日本明慧
■印刷版   

中国共産党が地震予告を隠蔽した証拠が多く暴き出された(写真)


 文/龍延

(明慧日本)5月12日の四川省大地震は民衆に甚大な被害をもたらした。多くの人が最初から、これは天災だけでなく人災でもあることが分かった。官吏の腐敗がたくさんの子供の死を招いた根本的な原因で、大地震は、中国の教育システムが抱える深刻な問題を暴き出した。

 5月13日午後、地震後中国国務院が行った記者会見で、「成都商報」記者が質問する時、CCTV(中国中央テレビ局)の生放送が突然中断した。その前、シンガポール最大の中国語紙・「聨合早報」(シンガポール・プレス・ホールディングス、SPH)の記者は中国地震局スポークスマン・張宏衛に次のように質問した、「私達は四川省地震局従業員7人から苦情を聞きました。彼らの親族は数日前に地震の前兆に気づきましたが、地震局はオリンピック前の安定した局面を保つために、この情報を漏らすなと命令したといいます。これほど大きい震度の大地震は、事前に早期警報を出すことができますか? このような苦情に対してどう思いますか? ありがとうございます」。

 政府部門が早期予告の情報を得ていたかどうかは重要な問題である。政府部門が地震前に専門家から十分に早期予告を得て、軍は震源地の核施設に事前に保護手段を打ったのに、民衆に対しては地震の情報を隠ぺいしたという驚きの事実を証明できる証拠がますます明らかになっている。

 一、多くの外国の専門家が2007年7月に地震警告を出した

  米国「国家地理(ナショナル ジオグラフィー)」誌は2008年5月16日

 に「10カ月前、即ち2007年7月に、ヨーロッパ、米国と中国の科学者による科学報告では中国に大型地震発生の警告をした」という記事を掲載した。(文章のリンク先:http://news.nationalgeographic.com/news/2008/05/080516-earthquake-predicted.html)


 『国家地理』誌が2007年7月に『構造』誌に発表した論文を引用した様子の写真

 2007年7月中旬、国際的に有名な地質構造学の専門誌『構造(Tectonics)』は、中国、ヨーロッパおよび米国の科学者達が「断層の長さは充分強烈な地震を誘発でき、その潜在力は地震を発生させる原因になる」と書き、彼らの結論は、「地殻衝突のエネルギーは北川に集まり、地震の形で放出される」というものだ。(文章のリンク先:http://www.agu.org/pubs/crossref/2007/2006TC001987.shtml)

 2007年7月中旬「構造」誌がこの文章を掲載した様子の写真: 


 注目すべきは、この文の6人の著者のうち、3番と4番の著者はともに中国成都市の研究者だということだ。3番目の著者・李勇教授は成都理工大学「石油・ガス埋蔵地質国家重点実験室」のポストドクター指導教官で、4番目の著者・周栄軍さんは四川省地震局のエンジニアで、四川省地震学会第6期理事会のメンバーでもある。

 海外アナリストによれば、中国を含む多国の研究者が共同で予測した核施設(四川省)と衛星基地(甘粛省)を有する地域の地震情報は、必ず中国政府と軍側に重要視されると指摘した。

 二、中国新華社5月20日のニュースで真相を漏らす

 新華社5月20日のニュースでは、甘粛省省委員会書記、省人民代表大会主任・陸浩は甘粛地質局がブンセン地震を予測したと発言したことを放送した。これは、中国共産党が地震予告を隠蔽した証拠になる。このニュースは素早く新華社によって削除されたが、幸運にも中国語の最大の検索エンジン・百度でこのニュースが掲載された時の写真が見つかった。


 この新華社のニュースから少なくとも以下の2点が分かる。

 (1)甘粛省地震局は「とても高い地震科学技術と地震予報能力を持っている」。

 「四川省ブンセンの8.0級地震の震前震後に多くの仕事をして、震前に地震の成り行きを予測した」、つまり甘粛省地震局は震前予測をした。それでは今度の地震の震源地である四川省の地震局は震前予報をしたことがないのか。四川省の2人の地震研究科学者(成都理工大学の李勇教授と四川省地震局の周栄軍エンジニア)はまた『構造』誌のあの重要論文の著者でもある。四川省地震局は震前にかなり正確な地震予測をしたはずである。シンガポールの「聨合早報」の記者の質問からも、四川省地震局が震前予測をしたと思われていることが分かる。

 (2)甘粛省地震局は「震前に今度の地震の成り行きを予測したことがあり、省委員会、省政府に報告した」。つまり甘粛省地震局は地震情報を隠蔽しておらず、甘粛省省委員会、省政府に報告したという。即ち、甘粛省省委員会、省政府は震前に地震専門家から正確な予測を得たという。中国では地震の早期警報は中央政府からしか出せない規定がある。甘粛省省委員会、省政府が当然中央に報告したはずで、四川省地震局も同様に四川省省委員会、省政府に報告して、それから四川省省委員会、省政府は中央政府に報告したのではないのか?

 新華社のニュースから、中国共産党中央は大地震前に、少なくとも甘粛省省委員会、省政府から正確な地震予測を受けた事実が分かる。このように推理すると、中央は大地震の前に四川省省委員会、省政府から正確な地震の損害状況の予測をも受け取るはずである。 

 他に、中国国家地震局専門家のグループが地震発生の前に手順によってかなり正確な予測を得て、地震の早期警報の予報を発表するよう国務院に求めたという情報が海外のネットからも見つかった。

 中国科学院「工程地質力学重点実験室研究員・李世輝によると、かつて正確に1976年の唐山大地震を予測した地質専門家・耿慶国さんが、今年5月8日の10日間前後に阿バ地区で7級以上の地震の発生を予測して、4月30日に秘密文書で当局に報告したという。

 これで、中国共産党中央は震前に多数のルートからかなり正確な地震予測を受けていたと間違いなく言えるだろう。

 今になって、中国共産党中央はこれら専門家の予報を抑えて、地震の早期警報を発表していないことが分かる。今ネット上で、ある中国の指導者が「オリンピックと安定」を保つために、地震の早期警報を発表しないと決めたという情報が流れている。

 三、中国国内のメディア報道が証拠

 中国国内メディアの報道からも、中国共産党が震前に地震予報を知っていた事実が分かる。例えば5月19日付中国広州市「南方工報」の「3分間通話、悲しみと喜びは紙一重」の報道によると、ブンセンのある学校は地震の1時間前に緊急通知を受け、教師が生徒を連れて緊急避難したため死傷を免れた。

 (下記リンクは当時の報道のネット版内容と写真である。 ネット上の報道は既に削除された。)


 「厦門夕刊」は5月14日に、厦門理工学院の四川省出身の学生・王秀月さんが、四川にいる家族が震前に四川省広元政府からの知らせを得て、安全な場所に避難したと言ったことを報道した。

 (下記リンクは当時報道のネット版内容の写真である。ネット上の報道は既に削除された。


 「南方工報」と「厦門夕刊」のネット上の報道が削除された後、「デマを撲滅」と言う人がいるが、下記「南方工報」のネット版の写真は撲滅できないものであろう。


 四、中国の民衆は真相を知らない

 海外メディアによると、中国の多くの民衆は全国各地の政府部門と陳情受付窓口に、「被災地区の政府と軍工企業は震前に警報を得たため、死傷者がとても少ない、政府のために金を稼ぐ鉱山と国営企業は一時休業を知らされた。政府役人の子供のいる学校は避難の指示を受けた」など……と直訴したという。

 五、中国共産党は地震警告を隠蔽し、重大な人員死傷をもたらした

 今までの証拠によると、中国共産党中央は震前に専門家の予測を隠蔽し、被災地区の民衆を全く避難の準備が出来ない状態にさせたという。ゆえに四川大地震は実は中国共産党による「人災」であるといえるだろう。中国共産党の腐敗と情報隠蔽こそがたくさんの人命を奪った真犯人である。

 2008年6月3日

(中国語:http://minghui.ca/mh/articles/2008/5/22/178933.html