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急いで結審、シンガポール高裁が理不尽な判決を下す

(日本明慧)シンガポール政府が法輪功学習者を虚偽告訴した「7・20虚偽告訴案」の三回目の公判は2006年11月28日から12月1日に行われた。弁護士は営業許可を取り上げられて不在のもと、被告の二人の法輪功学習者は自己弁護を行った。今回の公判で結審させるため、裁判官、法廷警官の乱暴な手順が目立っている。公判が始まって間もないとき、控訴側は突然、予定した証人の出廷と証拠の提出を突然取り消し、弁護側が用意した証人と証拠物も関係ないという理由で認められなかった。裁判官は翌朝、結審を宣言した。被告の法輪功学習者は証人と証拠物に対する法廷の乱暴な処置について、高裁に刑事法動議を提出したが、拒否された。

 早く結審したいがために、裁判官は結審陳述の準備時間を与えて欲しいという被告の合法的な申請を却下し、三日目に強行して結審に踏み切った。判決の中で、被告に対して有罪判決を言い渡し、被告の黄才華さんは1500シンガポールドルの罰金を科され、罰金の納付を拒否すれば、15日間の監禁になるという。被告の余文忠さんは1000シンガポールドルの罰金を科され、罰金の納付を拒否すれば、10日間の監禁になるという。

 両被告は今回の公判を公判として認めておらず、罰金の納付を拒否し、上告をする方針。しかし、裁判官は判決の中で、上告は服役を終えてから始めてできるものとした。通常、被告が控訴すれば、保釈の状態で上告の結果を待つことができる。最高裁の判決が出た後、判決が執行される。被告が社会の治安をひどく脅かす恐れがある場合だけ、保釈は認められない。

 上告ができないまま、黄才華と余文忠は刑務所に監禁され、服役している。

 3人のシンガポール法輪功学習者・黄才華さん、余文忠さんおよび陳培良さんは今年7月20日、中国大使館の向かい側の道路で、「7.20法輪功学習者に対する中共の非道な迫害にハンスト抗議/Stop Persecution of FalunGong in Ching」と書かれた横断幕を広げながら、平和的な座り込み抗議を行ったところ、シンガポール警察に「侮辱的な言葉により騒乱の罪になる恐れがある」という理由で、起訴された。3人の学習者は起訴に不服があるとして、裁判を通じて真相を伝えることにした。しかし、公判が始まる直前に、裁判所は突然、陳培育さんに対する起訴を取り下げたが、移民局は陳さんの長期滞在ビザを取り消した。73歳の陳培育さんは仕方がなく、出国を余儀なくされた。これにより、当事者は3人から2人になった。

 シンガポールの裁判室の多くは60から70の傍聴席があり、2001年と2004年で開かれた法輪功関係の公判は通常の部屋で行われたが、今回の公判は密室同然の部屋で行われた。一人しか収容できない被告席に二人が座っている。傍聴を希望する人がたくさんいるにもかかわらず、毎回の公判のとき、数十人ないし百人におよぶ学習者と支持者のうち、数人しか入場できない。他の多くの人は裁判所の外で立ったまま結果を待っている。海外から駆けつけた支持者もいるが、傍聴することができなかった。

 実は、今回の公判はとても公判と言えるほどのものではなく、まったくの芝居である。裁判所はシンガポール政府からの圧力で、急いで結審しようとしている。証人と証拠物の提出も拒否されている。

 7月、法輪功学習者に四つの刑事訴訟が届けられた。これらの案件に一つの共通点がある。つまり、原告側の証拠が極めて少ないということである。四つの案件の二つはチラシ配布関連のもので、「不法な集会の開催」として訴えられた。残りの二つは中国大使館前の抗議活動であり、「嫌がらせ」として訴えられた。2004年投じ、原告側は20数人の警官とたくさんの証拠物を提出したが、今回、原告側はまったく違う策略を取っているようだ。

 2006年12月5日

(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2006/12/1/143673.html
(英語: http://www.clearwisdom.net/emh/articles/2006/12/2/80496.html