日本明慧


北京のSARS新患は激減、WHOは疑念

2003年5月18日 

【明慧ネット5月18日情報】世界保健機関(WHO)は昨日警告を発して、北京のSARS新患人数の激減は疫病の流行状況が緩和したことによるものではなく、医学判断上の誤診によるものであると指摘した。またWHOは新たに中国の五つの省を感染地域と指定した。

中国時報18日の報道によると、昨日北京政府から公表された新しいSARS患者数は19人で、これによって連続7日間で新たな患者数は50人以下になった。しかも時間順に減少傾向を示した。しかし、世界保健機関の専門家は次のように警告した:北京で数多くのSARS患者は症状が軽かったため誤診され、一般の総合病院に転送された。このような誤診によって北京の新たなSARS発症者は激減したが、これらの軽い症状のSARS患者は次の感染の波を起こす原因になる可能性がある。

中国衛生部新聞弁公室から昨日発表された最新SARS統計情報によると、5月17日午前10時までに中国大陸で新たな発症者が28例増え、死亡者が7例増えた。これで、中国国内の累計患者数は5,209人に達し、死亡者数は282人になった。その中に、北京の新患は17日に19例増えた。

一週間前に、北京では毎日の新患者数は100例以上だった。5月11日−17日の間に北京では日の新患者数は50人以下になって、次第に減少傾向が示された。

これに対して、世界保健機関は警告を出して次のように指摘した:北京のSARS新患人数の激減は疫病の流行状況が緩和したことによるものではなく、医学判断上の誤診によるものである。数多くの軽症状のSARS患者は“確定病例”以外に排除された可能性がある。現在北京での流行のピークがすでに過ぎたと言うのはまだ時期尚早である。

世界保健機関の専門家はまた次のように指摘した:現在誤診された症例数がまだ確定できないが、先日北京のいくつかの病院を視察して、誤診問題の存在を確認した。 

また世界保健機関は新たに中国の五つの省を感染地域と指定した。この五つの省は陜西省、江蘇省、湖北省、河北省及び吉林省でした。

尚、寧夏の一軒の病院はSARS治療の専門病院と指定された後、入院している患者は感染を恐れて、自主退院した。その中の8人の患者は病状悪化によって死亡した。

寧夏医科大学付属病院の孫涛院長はこれについて次のようにコメントした:当院はSARS治療の専門病院と指定された後、一般外来の患者は激減し、入院患者も自主退院者が相継ぎ、呼吸器病棟の患者だけで、8人の患者が治療のチャンスを延ばしたことによって命を失った。

5月17日まで、寧夏回族自治区でSARSの患者は5人が確定し、1人が死亡した。他に疑似患者が2人いた。当地域で自治区首府銀川市以外に発症者はまだ居ない。中国で指定された24の感染地域の中で寧夏回族自治区の感染者数は18番目である。