日本明慧


北京は「鬼城」となった

2003年4月29日 

【明慧ネット4月29日】28日の総合的な情報によると、中国でのSARS(厳重急性呼吸道症候群)の拡散はまだ引き続き続いているという。中国衛生省は、28日に新たに8人が死亡し、また203名の新病例が増えたと発表した。疫情の拡散をコントロールするために、北京市ではすでに8千人が隔離されて、他の各省でも緊急対策が採られている。28日に発表された新たに死亡した患者の中に、北京と河北省の出身の人が3人ずつ、また内モンゴルと甘粛省の出身の人が1人ずついる。さらに、河北と甘粛から伝わってきたSARS 死亡病例は初めてとされ、また新たに増えた約200名の感染病例の中、半分近くは北京で発見されたものだという。

にぎやかな首都は「鬼城」となった

今まで、全中国でのSARS総死亡人数は139人に達し、SARSを感染したと判明した人は3600人に上る。SARSの広がりを防ぐために、北京政府は8000人を隔離させ、市民たちもできるだけ公共の場所に行かないようにしているため、もとの賑やかな首都はもはや鬼城となった。

新華社の報道によると、この収まらない疫情をコントロールするために、北京市内の128個所の病院が封鎖され、また7672人が隔離されたという。封鎖された地区の中には北京人民病院の職員寮、中央財経大学西ビル二十九号、北方交通大学の三棟学生寮と、北京科技研修学院の二棟の寮、および一つの建築工事を行っている所が含まれている。

イギリスの新聞『The Guardian』の28日の情報によると、中国当局はディスコや映画館やネットカフェ、そして他の娯楽設備を閉鎖するよう命令を下した。また『Daily Mail』によると、北京での商務活動は全く停止されて、北京で発見されたSARS感染者は1000人以上に達したために、最後の外国人旅行者、ビジネスマン、大使館職員とその家族を乗せた飛行機が北京を離陸したという。またその報道によると、北京当局は、結婚式とその披露宴はSARSの病毒を伝染する元となる可能性があると考えて、現在、結婚届けを登録することすらやめているという。

『BBC』の28日の報道によると、今の季節は北京市で旅行するのに一番いい季節だが、にぎやかであるはずの北京国際空港は今人を見かけない状態になっている。また、いつも商売でにぎやかな街も、以前よりすっかりと静かになった。人々は、必要がなければ、大体家から出ないようにしている。必要であれば、人々が出かける時も、マクスをつけて出かける。BBCの駐北京市の記者は「今日28日、北京市の街やオフィスビルはガラガラで、北京は鬼城となっている」と話した。

また、香港の『星島日報』によると、中国国務院からの知らせでは、疫情の広まりを防ぐために、北京に滞在している地方から来た民工が引き続き北京にいようと要求していたにもかかわらず、毎日、数万人の民工たちは駅に向かって北京から逃げ出そうとしているという。

『国際先駆論壇新聞』は、1989年の天安門事件以来、SARSの発生は中国の経済に深刻な打撃を与えた。そのため、小売業は急落し、中国の輸出の需求も下がり、国内、国際の両方の旅行業はほとんど停頓となっている、と指摘した。