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米国務院が人権報告書を発表、「中国の人権がさらに悪化」

 【明慧ネット2006年3月9日】(明慧記者王英)米国国務院は3月8日、2006年度の国際人権報告を発表し、中国に関する内容は85ページにも及んだ。同報告によると、これまでの一年間、中国の人権状況はさらに悪化し、中共政権は法輪功などの団体に対する迫害を強めたという。

 法輪功への迫害はまだ続いている

 米国務院が発表した人権報告によると、中共政権は1999年に法輪功への迫害を発動して以来、監禁中の拷問・虐待・怠慢によって死亡した学習者は数百人から数千人にまで及んでいたという。同報告は、吉林省長春市の法輪功学習者・劉伯陽さんと王守恵さんが2005年10月に拷問によって監禁中に死亡した事例を報告した。

 報告では「中共政権は今でも法輪功への迫害を続けており、数千名の学習者がまだ刑務所に監禁、または法的な根拠のない労働教養所と精神病院に収容されている」と言っている。

 法輪功の張而平・スポークスマンは、中国国内外の法輪功学習者が引き続き各種の嫌がらせと迫害を続けていると語った。同スポークスマンは「これまでの一二年間、国内では中共の法輪功に対する迫害は厳しくなる一方だ。表では、当時のように大々的に行なわれていないように見えるが、迫害の手段と状況から見れば、迫害の手は少しも緩められていない」と現状の厳しさを説明した。 

 中共はネットに対する封鎖を強めている

 さらに、同報告は「人権状況が後退する部分も見られた」と報告した。なかに、インタネット上で政府にとって都合の良くない問題を議論する人、医療問題に積極的に取り組む人、労働者運動の指導者、弁護士、マスコミ関係者、地下教会のメンバーらの逮捕が多発している。中国人は政府を変える平和な手段がなく、公に意見を述べる人々は監禁・拘禁されている。当局は国家の安定を脅かしていると思われる宗教・政治団体の活動をすばやく封じていると指摘した。

 言論の自由と報道の自由の問題も挙げられた。出版物の管理と創刊、ラジオ・テレビを厳しくコントロールし、外国メディアが作成する番組を検閲しているという。また、海外からのラジオ電波を妨害することも指摘された。本年度、一部の出版物に政府が容認しない記事を掲載したため、停刊処分にされた事例がある。新聞記者、作家、学者と研究者らが嫌がらせを受けたり、勾留・逮捕されたりする事件は後を絶たない。

 拷問は中国で一般的に行なわれている

 同報告はさらに、国連の拷問特別調査員が訪中後の調査結果を引用し、拷問が中国で一般的に行なわれており、殴打と電撃が常用の拷問手段で、囚人を拷問させる現象もよく見られていると紹介した。地下教会のメンバー、法輪功学習者、チベット人とウィグル族人は拷問の主な対象となっているという。

 米国務院は毎年、全世界196カ国の人権状況をまとめた報告を発表している。中国は人権の状況の悪化でいつも批判されている。

(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2006/3/9/122447.html