日本明慧


江沢民告訴を取り巻く深い霧をかき分けて(後半)

 【明慧ネット2004年5月25日】法輪功迫害の首謀者である江沢民を告訴するということが、世界において展開されるにつれて、法輪功の真相について十分理解されていない人々より、数々の疑問がでるようになり、悪意を抱く人によって疑問点を歪曲させられるという事態が発生した。この点に関し、明慧記者が二人の法輪功学習者:程清氏と黎中明氏にインタビューを行い、4つの大きな疑問点について、それぞれの意見を伺った。(前文に続いて:敬称略)

3)一部の欧米の人々には、「法輪功を迫害するのは中国政府の錯誤に問題があるのであり、なぜ江沢民氏個人を告訴するのか。恥をかかせようとしているのか?」と言う疑問がある。

 黎中明:異なる社会制度下で生活している人々には、独裁による統治についての認識が不足しており、善良純朴な思考をもってして、制度及び思想に差異のある社会現象や事物を考えてしまう。それ故、物事への認識や理解に差異が生じる場合がある。欧米先進諸国の政府行政機構は健全に整っており、国民によって選ばれる政府は、その民意を代表し、立法、行政及び司法の三権が完全に分離され、遭遇する諸問題を有効に回避し、適切に解決することができる。

 最近の米国における例では、捕虜虐待事件、クリントン前大統領の不倫疑惑の処分など、まさにこの政体機構の優れた機能を示しており、国家の名誉、利益の損失、人権侵害、ひいては政府上層部の不正行為なども、その責任を隠し、あるいは回避することは、極めて困難であり、全てはそのあるべき責任を負わなければならない。
 中央集権的独裁政権においては、これらの一切の束縛が無く、全てはその最高権力者によってコントロールされている。江沢民は、まさにその手中の権力をもって恣意的に弾圧を発動し、その政策もレベルを徐々に引き上げ、法輪功学習者に対して強引に残酷な迫害を推進してきた。極端な嫉妬から生まれた政策にせよ、その地位が脅かされたために生じた恐怖心にせよ、その頑迷に法輪功を迫害する根本目的は、自身の保身の為である。“打ち首”をもじさずというのも、法輪功は、その“真・善・忍”の修煉のため、殴られても返さず、罵られても言い返えさない7,000万もの善良な人々が、本当の脅威とはならないと考えたからである(暴力をもって報復しない)。このような極端な邪悪は、善良な欧米人には、想像も理解もし難いものであると思う。

 程 清:もう一つの問題があるというのは、法輪功を弾圧することを押し通したのも江沢民本人である。当時、他の中央政治局委員が、皆法輪功を弾圧することに賛成しないという状況においても、江沢民は強引に政府決定を下し、国家機能の全てを思うままに動かし、政治、経済、外交、司法、宣伝、文化、社会生活などの全ての領域において、法輪功を迫害するように貫徹させた。そして、国家機関、工業、軍隊、会社、学校、医院、町、農村などの全ての階層において法輪功を迫害するように徹底させた。以上のことをもって、江沢民は中国全土に普く、全ての方面において、法輪功を迫害する政策を実施させたと言えよう。この角度からみても、今回の迫害は、実質上邪悪極まる独裁者が“真・善・忍”を敵視する結果だと言える。

 それ故、法輪功学習者たちは迫害の元凶にたいして直接告訴した。法的手段をもって迫害を制止させ、犯人を厳罰に処することは、道義上においても、あるいは法律、正義の観点からみても全く異議のないところである。また、積極的に江沢民に追従し、法輪功を迫害する配下たちも、一部の国で起訴され、その中の三人は既に有罪判決が下されている。

 4)江沢民の訴訟は中米関係を損害することになるのではないか

 程 清:江沢民を起訴すると“中米関係を損なう”という言い方は、国家関係のあり方を無視し、中米関係を江沢民と米国との関係のように定義している。これによって、国内に対しては国民を欺き、煽動することができ、国外に対しても法律の制裁から逃れるのに役だった。江沢民の訴訟問題に直面し、中米両国間における外交関係と経済関係は、常に江沢民政権に利用され、米国政府に対して圧力を加え、米国側に行政関与の方法をもって、江沢民の訴訟について中止させるための最大の“道具”であった。中米関係というものは、中国人民と米国市民との関係であり、江沢民が理解している様な江個人と米国政府との関係ではない。中米間の関係は、中米両国の憲法及び法律の下での両国人民の利益及び国際関係に符合した正常な関係である。

 黎中明:江沢民は、このように数多くの悪事をなした以上、彼は中国の政府を代表することはできず、中国人民の権益を代表することもできず、更に中国の未来を代表することはできない。江沢民は独裁者であり、人民が民主的な選挙方法によって選出した国家元首ではない。強権をもって法輪功を迫害することは民意を蹂躙し、憲法及び法律に違反した結果でもある。まさに明慧ネットのある文章の様に、江沢民は無辜なる民衆を迫害し虐殺し、殺人をしてもその罪を贖わない。罪を犯しても、その責任を負わないという特権はなく、歴史は江沢民の罪を免除することはないのである。

 米国は、その建国以来いつも自由、人権、社会公益を保護することを立国の精神とした。米国は第二次世界大戦後も、常に世界公的道徳の規範として国際規則を維持し保護してきた。そして、国際共同生存環境の主役として認識されてきた。米国は常に道義の原則及び法治精神を維持してきており、歪曲された概念及び経済利益の強迫のために汚点を蒙るべきではないと思う。米国では法律をもって在任中の大統領をも起訴することができるのである。在任中の元首でもなく、米国の大統領でもなく、“大量虐殺罪”で告訴されている江沢民が、米国大統領以上の、そして法律をも凌駕するような特権があるのであろうか?

 程 清:西側諸国は、常に中国を解放された、より健全で合理的な民主の根本に符合し、世界公益の基準と共に歩めるような、国際社会の一員となるように働きかけた。しかし、事実からも分かるように、そのイデオロギーを変えさせる難しさというものは、先進国の善良な願いを遙かに超えている。一つの国家というものは、世界の一員として国際社会に対し、相応な責任を負うべきものである。もし江沢民のような独裁者が暴走し、中国及び世界各国の生存発展の共同かつ根本的な利益に対する、国際準則の履修者とならないならば、最終的に害を被るのは、やはり中国の人民及び国際社会であろう。

 黎中明:確かにその通りであり、中米関係の根本かつ遠大な利益というのは、中国における人権侵害の危機において、米国が国際人権規則保護の観点から、正義を貫き、法によって人権犯を罰することこそが、中国の人権の現状及び国際社会におけるイメージを改変するのに役立つと共に、中国を本当の意味での発展に導くのであると思う。このような基礎に立つ両国の関係こそが、健全で両国及び世界各国の利益に符合したのであろう。邪悪に対する譲歩というのは、国家間であろうと国際社会であろうと、必ず損害をもたらすことであろう。

 江沢民を法廷に出廷させること、それは“大量虐殺罪”、残酷刑罰罪及び反人類罪に対する最も良い表明であり、そして国際人権規則、人類の良知と道義への最大の保護ともなる。中国の角度からみても、道徳伝統及び人類善良への回帰、中華民族の古よりの天を敬い、命を知り、心を修め、そして徳を養うような純正な文明の再建こそが、中国にとっての本当の“立ち直り”であり、これでこそ中華民族を素晴らしい未来へと歩ませることができるようになる。
 
米国は法輪功の問題において、江沢民政権により外交及び経済的利益の脅威を受けたに留まらず、常に江沢民政権によって“反華勢力”であると中傷されてきた。これらの全ては江沢民が、国内では愛国の民衆を欺き、国際舞台では理不尽を押し通すことで、許されることのできない罪から逃れるための芝居に過ぎないのである。

 程 清:今では法輪功の真相を知るようになり、江沢民政権の一連の悪行を知った良知のある中国民衆たちにとっては、現時点では江沢民政権の高圧な影のもとにあるが、しかし心に天秤が無いわけではない。彼らは観察しており、国際社会及び米国も含めて、国際法及び道義の基準に従い、江沢民を公正な審判にかけることを期待している。中国国内では、江沢民を審判するように要求する民意が高まりつつある。人心の法廷、道義の法廷による審判はもうすでに始まっているのである。

 世界各国を見渡すと、法輪功に対する迫害の首謀者である江沢民及びその追従者たちは、起訴された事案が既に25例に上っており、“残酷刑罰罪、反人類罪、大量虐殺罪”などの罪名で起訴されている。その中で江沢民に関しては、既に米国を含め6ヶ国で起訴されている。このような審判のグローバリゼーションの勢いからも分かるように、今日世界の片隅である中国で起こった“大量虐殺罪”は、既に国際法曹界及び人権組織の注目を浴びていることを示している。この種の犯罪は、必ず法律による処罰及び国際社会の共同による制止が必要であるとの統一が図られている。

 黎中明:米国政府ははっきりと分かっていると思う。邪悪に対する譲歩及び妥協というものは、米国の精神の汚点となり、同時に邪悪を蔓延させ、米国自身も含めて世界に危害を及ぼすこととなる。現在は歴史の最も大事なときであり、米国史の重要な瀬戸際でもある。米国政府は、自国の立国精神及び道義的規準を堅持し、中米間及び世界へ本当に責任を負う選択として、江沢民を法の審判へと出廷させることにより、この前代未聞な良知に対する迫害の中で、歴史的時期の偉大な役割を果たすと共に、栄誉となることであろう。


 (中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2004/5/25/75586.html

(英語:http://www.clearwisdom.net/emh/articles/2004/5/30/48700.html