日本明慧


ワシントンポスト紙:SARSによって北京で政治的な混乱が起こっている

2003年4月22日

【明慧ネット4月22日】ワシントンポストは4月21日、張文康中国衛生部長と孟学農北京市長が、新型急性肺炎(SARS)の中国大陸での蔓延を抑えることができなかったことを理由に党職を解任されたことを伝えた。これはここ十数年間の大きな政治的波紋の1つとなった。

中国衛生部の役人たちも今回の病気の爆発的蔓延を処理できなかった責任を問われており、これは中国××党の史上例のないことであると、同紙は伝えた。中国政府は北京でのSARS感染者が37人から一気に346人へと増加したことを確認した。中国政府も5月1日から始まる一週間の休暇を取り消した。

中国政府教育部は病気が広がるのを防ぐため、北京の数十万名の学生に対し、学校に残るよう要求した。

ワシントンポスト紙は、この一連の動きが中国××党を激しく揺り動かしていると見ている。過去54年間、中国××党は自らの過ちを認めてこなかった。今年3月に引き継いだ胡錦涛と温家宝は、SARSに関する国際社会の圧力に直面したこと、また情報革命が中国大陸内部にもたらした影響によって、中国政府に対し、このような現実離れなことをして、大胆な行動で挽回する方法を採用しなければならないとの認識をした。

中国××党による中国大陸の統治体系は複雑で、胡錦涛と温家宝が引継時において責任を持って問題解決を図らなければならないと宣言したとき、彼らは二人のSARSに深く関わった役人に対して中国統治の新しい例を作り上げた。

中国はさらに多くの民主的な役人を持つべきであると主張するある人は、「この事件はたくさんの人が長い間待ちつづけていた光をもたらした。中国政府はすでに正しい方向に向かって進んでいる。」との認識を示した。

張文康と孟学農はSARSによって党職を解任された。北京の情報筋によると、張文康の衛生部長としての職務、そして孟学農の北京市長としての職務はすでに解かれているが、衛生部長の任免は全国人民代表大会常任委員会の批准が必要であり、また北京市長の任免は北京市人民代表大会の批准が必要なため、この二人の政府職務の解任は別途布告されるとのことである。

これは中国大陸でSARSが発生して以来、初めての政治的危機であり、中国××党の統治以来、北京市長が行政上の失敗によって免職された初めてのケースである。

WHOの統計によると、世界中で現在SARSに感染したと思われる件数が早くも3800件にも及び、203名が死亡している。中国大陸は20日、SARS患者数が1807人、死亡者が79人いると認めた。
アメリカのタンプソン衛生部長は、中国は未だにSARSへの対処が間に合わず、人命の損失を生み出していると語った。

中国大陸の人たちはこの両名の中国××党高級幹部が失職したことについて非常に喜んでいる。ある33歳のエンジニアは、「この二人の愚か者が失職するとは思いもよらなかった。もっとたくさんの愚か者もこのように失職することを望んでいる」と語った。彼の父は医者で、SARSに感染した。

しかし、中国の一般の人々は中国××党の政権がこれによって変わり、民衆の××党に対する信頼を取り戻せるとは期待していない。このエンジニアはこう言った。「彼らは本来このように開放するべきだったのだ。結局、連中はインチキを働くことができなかったのさ。」

SARSは去年11月広東省から広がり始めたと考えられている。当時700人以上が感染し、30人以上が死亡した。SARSは中国大陸の他の地域にも拡がり、中国政府は最近になってようやくWHOの調査グループが広東省で調査することを受け入れ、SARSを法定伝染病に指定し、民衆に予防法を指導し始めた。

SARSは今年2月に中国大陸から香港に拡がった。病人から感染したある医者が香港に帰ってホテルに宿泊した際、ホテルの他の宿泊客に感染した。SARSはこのようにしてシンガポール、トロント、ハノイへと広がった。