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カナダと中国の弁護士が国会のフォーラムにおいて中国の人権に焦点を合わす(写真)

(明慧日本)2008年5月7日、5人のカナダの国会議員が発起した「中国の人権とオリンピックに関する昼食フォーラム」が国会で開催された。4人の有名なカナダの人権弁護士は講演を行い、多くの実例を挙げて中国の人権の現状を論述した。そして「カナダの官吏と国会議員が2008年のオリンピックの儀式に参加すべきかどうか」について討論を行った。
国会議員スコート・レド(Scott Reid)氏
有名な人権弁護士のデービッド・ マタス(David Matas)氏
カナダ弁護士のクライブ・アンスリー(Clive Ansley)氏(講演者)
元国会議員のデービッド・キルガー(David Kilgour)氏
カナダ政府に救援された法輪功修煉者の何立志さん
弁護士の郭国汀氏


 今回のフォーラムはカナダの国会議員のスコット・レド(Scott Reid)氏、オーウェン・コテラー(Irwin Cotler)氏、ウェイン・マーステン(Wayne Marston)氏、ロブ・アンデェス(Rob Anders)氏、ビール・シカシィー氏(Bill Siksay)によって発起された。また、4人のカナダと中国の人権弁護士、「中国共産党の法輪功修煉者の生体臓器摘出に関する調査報告書」の作者であるデビッド・キルガー氏(David Kilgour)とデビッド・マタス氏(David Matas)、かつて上海で弁護士をしたカナダの弁護士・クライブ・アンスリー氏(Clive Ansley)及び中国の弁護士の郭国汀氏も加わった。80数人の国会議員、上院議員(あるいは秘書)、外交使節、NGO代表と中国の人権に関心を持つ人々がフォーラムに参加した。

 大虐殺の発生に 私達はもう逃れる口実がない

 中国共産党の法輪功修煉者の生体臓器摘出問題に言及した時、アンスリー氏は「過去9年の中で、近代歴史の中で最も野蛮な蛮行が中国で系統的に行われており、大虐殺が再度発生しました。世間をぞっとさせる規模で行われています」と言った。

 アンスリー氏は「第2次世界大戦は世界を驚かせました。その後人々は迅速に『ユダヤ人保護同盟』(Jewish Defence League)のスローガン『永遠に二度と大虐殺を発生させない!』を採用しました。私達は決して集団殺戮の発生を二度と許しません」と述べた。

 「人々は驚き恐れて1936年のベルリンのオリンピックを振りかえりました。彼らは、何が発生したかを知っていたならと言いました。……私達は今同じ失敗を繰り返そうとしています。私達は何が発生したかを知っています。私達はオリンピックの特別な栄光を、この星の人を戦慄させ、人道に反する残虐な行為を行った犯人に与えています」と彼は述べた。 

 アンスリー氏は「歴史は更に私達の世代の人々に口実を探すことを許しません——もし私達がすでに何が発生したのかを知っているならば! 私達はもう知らないと言うことはできません。私達は中国共産党が系統的に非常に多くの人を謀殺して、生きたまま人の臓器を摘出して金儲けをしているのを知っています!……私達はこの犯罪を知っています。同席する2人のデービッド氏の報告の中にある驚くべき非難告発は、メディアと国会システムに軽視されています」と述べた。 

 アンスリー氏は「国連の残虐な拷問に関する問題の専門員のマンフレッド・ノワーク氏は、すでに2人のデービッド氏の報告を確認しました。行われている生体臓器摘出の大虐殺は現実的な存在であることを確認しました。中国共産党も社会から法輪功を取り除く目的を公にしました」と述べた。

 アンスリー氏は臓器の略奪に反対する医師組織のスポークスマン・Dr. Torsten Trey氏がワシントンの集会で行った発言を引用した。「世界が中国で発生しているすべてを受け入れることは、ヒトラーの蛮行を受け入れることより更に深刻なことになります。1936年、人々はヒトラーのユダヤ人に対する計画を知らなかったが、しかし私達は中国共産党の法輪功に対する(絶滅)計画を知っていると彼は言いました」と述べた。

 生体臓器摘出は独裁統治と「拝金主義」の致命的な組合せによる新しい邪悪

 33種の証拠による結論は「中国で大量の法輪功修煉者の生体から臓器を摘出して、暴利を貪る事実が存在している」。2人の調査員は過去2年間で40余りの国を回って、人々に中国で発生している驚くべき人権蹂躙を伝えた。作者の1人で、前アジア太平洋局局長のデビッド・キルガー氏は講演の中で「圧倒的多数の私達の報告を読んだ独立した人達は、皆この恐ろしい非難告発の論証を信頼しています」と言った。

 キルガー氏は「中国で、人の生命は決して自然環境、仕事の安全、大衆の医療……より重要ではない。独裁統治と『拝金主義』との致命的な組合せが(臓器摘出)のような新しい邪悪を中国で発生させています」と述べた。

 デビッド・マタス氏は中国共産党の臓器摘出に対する4つの反応から、この非難告発の真実性を論述した。この4つの反応はそれぞれ、一、「私達に話をさせない」。例えば、私達の講演の招待を取り消させるよう主催側を脅す。二、「逆宣伝」。中国共産党はデマを飛ばして、報告が「恐らく」、「聞くところによると」などの言葉を使ったと言い、報告は事実に基づいていないと説明する。しかし、報告の中では別にこれらの字句を使っていない。三、報告の中の証拠を廃棄する。例えば、ウェブサイト上の臓器販売などに関する証拠を削除した。四、基本的な事実を変える。例えば新しい法律を公布して、臓器取引を廃止する。

 中国で人権弁護士は自分の基本的な権利のために弁護することができない

 郭国汀弁護士は真っ先に法輪功修煉者のために弁護する弁護士の一人である。彼は、巨大な政治の圧力、身の安全などの要素に直面して、たくさんの中国の弁護士は人権問題の弁護士になる勇気がないと言った。郭弁護士は例を挙げて話した。2003年に中国で10人の人権弁護士がいたが、現在、この人たちは100パーセント仕事を失ってしまい、その中の4人は残虐な拷問をうけている。4人が連行された。その中の5人は警官に殴られたことがあり、2人は審判を通さずに刑務所に送り込まれている。

 郭弁護士は、「弁護士は最も法律が分かっています。人権問題の弁護士は最も人権の法律が分かります。しかし中国で、人権弁護士は自分の基本的な権利のために弁護することができません」と語った。郭国汀弁護士は、人権弁護士以外、自由ネット作家、記者と政治集会の組織者は皆中国共産党当局が監視し抑制して迫害する対象になっていると言った。

 郭弁護士はまた自分の依頼人、迫害を受けた法輪功修煉者の境遇を述べた。1人は瞿延来さんという上海交通大学卒の学業品行ともに優れた学生で、インターネットで法輪功の資料をダンロードしたため、不法に5年の刑罰を下された。不法に拘禁された時、断食をしたため、2年間灌食を強要された。拘禁後の4カ月間、手足をきつく縛られ、行動の自由がなく、身長1.8メートルの瞿延来さんは最後にやせて骨と皮ばかりになった。

 もう1人は郭弁護士が会ったことのある陳光輝さんと呼ぶ法輪功修煉者である。陳光輝さんは植物人間になるまで殴られて、まったく話をすることができなくなった。8人の警官はずっと彼が冤罪を晴らせずに死亡するまで24時間監視した。郭弁護士は陳さんの骨は粉砕骨折しており、一部分の骨は取られてしまっていると気づいた。郭弁護士は彼がめった打ちされたと判断した。警官は陳さんが自殺したと言った。しかし郭弁護士は「絶対に自殺ではありません、自殺する場合、通常傷を受ける部位は額であり、両側ではありません」と言った。

 郭国汀氏は、中国で法輪功修煉者はまったく人権がないと言った。

 弁護士はカナダの官吏に2008年のオリンピックから距離を置くよう勧める

 アンスリー氏「集団虐殺、強制的な臓器摘出と残虐な拷問を反対するよう呼びかけるのは政治ではありません。ただ人類に対する基本的な尊重だけです。これは基本的な道徳であり、政治ではありません」と話した。

 アンスリー氏は「政治とはなんですか? 市ランクにとっては、河の上に橋を造るのか、それともトンネルを開通させるかを検討することは政治の論争です。省ランクにとっては、中学あるいは大学の教育支出を減らすかどうかが政治の論争です。連邦にとっては、北米の自由な貿易合意を打ち合わせるかどうかが政治の論争です」と言った。

 彼は「国際オリンピック委員会は大虐殺級の人類に反する犯人を、財政問題と全世界の交通制御ランクの政治討論に帰結しました。これは下品なことです」と言った。アンスリー氏はカナダの官吏と国会議員に2008年のオリンピックから距離を置くように提案している。

 オリンピックに対して、マタス氏はいくつかの提案を出した。オリンピックを利用して、世界に中国の人権侵害に焦点を合わせさせる。「人権聖火」を広め、人権を代表する国家の指導者は、いかなる者も皆オリンピックに参与すべきではない。

 マタス氏は「人権は普遍的な特性を持ちます。私達は皆私達の集団の中で役割を持って生活しています。専門の人は専門の仕事で、商人は商業を営み、スポーツ選手は試合の中で競技します。しかし、人権はこのすべての丸天井に位置します。人権は専門家の従事する専門的事項ではありません。私達すべての人はそのために皆責任を持つべきです。それは私達が共有する基本的な人間性なのですから」と語った。

 彼は最後に「臓器のために罪のない人を謀殺するのは、人類に反する罪です。このような犯罪は被害者に対するだけではなくて、すべての人に対する犯罪です。私達がこれを無視する時、私達が捨てたものは被害者だけでなくて、私達は私達の人間性を否定しているのです。全てのオリンピック運動に力を尽くす人は必ず自分の責任を尽くして、中国で発生する人道に反する罪を終わらせましょう」と話した。

 オリンピックを中国の人権問題を弾圧する口実にするべきではない

 国会議員のビール・シカシィー氏は取材を受けた時に、「ある人は政治がスポーツに介入すべきでないと言い、ある人は私達が中国との経済貿易の機会を犠牲にすべきではないと言うなど、人々には種々の口実があります。私は人々がいろんな地方へ行って交流を行う必要があると思います。しかし私はいつも中国あるいはその他の国の人権問題に対して圧力を加えることを停止すべきではないと思います。私達は彼らにはとても深刻な人権問題があることを知っています。私達は彼らがオリンピックを開催するからといって、人権問題に対する圧力を弱めるべきではありません」と話した。

 ビール・シカシィー氏は政府が中国の人権問題と向き合うように提案した。彼は「私達は中国がオリンピック開催を獲得する時に、引き受けなければならない義務に注意を向けさせなければなりません。私達も直接彼らに対する批判を表明する必要があります。私達は(人権)を軽視することができず、私達が中国との接触の中で、人権問題は必ずずっと最優先課題に位置付けなければなりません」と述べた。

 2008年5月14日

(中国語:http://minghui.ca/mh/articles/2008/5/8/178065.html