日本明慧


ある中国留学生の法輪功に対する憎しみ

ジョージ・ワシントン大学にいる台湾人学生が、彼女の友人が自ら経験した物語を話してくれた。ある日その友人が同僚の中国人留学生を連れて、車でワシントンの広場を通り過ぎ、道端で老婦人がチラシを配っているのを見た。その留学生はそれを見た途端に憤慨して、これは又法輪功だ、ちょっと言ってやらなければならないと、怒り出した。車をそっちに動かすように言われ、台湾から来たその友人はこれは行過ぎだと思ったが、車を動かした。その中国人留学生は老婦人のそばへ行って、一束のチラシをつかみ、その婦人の面前で破って見せようとした。しかし突然、彼女が法輪功ではなく、キリスト教の宣教をしていることを発見した。留学生は完全に面食らってしまった。この留学生の法輪功に対する憎しみの深さに、同僚は不可思議を覚えた。

私はこの話を信じる。私の会社に、中国人が多く住む地域に住んでいる台湾人が居る。彼も、何故中国大陸から来た隣人が、あれ程法輪功を憎んでいるのか理解出来ない。私にも似たような隣人が居るが、何年も米国に住んでいるにもかかわらず、法輪功を嫌っているだけでなく、それを支持する新聞まで罵る。

このような不合理な憎しみは何処から来たのだろう? 江沢民が迫害を始める前も、この人達はこのような態度であっただろうか?

中国に現れて以来、気功はかなり論争されてきた。通常の気功は病気治療と健康保持を講ずる。しかし、気功のピークが去った1992年以後に現れた法輪功は、修煉の概念を講じ始めた。これは更なる議論を引き起こした。法輪功は数千万人を引き付けたが、中国大陸においては十数億人は無神論者で、大多数は信じることなく、法輪功に引き付けられることがなかった。それは勝手であった。しかし、重要なことは、人々は決して法輪功に対し憎しみを持っていなかった。各々に好みがあるのは、一つの正常な社会現象である。

海外において、法輪功は鎮圧前に既に数年存在していた。その頃法輪功学習者は中国人社会でいつも洪法しており、よく大使館員達とも会い、皆仲良くしていた。西洋に中国の伝統文化を広めることにおいて、大使館にとって求めても得難いものであった。

しかし、1999年に始まった鎮圧が全てを変えた。法輪功は過去のままであったが、人々の法輪功に対する態度が変わったのである。態度の変化は、天地を覆い尽す偽りの宣伝によるものであった。

「文化大革命」が如何に悪であったかについて人々は話すが,どれ程乱れてもその影響は中国内部に限られていた。その頃は海外の大使館は力が弱く、共産党に傾く団体も有力ではなく、海外の中国人に殆んど影響しなかった。その上、外の人々は中国大陸の「文革」の荒唐さに対して醒めた認識をもっていた。

今日の法輪功鎮圧は、「第二次文化大革命」と言える。しかし、今回は中国は既に世界において影響力を持つ国となり、海外に厖大な外交人員を持ち、共産党寄りの多くの団体を持つ。中国大陸だけでなく、世界中の中国語メディアの大部分を買い取り、制御している。政府のメディアも直接海外に進出している。中国大陸で放送報道された法輪功を中傷する番組は、同時に全世界に現れる。騙されるのは中国大陸の民衆だけでなく、海外中国人も同じことである。

この点からだけでも、江沢民が民衆を騙し憎しみを造り出すことで、過去の独裁者達を遥かに越えていることが反映されている。

中国大陸の民衆が騙され、真相が見えないのは、新聞封鎖の為であると言う人が居る。しかし、海外の中国人にはこの封鎖の問題は存在しない。では何故多くの人が未だに真相を理解しないのか? それは、真相を理解しようとしないからである。

この「理解しようとしない」裏には、あまりに多くの法輪功についての嘘を聞いたことで、「憎しみ」の種をまかれ、憎んでいるものには耳を傾けたり、目を向けたりしなくなったことがあるのではないか?

中国大陸から海外へ来た人達の多くは、教育が高く、聡明で、且つ強い独立的思考能力を持つ。しかし何故法輪功のことになると、こうなるのだろうか? その原因は江沢民の極端な中傷運動にある。

あなたがもともと気功が好きでないところに、江沢民が「気功は殺人したり、精神病にかかる」と説くと、あなたの観点と一致してそれを受け入れて信じ、法輪功を憎むことになりはしないか?

もともと法輪功に対して何の意見も持たず、ただ政治嫌いであったあなたに、「法輪功は中南海を包囲し、攻撃した、反中勢力に利用され、政治に絡んでいる」と江沢民が言うと、あなたの反感に合い、法輪功を憎むようになりはしないか?

海外に来て、祖国が強国となり繁栄するよう望む人々に、「法輪功はビラを配り、中国人権迫害を披露し、中国の世評を悪くしている」と言えば、それは祖国愛の概念を民族主義のレベルにまで上昇させ、人々の気持に訴え、概念を混乱させ、法輪功を憎むようにさせるのではないか?

あなたが科学のみを信じ、宗教も神も信じないところへ、「法輪功は反科学的で、自殺によって円満昇天する」と言えば、あなたは法輪功を憎むのではないか?

海外に来た多くの中国人はキリスト教徒である。「法輪功の創立者は自分がキリストの転生であると自称している」と、嘘を言えば、彼らは法輪功を憎むことになりはしないか?

反共者に対しても、江沢民は打つ手を持っている。法輪功創立者は何故キリストに学び、帰国して受難しないのだろうかと言う。もしも創立者が受難すれば、江沢民は法輪功の鎮圧を止め、法輪功の名を回復させる、江沢民は迷いから醒めた、と説明したいようだが、それなら何故創立者は受難しなければならないのか? もしも創立者が受難しても鎮圧が続くことになれば、まんまと江沢民の罠にかかってしまうではないか。少し失敬な言い方をすれば、もしも当時、キリストの弟子達が皆勇気をもって出て来、師を助けて流言を暴露していれば、キリストは十字架につけられる必要はなかったのではないか?

中立的な人でさえ、「迫害はもう何年も続いている。江沢民の言うことは嘘ではないのかもしれない。」と思うようになり、中立は崩れてしまう。

人は皆何か好きでないものがある。江沢民はそれを利用してそれぞれの観念に合う嘘を一つ一つ造りす。中国大陸の昔の宣伝文句に「必ずあなたに合うものがある」というのがある。人々の好みと嫌悪に訴えるこのような嘘は最も欺瞞性を持つ。人々は知らずに嘘を真実として受け入れ、法輪功に対する偏見を増強し、最後には真相を理解するのとは逆に、真相を理解出来なくなってしまう。

人々が何故自分が法輪功を憎んでいるのかその理由を探すと、必ず江沢民の嘘にその理由を見い出すことが出来る。そのような計算された、人の様々な観念に合わせた嘘のテクニックは、江沢民が如何に邪悪であるかを示す、有力な証明である。

歴史上、外的に管制封鎖を用いて人々が真相を知るのを阻止するのは、邪悪であると見られる。今日江沢民は嘘を用いて人々の頭の中に壁を造り、彼らが真相を知ろうとしないようにさせた。嘘がこれほど長く継続したことと、害を受けた民衆の数の多さは、江を人類史上最大の邪悪とすることになる。

法輪功学習者達は、これだけ多くの誤解のある困難な情況にあっても、より多くの人が真相を知り、江の邪悪を認識するよう、忍耐強く真相を伝えているのには、人々の敬服が増える一方である。

2003年10月2日