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オリンピックという名の虐殺(写真)


荷雨/総合報道

(明慧日本)「私は真心を捧げ、悲しみを自分でかみしめる…私は春を捧げて、自分が冬に耐える…」これは中国大陸でよく知られている歌「愛の箴言」である。今この歌も絶唱となってしまった。2008年2月6日、歌の作者で42歳になる法輪功修煉者・于宙さんが警察に「オリンピックを迎えるため」という口実で北京で虐殺された。これは北京でのコンサートを終えて、帰り道に不法に強制連行されてからわずか11日後のことだ。
于宙さんの「愛の箴言」は純愛を表現し、バンドの一番人気の曲である


 真心を捧げる人

 于さんは北京大学フランス語専攻を卒業し、数カ国語を話せる天才である。奥さんも北京大学ジャーナリスト専攻を卒業して、詩も絵も業界内で知られているほどである。1995年に友人の紹介で法輪大法を知り、それから2人は修煉の道を歩み始めた。

 于さんは修煉のレベルアップとともに音楽に対する理解も深まっていった。芸術家は名誉と利益を追求し、自分だけを表現することでなく、本当に観客にすばらしいもの提供すべきだと考えた。

 たとえ少し有名になっても、于さんは素朴で隣のお兄さんのように見られていた。北京には芸術の夢を追いかける人たちが集まっていた。相対的に安定していた于さんは彼らに居場所やお金を提供したり、生活が困難であまり知らない人に自分の多くない収入の大半を援助したりした。

 痛みを耐えつつ、人に喜びをもたらす人

 于さんが明るいドラムと歌声で観客に喜びを与え、他人を援助しているときに、誰も于さんたちの不幸に気づいていなかった。1999年7月から、ほかの法輪功修煉者と同じように于さん夫妻も迫害を受けるようになった。

 1999年8月に于さん夫妻はほかの修煉者と集まったため不法に15日間拘留された。さまざまな虐待も受けたが、ほかの修煉者の個人情報を何一つ漏らさなかった。その盤石のごとき堅い意志、善良や仁義の心が多くの警察にも尊敬された。

 2001年7月奥さんが地方の修煉者を自宅に泊めたため不法に5年の実刑を言い渡された。北京女子労働教養所で多くの虐待を受けながらも、信仰を諦めずに絶え間なく迫害する人に法輪功の真相を伝え続けて、多くの囚人や警察を感心させた。

 中国共産党に「オリンピック」の名で虐殺された人

 北京オリンピックの開催が近づき、オリンピックの名義で法輪功修煉者に対する更なる大規模な強制連行や逮捕が始まった。

 2008年3月11日までの不完全な統計によると、去年末から法輪功修煉者が不法に逮捕された件数は、1878件に上る。それは中国全土で起きており、北京だけで156人も逮捕された。さらに法輪功修煉者でない家族、子供までも免れることはなかった。多くの地方において、懸賞を出して、法輪功修煉者を捕まえようとしていた。また、迫害や虐待致死の案件も増え続けている。

 2008年1月26日コンサートを終えて、于さんと奥さんが自宅への帰り道で、不法に逮捕された。2月6日に家族が通知を受け、救急センターに駆けつけた時に于さんはすでに呼吸が止まっており、帰らぬ人となった。真実を隠すため警察側が親族に火葬を強要したが、親族は断固死因調査をすることを貫いた。調査の約束をしたにもかかわらず、急に奥さんを留置場に移送した。今于さんの遺体は、まだ救急センターにある。

 その後、警察は情報を封鎖して、家族を包囲し、ほかの人から隔離した。3月中旬に友人たちはやっと于さんの現状を知り、海外まで伝えることができた。また最近、于さんの家族全員が失踪して、連絡も取れなくなった。

 2008年3月30日

(中国語:http://www.minghui.ca/mh/articles/2008/3/29/175382.html