■日本明慧 http://jp.minghui.org/2007/11/27/mh285235.html 



母の願い

(明慧日本)姉が5月のある日、突然、中国国家安全局の工作員に強制連行されてから、すでに6カ月になる。姉は法輪功修煉者で真・善・忍への信念を曲げないことを理由に、彼らは姉に罪名をつけて不法に5年の判決を下した。

 姉がまもなく省刑務所に送り込まれることを知り、年老いた父と病弱な母はなんとしても娘に会おうと拘置所に出向いた。母は姉のために中綿入りズボンを用意し、父も姉のためにおいしい物をたくさん用意した。

 11月の北国はすでに凍えるほどの寒さだ。今朝、私と両親は姉の2人の幼い子供を連れて拘置所に行った。風は冷たく、骨まで凍みるようだった。出勤時間前だったので外で待つしかなかった。母は姉が見えないにもかかわらず、塀の中を一生懸命に覗いた。冷たい風で髪が乱れてもまったく構わなかった。

 拘置所には決まりがあるそうだ。つまり、殺人犯、放火犯、強盗犯、麻薬売買犯などの受刑者は家族と面会できても、法輪功修煉者だけは絶対に誰とも面会させないという。姉に会いたい両親の願いをかなえてあげるため、私はコネを使いきり、やっとの事で「試してみよう」と友人の助けを得ることができた。

 出勤時刻になり友人が現れた。私たちを外で待たせて彼は拘置所の警備室に入った。かなり待たされてやっと出て来た彼に、今日の面会は無理のようだと告げられた。「どうして? 面会できるって言ったじゃないの?」と、私が声を荒げると「お姉さんを省女子刑務所に送る日がちょうど今日のようだから、今日は会えないよ」、「え?!・・・」、「本当に会えないよ・・私も助けてあげることができないよ・・」と友人が言った。

 私の心は刃物で切り刻まれるようだった。姉は小さい頃から私の面倒をよく見てくれ、私の姉に対する情は人一倍深い。姉は以前身体が弱く、法輪功の修煉を始めてからは、別人になったかのように病気も回復した。中共が法輪功に対し残酷な弾圧を始めてからも、姉は法輪功の修煉を放棄しなかった。姉が前回強制連行されたのは、北京に陳情に行ったのが原因で、その結果1年半も刑務所に入れられた。それでも姉は信念を曲げなかった。

 私も姉は決して間違ったことをしていないことを知っている。中国の憲法には信仰の自由は国民一人一人の基本的な権利であると定めてあるが、中共は一庶民のこの基本的な人権を剥奪した。間違っているのはならず者政権の中共であり、この中共のせいで家族は姉の顔を見ることもできない。この中共によって無数の国民が命を落とした。正に中共こそが真の殺人鬼なのだ。人々は、悲劇が自分の身に降りかかったときになって、やっと中共の残虐さを知るようになるのだ。

 友人の呆然とした顔を見て、私はどうする事も出来ないと悟った。両親には、「今日はだめだから数日後にもう一度来ると、きっと会えるよ」と言ってごまかした。

 私は、悲しみに打ちひしがれ落胆した母の顔を見る勇気がなかった。 5年・・・病弱な母の身体があと5年も持つのだろうか? 永遠に無念のままこの世を去るのではなかろうか?・・。この5年間を両親はどのような思いで過ごさなければならないのだろうか? 私には想像もつかない。姉の2人の幼い子はどうなるのだろうか? 私には本当に想像もできない。

 真・善・忍を信仰する無実の人を刑務所に送り込んだのは誰なのか? 血の繋がった親子が顔を合わせることもできない悲劇を作り出したのは誰なのか? 世の人々よ、あなた達の目で見てください、一度よく考えてみてください、そして目を覚ましてください。次に悲劇が訪れるのはあなたかもしれないのですよ・・・。

 2007年11月27日

(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2007/11/16/166644.html

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