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リンゴ日報:くずれた誠信

文/李 怡

【明慧ネット】香港特別行政区政府は、数多くの市民の反対意見を無視して、第二十三条立法条項を憲法の一条項として成立させようとしています。政府は目的をもちろん果たすことができるのです。というのは、立法会の権限は多数の政府の手に握られているからです。しかし、政府はその目的を果たすために、市民からの信頼を失い、政府に対する不満が高まるなどの結果を招いてしまうという代償を支払わないといけないでしょう。さらに、今後の政府の行政は、きっと非常に大きな困難に直面しなければならないでしょう。もし、市民の記憶が良ければ、来年の立法会の選挙に関して、今回第二十三条立法条項の成立に支持した民建連、港信連と自由党の議員などの再任はできなくなるのではないでしょうか。

前年以来、香港特別行政区長官董建華氏は、常に「私は市民たちの心配していることを自分の心配ごとにしています、市民たちの考えていることは自分も考えなければならない」と言う口調で市民の支持を勝ち取っています。しかしながら、彼は特別区長官に再任してから、初めて行ったことは、市民たちが考えたくもなく、見たくもない「基本法」第二十三条の立法です。彼は完全に市民の訴えを無視しています。

去年6月24日、董氏は「問責制」の委任リストを公表した時に、「将来の五年後には、私たちは更なる民情、民意を把握し重視する政府になるであろう」と明言しました。しかし、特別行政区の保安局が発行した「基本法第二十三条項諮問意見集」は、第二期特別行政区がはじめて行った、まさに民意を故意的に捻じ曲げて民情を軽視することであると示しました。

去年10月10日、董氏は立法会弁答大会に出席しました。そのとき、劉千石議員は、「ある一人の政府要員が、ある二人の弁護士に宛てた手紙の中で「もし、諮問文書の中で提案されている意見が周囲からの共同の認識として採用されない場合、政府はあらためてもう一度情況を評価します」と言いましたが、では、その「共同の認識」をどうやって果たすのでしょうか?」と董氏に問いました。さらに、劉氏は「共同の認識とは、大部分の人が支持してくれれば、それが共同の認識となるのでしょうか? また、どうやって大部分の支持してくれる人を探すのですか?」と董氏に聞きました。それに対して、董氏は「諮問が始まったときに、私は皆さんの意見を聞きたかったのです。民意調査の面に関しては、私は最近、新聞などで報道されている民意調査をみていますが、…」と答えました。しかし、諮問が始まったとき、二人の弁護士はそれに関する白書を発刊するよう要求しましたが、しかし法律行政司司長は「あらためて情況を評価」をしませんでした。何回もわたった民意調査は、諮問文書で立法することを反対している人が多かったことを明らかにしました。しかし、董氏の行動は彼の言った「民意調査」で決めることと全く違います。

さらに、叶劉淑儀氏という官員によるでっち上げも酷いものでした。彼女は、記者会見で、白書をつくってほしいという市民たちの意見を無視したことを「市民の皆さんの声をじっくりと聞きました」と言い、保安局が60%の市民からの立法を反対する手紙を受け取ったことを「多くの市民は立法を支持している」と強調しました。彼女は全くのうそをつきました。

うそを言い続ける政府は、これから何を言っても市民は絶対に信じないと言う代償を支払わないといけないのです。惜しいことに、ある一部の誠実な官員は、董氏と叶氏の言行で市民からの信頼を失ったこの政府の犠牲となることでしょう。