日本明慧

祖父が目撃した「南天門」

文/大陸学習者

【明慧ネット】今の中国、「無神論」が蔓延っている。人々は、古代の伝説や、神話の物語などをすべて迷信、フィクションと思い込んでいる。ここで、私は、親族が身を持って経験したことを人々に話しよう。趣旨は、多くの神話や伝説などが実際に存在することをいうのである。

私の祖父は、若い頃から数術を初め、天文、地理、陰陽説及び八卦を精通している。一生の間に、数え切れないほど不思議なことを体験していた。最も不思議なことに、彼は、神話の物語に書かれている「南天門」を、その目で見たという。

およそ、20世紀の20年代のある、月が白く光っている夜のことであった。家族の人々は、皆、寝ていたが、祖父だけが、何かを待っているかのように庭に立って、時々顔を夜空に向けて月を見つめていた。暫くすると、ようやく奇跡が現れてきた。最初、目に入ったのは、月に最も近い三つの星が動き出したかと思うと、空に金色に輝く二枚の扉が現れてきた。その扉がゆっくりと開いていくにつれて、中から楼台などが現れて来ていた。それに、瑞雲に乗っている鎧を身に付けている神兵神将の姿も現れてきた。それに天女も……などなどであった。不思議なあまり、その時、祖父は、開いた口が閉じられなかった。ようやく天人の姿が、消えかかろうとするところへ、何かを思い出したかのように、祖父は、家族にも、この不思議な光景を見逃さないように、部屋に向かって大きな声で呼びかけ、就寝中の家族を起こして見てもらうことにした。最初、祖母だけが、外に出てきてくれた。祖父は、待っていられないほど、祖母に空を見上げさせた。がしかし、どうやら眠りから我にかえった祖母があいにくであった。そのときは、天人の姿がすでに消え、天門もゆっくりと閉じている最中であった。その後、ほかの家族も外へ飛び出してきたが、しかし、この一切は、すでに終わり、夜空がいつものように静かに戻っていた。皆の目に入ってきたのは、白く光っている月、及び多くの星だけであった……。訳の分からない家族は、原因まで聞いていたが、祖父が、ため息をついて、「君たちにはそういう素晴らしいめぐり合わせがないだろうな」と言い、それに次のように言った。「先ほどは、辰勾月による南天門開きであって、ことによると、古代の星象で言う、三星が月を拝む、あるいは三星が月を捧げるということだろう。月の近くにある三つの星があって、それらの星は、南天門を見守る神であり、この三つの星は、位置が変わる時になると、南天門が開くのだ。南天門が閉じてしまうと、三つの星が帰位することになるのだ。それは、60年つまり一大甲に回ってくると、たった一回だけに開くことになるそうだ。そのご縁、そのご福、そのご財の運命が揃わない限り、見ることができない。これまで、それが見えた人は極僅かだっただろう。今後、我が家の興廃は、僕が死ぬ前は人口がどんどん増え、金運もよい。しかし、この一切は、僕が死ぬことに伴って去っていくことになり、これから、君たちは善行を行わなければならない」と。その後、祖父も自分が死後、家族に何かが起こるかについても予言した。しかも、それに対して訓戒の言を残した。結局、何年後、予言されたことのいずれも適中したという。その後、祖母も常に、このことを言及していた。また、一生を通じて線香を立てて神を敬い、慈善や喜捨を好んで、一生を送っていた。祖父は88歳の年で病気も罹らずに死去した。

私は、善を成すように人に勧めることを目的に、このことを書き出したわけであった。常人には他の空間が見えないにもかかわらず、しかし、他の空間が紛れもなく実在しているもので、まぼろしのものではないのである。ここで、かさね重ね権力を握っている小人に盲従して、大法をそしらないよう願ってやまない。なぜかというと、「悪行行っても人知らずといわず、頭上三尺に神明あり」といわれるからである。