日本明慧
■印刷版   

遼寧省瀋陽:警官が目撃した臓器狩りでの麻酔問題

(明慧日本)中国遼寧公安庁の警官の証言から、遼寧省瀋陽軍区の病院で、麻酔を使わないで臓器を摘出したことが世人の注目を集めている。

  この件について疑問を持つ人もいる。例えば、麻酔を使わず、被害者が動く状態で臓器を摘出すると、臓器を損傷する可能性もあるのではないか? 手術前に麻酔を使うのは、筋肉を柔らかくするためで、そうしないと筋肉が硬くなって手術するのも難しい。麻酔剤は高くない。麻酔剤を使わない必要があるのかなど。

  さらに、中国共産党は人の耳目をごまかす口実を与えた。「人間の体には外部の急激な変化に対応する重要なストレス反応機能がある。傷ついたり失血したりする時、血液中のアドレナリンが急激に上昇し、最終的に臓器を傷つけ、臓器の品質に影響する」

  しかし、中国共産党の立場と医療条件から見ると、麻酔剤は必ず使わなければならないものではなく、実際の案件と環境を見るはずだ。中国共産党の目的は生きている法輪功修煉者から臓器を摘出することで、被害者の痛みは眼中にもない。

  収容所以外の場所で臓器を摘出する場合、麻酔剤を使わなければ、秘密を守るのも便利で、利益も高い。今度の事件で、麻酔剤を使わず、警官だけが拳銃を持って見張ったのもこれが原因である。

  心臓を摘出する場合は、胸骨を切断した後、金属フレームで胸腔「きょうこう」(胸郭の内部の、肺臓・心臓がある部分)を支えなければならない。この時、筋肉の柔らかさは問題にならない。心臓を摘出するとき、心臓は躍動しており、患者が動くか否かに関係なく、心臓は止まることがない。心臓の摘出は、縫い合わせを考える必要もない。とりあえず多くの血管を切断してから必要な血管を整理したほうがいい。その後、大動脈、肺の静脈と動脈、上下大静脈などを切断すれば心臓は容易に摘出できる。手術の間、心臓に触れることがないので、心臓を傷つけることもない。

  臓器を摘出する時、麻酔剤を使わない医学的な理由

  麻酔は、全身麻酔と局部麻酔の二種類に分類できる。中国大陸で実施する麻酔には主に次の数種類がある。全身麻酔(処方により、吸入麻酔、静脈麻酔、筋肉注射麻酔などがある)、硬膜外麻酔、クモ膜下麻酔、伝導麻酔、浸潤麻酔、表面麻酔など。

  一、全身麻酔

  マスクからガスを通して静脈に誘導麻酔を行い、気管にチューブを挿して麻酔器と繋ぎ、麻酔剤を吸入させる。静脈を通じて持続的に麻酔状態を維持する方法で、麻酔医が監督する。麻酔医は、手術の経過を観察しながら患者への影響を勘案「かんあん」(諸般の事情を十分に考え合わせ、適切な処置をすること)して必要な治療を行う。手術が終了すると回復する薬を投入して患者を目覚めさせる。

  全身麻酔には麻酔医が必要になる。筋弛緩剤を使うため、呼吸を管理する筋肉も緩み、患者は呼吸器に依存して呼吸するしかない。気管にチューブを挿さないと患者は死んでしまうので、気管を切断しなければならない。トレーニングをしていない医師は、チューブを挿しにくい場合、血圧の急激な変化に対応できない。そのため、麻酔医のほか、呼吸器、モニターなども必要になり、それにかかる費用は手術費より高い。

  機械は事前に準備して点検する必要がある。呼吸器の各チューブの連結状態、ガスの漏洩「ろうえい」状態、ガス量、呼吸率なども調節する。全身麻酔には、喉頭鏡の柄、喉頭鏡レンズ、チューブ、マスク、フィルター、テープ、潤滑剤、ポンプ、血圧計などの備品が必要になる。

  では、中国共産党が法輪功修煉者の臓器を摘出するとき、これらの条件を整える必要があるのか? この条件を整えてまで、法輪功を迫害する必要があるのか?

  遼寧の警官の証言によれば、現場には2人の軍医しかおらず、麻酔医は居なかった。通常、手術中の80%の時間帯において麻酔医は暇である。そうすると他の医者と話す可能性が高く、その間に怪しいことが見つかるかも知れず、秘密性がなくなる。そのため、全身麻酔をする可能性はない。

  二、硬膜外麻酔

  硬膜外麻酔だけで胸部手術を行うのは難しい。やはり全身麻酔を行わなければならない。心臓の摘出、もしくは胸部の手術を行うと、心臓部位を麻酔すると同時に激しい血圧低下や、動悸が遅くなる。高濃度の麻酔剤で胸部を麻酔する場合、通常現れる副作用は呼吸筋肉の麻痺と呼吸中枢麻痺で、呼吸が難しく、呼吸器に頼るしかない。人間は呼吸が停止して5〜10分経つと心臓が止まり、血液が凝固し始める。呼吸できないと血液循環が止まり、重要な臓器も効能を失い、臓器狩りの意味もなくなる。

  また、硬膜外麻酔をするには患者の協力が必要である。麻酔される人は横になって、両手で膝を抱き、あごを胸につけなければならない。その後、腰から脊柱に注射器を入れて麻酔剤を入れる。注射器が硬膜を貫く瞬間から微量の麻酔剤が効いて、意識を失い、呼吸も血圧も計れないほど急激に下がる。適当な措置をしないと短期間で心臓が止まる。

  硬膜外麻酔は時間がかかる。麻酔した後、患者を仰向けに寝かせ、手足を縛る。こんな煩雑「はんざつ」(込み入っていて、めんどうな様子)な作業には巨大なリスクが伴う。呼吸器も必要で、手術に同意する人に施すのはかなり厄介だ。中国共産党が法輪功修煉者にこれほどの時間と精力を費やす可能性はない。

 三.局部麻酔

 鎮痛効果がよくない。手術をするとき、度々10ミリリットルの塩酸リドカインを注射しなければならない。また大きい泡ができ、患者は痛くてたまらない。心臓を摘出するときは胸骨を切断しなければならないので、局部麻酔では話にならない。

  四、静脈全身麻酔

  チューブを挿す方法と挿さない方法がある。チューブを挿さない方法は、主に流産と大腸検査などの短時間(5〜10分)の手術に使われる。長時間の手術にはプロポフォール静脈内鎮静法(TCI)を使い、パソコンで薬物をコントロールする。

  静脈全身麻酔には通常プロポフォールという乳白色の液体を使うが、呼吸困難と循環の抑制を起こす可能性がある。大手術のとき、チューブを挿さずに麻酔を行う。専門医の監督が居ないとかなり危険である。

  重度ストレス反応と臓器の品質

  中国共産党の文章には「反抗、恐怖、痛みなどは臓器の品質を悪化させる。麻酔だけが移植する臓器を保護する。生きた人にメスを入れる瞬間、全く恐怖を感じなくても、失血と痛みに伴って、アドレナリンが急激に高まる。その結果、血管が縮まり、血圧が上昇し、臓器の血流が変わり、臓器が損傷をうける。そのため、臓器摘出の際、十分な麻酔剤と鎮痛剤を提供するのは医学的な常識であり、脳死者も例外ではない」と書かれている。

  移植手術にもっとも近いのはabdominothoracic incisionと失血性ショックである。『中華現代外科科学雑誌』によると、刀と銃弾によるabdominothoracic incision患者の腎臓機能が衰える確率は6%である。西洋の研究結果によると、腎臓機能の衰えは、重度ストレス反応の11〜17日後から現れる。数時間の間に血流が変化し臓器に異常が発生する可能性はない。

  死刑囚は執行の前、重度なストレス反応のため、銃で打たれた後は失血とショックが続く。中国共産党は死刑囚に麻酔剤を打って臓器を摘出したことがない。そうなれば死刑囚から摘出した臓器は全部「損傷された臓器」であるはず。現在のように、中国共産党が法輪功修煉者の臓器を商品化するまで発展することもない。

  重度なストレス反応とは、人間の体が強烈な刺激(手術、飢餓など)を受ける時、血液中の副腎皮質刺激ホルモン濃度を迅速に向上させ、糖コルチコイドを多く分泌することである。この場合、動悸が速くなり、血圧が高まり上昇し、腎臓などの血管が縮まる。脳血管は変化しないが、冠状血管と骨格の血管は拡張する。重度なストレス反応は、人体の一部であり、3時間くらいの移植手術の間は臓器に何ら損害を与えない。

  中国共産党の文章のとおり、血管が縮まり、血圧が上昇し、臓器の血流が変わって損傷されるとしたら、ロックコンサートで2、3時間興奮している歌手とファンたちはみんな腎臓に損傷が発生するはず。グラウンドで一生懸命走っているサッカー選手らも腎臓の損傷と心臓病にかかるはずだ。

  中国共産党が麻酔剤を使わない原因

  医学的な原因のほか、経費・セキュリティなども中国共産党が麻酔を使わない原因の一つ。麻酔を使わず臓器を摘出するのも拷問であり、「肉体を消滅させる」政策の一部だ。中国共産党の精神と肉体上の残酷な迫害にもかかわらず、法輪功修煉者は屈服しなかった。これは中国共産党が執政以来初めである。

  国家機器を利用しても1人の女性を屈服させることができない。善と悪の戦いの中で、本当の敗者は迫害者である。法輪功修煉者の穏やかさと忍耐は世界を驚かせた。中国共産党が麻酔を使わない状態で法輪功修煉者の臓器を摘出したのは、修煉者たちに最後の恐怖を形成させるためである。

  麻酔剤を使わなかったのは、コストを削減し、もっとも便利で早い方法だからだ。

  麻酔剤を使わないことに注目させ、法輪功修煉者の臓器狩りを忘れるのは中国共産党の罠に落ちたに等しい。善良な人々は、無意識に中国共産党のために弁護している。善良な人は、往々にして悪人を見抜くことができない。中国共産党が人間的な考え方でやっていたら、執政以来のいろんな迫害もありえず、法輪功への迫害のような悲劇も発生しなかっただろう。

  2009年12月30日

(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2009/12/28/215185.html

■関連文章