日の「リンゴ日報」が引用した「青島朝刊」の報道によると、中国南部地方では洪水に見舞われたが、東部沿岸の山東省では逆に百年に一度の大干ばつに襲われた。全省で約400万人が水不足に悩まされ、4700万アール以上の農作地が収穫出来ない状況にあり、経済的損失は百億人民元を超えている。当局の予想では、来る数ヶ月においても、山東省の旱魃災害は深刻になる一方と見ている。省政府はすでに中央政府へ緊急支援を求めることにした。

山東省防水旱魃予防指揮センターの情報によると、今年の山東省は百年に一度の最も厳しい夏秋連続の旱魃に遭い、全省の8割以上の農作物がその影響を受け、約400万人及び約100万頭の家畜が一時に飲み水不足に悩まされている。その内の約80万人は水を輸送してもらうか、水を買うことにより暫時的に飲み水の問題解決を計っている。

済南市のあるタクシードライバーの話では、地下水が徐々に枯れて来たため、「9月に入ってか
ら水が苦味を感じるようになり、昔の感触がなくなった。」又、山東大学で勉学している厖氏も「最近の飲み水は渋く感じる。今までお茶を飲まなかった友達もその渋みをカバーするためにお茶を飲むようになった。」と。

黄河の水は沙が多量に含まれるので灌漑に不適

旅行業も水不足で影響を受けている。済南市の著名な観光スポットである躍突泉は相次いでの
旱魃のため地下水位がぐんぐん下がり、噴水を中止してしまった。その為、観光客が3割減となった。又、もう一箇所の観光地である黒虎泉も同様、泉水が涸れてしまっている。観光地でドリンクを販売している張氏は「以前なら8月、9月の場合は一万元近くの売上があるはずだが、今年は黒虎泉の泉水もなくなったことで、観光客の数は激減した。今現在の売上は二千元にも達していない」と語った。

旱魃の影響は大型紡績工場まで及び、数軒の工場が強制的に閉鎖された。又、「黄金航路」と呼ばれている京航大運河の済寧間の運行はすでに60日以上運行を中止している。数百トンの石炭の発送が出来ず、全省に亙る数箇所のダムも全部涸れている状態で、都市への水供給は危機に面している。

専門家は、これからの数ヶ月において、山東省の旱魃問題がさらに厳しくなると指摘した。省政府関係者によると、山東省の主な増水期はもう過ぎてしまい、広範囲での降雨が期待出来ない。

全省のダム貯水量が僅か36億立方メートルで、例年同期に比べ約半分以上減少している。黄河でも水量が減少していて、沙の含量が増えている。又、沙や泥の粘度が高いので、農民はすでに農作物の灌漑に黄河の水の使用を中止した。