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江氏訴訟には更なる時間が必要であり、海外の学習者は真相の説明に励んでほしい

文/米国の学習者

【明慧ネット8月11日】2002年10月18日、法輪功への迫害を主導している江沢民氏が、訪米する4日前、法輪功学習者が“酷刑、非人道及び集団虐殺”の罪名により、江氏と直轄の“610オフィス”をイリノイ州北区連邦地方裁判所へ告訴した。この訴訟は世界中で、大きな波紋を呼び、マスコミをはじめ各界の注目を集めた。今年の6月末に、開廷する予定であったが、米国各界の高い関心などにより、法廷は時間を掛け精査をしている。

この時間を利用して、海外の法輪功学習者も、大規模に真相を説明する活動を展開、この迫害が完全に虚言の上に成り立っていることを知らせ、隠された事実を伝え、中国社会、市民及び国際社会への道徳的迫害を認識してもらうよう努めている。それによって、本件も法廷及び世論から広く理解と支持を得られることを願っている。

OMCT米国支部実行委員長の見解

モートン・スケラー氏は、米国の著名な人権弁護士であると共に、法律学の教授であり、拷問に反対する世界的NGO組織である“OMCT”米国支部の実行委員長でもある。彼は、法輪功学習者に協力し、北京市長の劉淇、遼寧省副省長の夏得人らを起訴することに成功している。

スケラー教授は、江氏の訴訟を世界的人権運動の一部として認識しており、以下のように述べた。「この訴訟の意義は、あらゆる官員は重い人権侵害の罪(酷刑や集団虐殺罪等を含む)を犯せば、刑事的民事的責任を負わなければならないという基礎を世界規模で築くことにある。過去、合衆国司法省と国際法廷上には、前フィリピン大統領のマルコス、元セルビア大統領のミロシェビッチなどの先例があった。法廷は、彼らが任期中に人権犯罪を犯し、“元首免除権”による保護をうけないと認定した。中国政府は江氏への訴訟を拒否しながら、米国政府に圧力をかけ、この訴訟の撤回を要求した。これは、外国主権免除法に抵触する。本件に関し、外国政府は外交的手段を講じてはならず、直接法廷へ連絡し、案件の処理に参加しなければならない。とくに、江氏の酷刑と集団虐殺罪は、米国の法律だけでなく、国際法にも反し、中国の法律にさえ反している。この訴訟は、江氏個人の犯罪に対するものである」。

さらに深く迫害の真相を暴露する

米国の中枢、立法・行政・司法の各組織は、江氏の訴訟に関心を示した為、法輪功学習者は、米国社会へ更に真相を伝えることができた。より多くの政府官員が真相を知り、支持するようになった。イリノイ州では80名の議員が連名で手紙を書き、法輪功支持を表明した。その中の司法委員会議長は、「江氏を法廷に引っ張り出すことが、法輪功への迫害を止めさせる最も良い方法である」と述べた。38名の連邦議員が連名で法廷弁論書に署名し、裁判長と法廷に案件の受理を催促し、この案件の進展に“重大かつ継続的な関心”をもつと表明し、法廷は外交圧力に影響されるべきではないとした。また、被告には、国家元首免除権が適応されないことを指摘し、「厳重に人権を侵害し他場合、例えその当事者が、国家元首の任期中の出来事であっても、その人を起訴できると、国際法に定められている」と述べた。合衆国国務院は、今年3月に公布した2002年度人権報告の中で、80ヶ所に渡り法輪功迫害の問題に言及し、この迫害を“系統的残虐な人権侵害”と称した。

学習者の努力により、一般社会も徐々に江氏の犯行を知るようになった。7月22日ワシントンDC国会山荘前の集会上、人民法廷という江氏への模擬裁判を催し、江氏が個人の意志により中国政府の意思を曲げ、強行的に弾圧を始めた内幕を暴露し、610オフィスによる蛮行及びこの迫害の残酷さ、広範な影響や市民への傷害は、人々にショックを与えた。同日行われた大型公衆集会で、30以上のNGOから支持を受け、さらに多くの国会議員が会場で演説を行い、人権迫害、信仰迫害に反対の意を表明した。

多くの地区の法輪功学習者が、訴訟に関する資料を各国の大使館宛に送った。ある大使館員は、この訴訟の進展に注目し続けていると言った。また、オーストラリア、ユーロッパ、アジアの法輪功学習者は、弁護士と相談し、江氏及び法輪功迫害専門組織の610オフィスへ、訴訟を行う準備をしている。

江氏側は外交と特務活動を強化

39名による連名で、裁判所に手紙を提出し、法輪功への支持を表明した米国議員の中で、相当数の議員が、中国大使からの手紙や電話があり、法輪功支持を止めるように要求されたことを述べた。情報によると、起訴の件ついて江氏は激怒しており、多数の外交特派員及び駐米大使館を通じ、米国政府へ裁判を止めるよう圧力をかけた。中国で拘束されているチャールス・リーさんと楊建利博士は、米国政府に裁判を中止させるための人質になっているという。

8月4日、北京市裁判所が楊博士に対して、3時間の秘密尋問を行ったが、米国官員による傍聴は許されなかった。楊博士が台湾のためにスパイ活動を行ったと告訴された。またチャールス・リーさんは、南京刑務所内で迫害を受けたため、断食による抗議を行っているという。米国政府のリーさんの待遇改善要望は、中国側に拒否された。

最近、米国及び台湾で多数の中国人スパイが逮捕された事件が、話題となったが、中国共産党の典型的スパイ活動の手法を暴露し、国際社会が米国の諜報政策の変化に関心をもつようになった。中国共産党が劣勢を挽回しようとすると同時に、米国内の中国政府寄りの華人は、いつ自分が、米国政府の中国共産党対策のカードになるかということを恐れている。

この訴訟の意義は法廷内に留まらない

江氏と610オフィスの罪状に対し、連邦裁判所が政治的圧力に屈することなく、被告に正義の審理と判決を下せば、法律が道徳秩序を扶助するという本来の価値を再現することになる。この訴訟の過程で人々に迫害の本質を認識させ、正義と良知を呼び覚まし、広範囲に人々を済度することが、より深い意義のあるところである。江氏が法廷と世論により判決を下されたときこそ、歴史に前例のない正義と善良への迫害から抜け出し、新しい紀元へと入る時であろう。