日本明慧


専門家も難色を示す〜SARSによる感染症例

2003年5月2日

【明慧ネット5月2日】(法新社ジュネーブ30日発)WHOによると、SARSによる感染被害が日増しに拡大するに従い、研究者らは、目の前に現れる難解な現象の解明に努めていると言う。

SARSにおける不可解な現象は:なぜ死亡率が変化しないのか。なぜ一部医療制度が健全な国家の死亡率は返って更に高くなるのか。なぜ子供にはほとんど感染しないのか。なぜ一部の患者は更に重症な状態に陥るのか等である。

WHOのウイルス感染症臨床学医の薩尓特氏は「この病気の死亡率は大体6%〜10%になるが、各国での死亡率には非常に大きな変化がある。医療制度が比較的先進といえる一部の国家、例えばシンガーポールとカナダの死亡率は、明らかに高いようであり、一般的に医療設備が不充分な一部の地域で、返って死亡率が低いようである。これは、医療関係者の患者への対処方法に文化的差異があるのではないかと思う。ある国では、病気に罹ると自主的にマスクを着用するが、これも伝染率を下げる方法かもしれない」と述べた。

研究者らは、患者が感染した後約2週間経過すると、一つの分岐点に達し、その後約10%の患者の病状は急激に悪化し、重症へと陥るが、他は自動的に回復に向かうような傾向があるということを発見した。

更に、薩尓特氏は「我々は現在なぜ一部の患者の病状が悪化していくかについて研究している最中である。また、患者がSARSウイルスに感染しても無症状であるということを示す証拠、他人へ移るという証拠も無い、既に治癒した患者が再び発病したことを示す報告もまだ無い」と述べた。