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回顧文章:江沢民、中国最大の不安定要素

文/二水(ワシントンDC)

【明慧ネット7月18日】俗に「官は人民の益の為に決定する」と言う。しかし、江沢民はこのようには考えない。彼は、「安定が全てを圧倒する」と信じており、「一切の不安定要素は、芽のうちに摘まなければならない」と大いに主張した。こうして、いわゆる「安定」が正義を圧倒し、良知を圧倒し、人道を圧倒することが出来る。しかしこの「安定」は、社会の安定ではなく、彼個人の「権威の座」の安定にすぎない。こうして、冤罪と不満を訴える門が閉ざされ、一方では道徳が著しく低下し、貪欲腐敗が中華大地に蔓延り、反腐敗そのものまで、江沢民が自分と意見を異にする者を排除する手段となった。少しでも人民の為に事を行なう誠意が、彼の何処にあるだろうか?

法輪功一万人の中南海での請願は、もとは政府への信頼であった。総理が出てきて会見し、問題が解決した時には、皆自動的に散って行き、政府への感謝の気持を持って帰ったかもしれないのだ。ところが思いがけず、江沢民が邪念を起こし、法輪功を徹底的に覆すことにした。最初はほんの小さな一件であると思えた ─ 江沢民は、中国改革解放20年の国威国力をもって、2、3ヶ月で安定させ、建国50周年の大典で献納するつもりであったが、意に反して計画通りに行かなかった。最初の攻撃がうまく行かなかったので、他の方法を考えなければならなかった。フランスの大手新聞Le Figaroにインタビューされた時、彼の口から突然、「法輪功はX教である」という言葉が飛び出した。たちまち中国国内の手先新聞が従った。「人民日報」が文革式の喧嘩腰で、「法輪功はX教である」という特別評論を掲載した。人民代表大会は更に急いで江沢民の遠慮の無さを覆う、現代法制という(裸の)王様の新衣装を着せる為に、定義のはっきりしない「X教法」を立法した。数十日という短い期間で、法輪功を「不法組織」から「X教」と中傷するところまで昇級させた。

何故こうなったのかは、いわゆる科学者、He Zuo Xiuが米国カリフォルニアを訪問して、インタビューされた時に明らかにされた。彼は、法輪功が「不法組織」と決めつけられて不服であるなら、「X教」と呼ぶ以外にないと言った。邪であるかどうかは重要ではなく、知る必要もないことを示す。不服であるだけで、様々な名目を変え、相手を攻撃する。He Zuo Xiuのこの言葉は国家機密を漏らしたとは言えない。何故なら江沢民自身が、去年の人民代表大会の時に、意味深長なことを言った。彼は、法輪功を非難するまでは知らなかったが、非難したことにより、このグループは危害が非常に大きいことを発見した、と言った。彼が元々法輪功を弾圧しようと思った時には、一体法輪功のどこが良くないのか知らなかったことを、うっかりと漏らした。それが良いものなのか、悪いものなのか知らなかったのなら、どうして弾圧しようとしたのか? 自分を保護弁明する為に、中傷と、満遍なく偽りの流言を広めることに頼るしかなかった。

何処にも訴える処無く、法輪功学習者は天安門広場へ行くしかなかった
江沢民は、「法輪功を治められないなんてことは、信じられない」と激烈に言ったことがある。自ら世界中を廻って戦おうとした。米国大統領に会った時、彼は法輪功を中傷する、血だらけの写真で一杯のパンフレットを、まるで国宝を扱うかのように手渡した。そのことは、何が起っているのか知らない大統領を当惑させた。5千年の文明を持つ大国が、まともな土産の一つも出せないのか? 迫害が間違いであることを十分知っており、江沢民は泥棒のように心細く、一方的に「統一戦線」の黒い爪を太平洋の向うにまで伸ばした。

江沢民は又、日本の首相とも会い、4月25日の事件までは法輪功など聞いたこともなかった、と言った。しかし、1998年には公安が多くの法輪功学習者達を不法虐待していることについて、多くの人が手紙を書いたので、退職した老幹部のグループが、法輪功についての詳細を調査し、その結果は「法輪功は国にとっても、民にとっても、百利あって一害なし」というものであった。そしてその調査報告を、江を頭とする政治局に提出した; 国家体育委員会は法輪功学習者は7千万ないし1億人居ると概算した。江沢民が一国の元首として、このような大事について全く知らなかったとすると、それは職の怠慢の疑いがあるとしか言えないではないか? まさか彼は毎日海水浴をし、ピアノを弾いて、髪を梳き、楊州小唄を少し歌って、米国の「独立宣言」の一節を暗唱し、英語を少し話し、国家大劇場の事を心配するだけだという分けではないだろう? しかし、彼は例え本当に唄を歌ったり、演じたりに忙しすぎて、法輪功に関し聞くことがなかったとして、聞いた途端にそれを取締り、弾圧に走る道理は何処にあるのか? 古代からの教訓がある。「調査研究無しには、発言権は無い」。しかし江沢民は、権力を握ると狂暴になる、心の狭い人のあらゆる特性を体現している。

法輪功学習者は恐れるものが無い。信念が固く、非暴力的な世界的平和請願は絶え間なく続く。しかし、「音の無い処へ行って雷を轟かせる」という格言がある。江沢民は魔に憑かれた様に、迫害を強化し、益々信憑性のないことを言う。

ある日、米国のCBSというテレビ局の「60分」という番組の担当者によるインタビューがあった。法輪功に触れた時、江沢民の即席の作り話はあまりにも真実から遠く、滑稽な程であった。まず彼は、法輪功の創立者は自分を「釈迦牟尼の転生」だと自称したと言った。しかし釈迦牟尼のことを知らないかもしれない西洋人に、話しているのだと気づいて、西洋人の憤慨を起こし、群衆を挑発することを計算に入れ、急いで、法輪功の創立者は自分を「キリストの転生」であると自称したと言い直した。江沢民は人を騙す心が強いが、しかし何故彼は、一人の人間が二人の全く異なる大覚者から転生することが出来るのか、少し考えて見なかったのか? 相手に反応が無いと見てとると、あわてて、法輪功は何千人もを自殺に追い遣ったと言った。本当? 中国政府筋が1400例の死傷者数を捏造するのに大変な資源を費やし、大変な努力をしなければならなかった。何故江沢民自身が掌握していた自殺数が数千人であるのか? もしも江がそのような重要な情報を持っていたのなら、彼は何故それをこの見知らぬ西洋人に言う代りに、まず自分の「法輪功攻撃委員会」の腹心達に知らせなかったのだろうか? このような西洋崇拝的行為は、我が大国にとって恥ではなかろうか? これが中国で報道された時、この法輪功に関する部分が取除かれたのは、あまりにも滑稽過ぎたせいに違いない。

江沢民が非人道的に法輪功を迫害して一年あまりになる。天も人間もそれには反対である。どれ程多くの罪無き人が囚われ、殴られ、強制労働所に入れられ、留置所に入れられ、拷問から死に到ったことだろう? どれ程多くの罪無き人が強制退職させられ、退学させられ、家庭が打ち壊されたことだろう? 一つ一つが残忍な悲劇である。現在の中国には人民が不正行為に対し、訴える場が何処にも無い。歴史のページを捲ってみれば分かる。何処に何千万人もの、決して抵抗しない大きな善と忍を持つ「敵」が居たことがあるだろうか? 20年以上の経済飛躍の後、江沢民は、重要な資源も惜しまず、国家のあらゆる組織を動員して、この敵の無い戦争に使い込んだ。

国家主席の身で、世界各地に自ら偽りを伝播させることに、嘲笑されないことがあろうか? それは中国の名誉を毀損しているのではないか? それは人民を悲惨な境遇に陥れ、彼らを敵扱いし、そして平和な合法手段をもって公平を求めるのを、許さないということではないか?

中国の本当の不安定要素は、基本的人権を求める一般市民ではなく、むしろ人民の死活を無視してきた、現在権力の座にある者である。

(この文章は2000年9月30日に発表されたものである)