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神韻芸術団の記者会見:「香港政府は誤った決定を正すべき」(写真)

 (明慧日本) 2010年1月25日、神韻巡回芸術団の代表6人は、米国神韻芸術団のニューヨーク本部で記者会見を開き、専属舞台制作技術者6人*1)のメンバーのビザの発行が香港当局に拒否されたことで、公演がやむなく中止となった経緯を説明するとともに、香港政府が直ちに誤った決定を取り下げ、香港民衆の自由と権益を守るべきだと呼びかけた。

 米国神韻芸術団は2010年1月27から31日まで、香港演芸学院オペラ・ハウスで7公演を上演する予定だったが、香港政府は中国共産党(以下『中共』とする)の思惑通りに意図的にビザの発行を拒否し、上演が中止に追い込まれた。

神韻巡回芸術団6人の代表

 李維娜団長は「本来ならば、昨日から私達は香港にいるはずなのに、今は、ニューヨークのマンハッタンにいます」と嘆いた。

 李団長は続いて述べた。「神韻芸術団の趣旨は破壊された中国伝統文化を蘇らせることですので、アーティスト達は特に華人の多い香港地区での公演を期待していました。舞台がやむなく中止されたと聞き、非常に驚きました。多くの西洋で生まれ育ったアーティスト達は理解できず、彼らの失望に対して非常に申し訳ない気持ちでいっぱいでした」

 舞台監督の徐侃さんは「香港政府の決定は卑劣極まりないものです。舞台の開演ができないように、肝心なときに、主要なメンバーのビザの発行を拒否したことは、卑劣な手段としか言いようがありません」

徐侃監督(左)  李維娜団長(右)

 数年来、中共はずっと陰で様々な手段を使って神韻の世界巡回公演を妨害しようとしてきた。徐監督は「それでも、神韻は世界各地で巡回公演を成功させ、非常に歓迎されてきました」と語った。

 李団長はさらに「私達はいずれ香港公演を実現し、待ち望んでいた香港人の願いを叶えます」と述べた。

 「公演のスケジュールはびっしり詰まっていますが、三つの芸術団が同時に公演を行い、香港公演ができるように努力していくつもりです。私達は他の目的は何もなく、ひたすら素晴らしい舞台を見せたいだけです」

 「世の中は、いつも善と悪の闘いなのですが、良いものは永遠によく、正義は永遠に正しいと認められるのです。今は香港公演が出来なくても、近いうちに、必ず香港公演が実現できると信じています」

 香港籍ダンサー:香港公演の中止に失望し、悲しむ

香港籍ダンサー・李海華さん

 李海華さんは胸中を次のように述べた。「がっかりしました。香港にいる家族と友人に舞台の私を見せてあげたかったのです。家族もがっかりした様子でした。舞台で踊る私の姿を見るのをずっと楽しみにしていました。毎日指折り数えて待っていました。技術者の公演ビザの発行が拒否されたことで、中止と聞いて悲しんでいました」

 「私の友人も待ち望んでいたそうで、やむを得ず中止したと聞くと、中国国内なら理解できるが、香港でこのようなことが起きることは信じがたいと、不思議に思っていました。私の友人は私と同じく香港生まれ香港育ちの正真正銘の香港人です。香港が今少しずつ変化していくことに気付き、皆が『一国二制度』はただのスローガンになったのではないかと考え始めたようです。しかし、友人達は単なる芸術公演が政府によって政治化され、滑稽な理由で拒まれるとは、考えもしなかったでしょうね」

 照明技術者:半年かけて香港公演の制作を研究した

 台湾籍の照明技術者・蔡佳樺さんはビザを拒否された6人の中の1人で、舞台演出用の照明責任者である。彼はこのように語った。「私達は香港人に最高の舞台を提供しようと思って、多大な努力をしてきました。香港公演はこれ以上の舞台はないというものでなければならないと思い、少なくとも半年以上の時間をかけて、技術などを研究しました」

 「これは簡単なことではありません。多くの細かい部分、更に香港公演専用の物まで作り上げたのです。高度な技術があっても、他所で作らせても短時間では出来ないはずです。私は台湾で照明を担当する技術者として、ヨーロッパから多くの芸術団を受け入れたことがあり、専属技術チームがいつも随行してきました。これは業界の決まりのようなもので、誰でも知っているはずです。台湾で芸術団の専属技術者の公演ビザの発行が拒否されたことを聞いたことがありません。香港でこのようなことが起きるとは大変驚きました」。

 舞台監督:神韻の制作は独創的であり、他の人による肩代わりはできない

 舞台監督の徐侃さんは、「世界各地の舞台はそれぞれに違い、音響効果、照明、道具の設置のすべてが違うので、それに合うように設計しなければなりません。最も重要なことは、神韻は舞台制作に特別な要求があります」と指摘した。

 「この独特な要求は今、神韻の専属技術者しか実行できず、公演中、神韻側の技術者がすべてを操作しており、香港政府が言うように、ただの『労働者』が出来るはずがありません」

 団長:国際社会が関心をもつように、香港人の応援を呼びかける

 米国神韻芸術団は3年の間、世界各地で600回以上の公演を行い、150万人の各民族の観衆を引き付けた。その中には多くの世界一流レベルの芸術家・政府要人・社会の著名人・中国の芸術家及び多くの華人が含まれている。

 神韻がなぜこのような仕打ちを受けたのかという記者の質問に、李団長は次のように答えた。「香港政府は中共の思惑を忠実に実行し、単なる芸術の演出を政治化させました。これで無神論の中共の本質が更に暴露されたと思います。神韻を観た多くの中国人は全世界に華麗な舞台を広めた神韻に感謝しながら、自分が中国人であることを誇りに思うというメーセージをたくさん寄せました」

 「残念ながら、香港人の自由の空間はますます狭くなりました。これを早く認識して、自分の自由を獲得するため立ち上がるべきでしょう。国際社会もこの件に関して関心を寄せてほしいと思います。中共の醜い本質を早く見抜いて欲しいですね」

 「私達は香港政府が早く過ちを正すことを望みます。もし中共に協力し続けていけば、良くない結果にしかならないでしょう」

 香港公演主催者:法律で解決する

  李団長は「今回の公演を中止したことで、神韻は多大な経済的損失に追い込まれました。香港の主催者側は裁判で、入国管理局の責任を追及し、経済的な賠償と名誉毀損に対する慰謝料を請求していきます」と述べた。

  神韻芸術団の声明:「神韻香港公演が余儀なく中止された件について」

 神韻芸術団は、すでにチケットが完売している香港での7回公演中止を余儀なくされたことをここに発表いたします。主要制作スタッフ数名の入国ビザが、公演の寸前に却下されたことが理由です。

 1月27日から31日にかけて、香港演芸学院歌劇院で上演する予定でした。しかし、1月21日、香港入境管理局は、中核となる制作チームのうち7名の入国ビザの発行を拒否しました。これらのスタッフは、現地での人員雇用が可能という理由でした。

 これらの制作スタッフが、神韻の舞台に欠かすことができない人材であることは、当局に明確に説明していました。神韻の高い芸術性は、細微にわたる極めて高い技術を要します。スタッフの代替は不可能で、上演も不可能です。

 入国ビザの申請は2009年10月13日に行いましたが、 米国出発の3日前に申請が却下されました。幾度にもわたる要請にもかかわらず、香港当局が決定を変更することを拒否したため、私どもは公演の取り消しを余儀なくされました。

 神韻芸術団はニューヨークを拠点とし、2007年に最初の世界ツアーを開始しました。中国の伝統芸術、代々受け継がれてきた中華文明の精神性の復興を目的とする神韻は、これまでに数百万人にのぼる実に多様な観客の皆様から、絶賛を頂いてきました。

 『神韻』の舞台の中核は中国の古典舞踊にあります。ソロの声楽も盛り込まれています。中国古代の楽器と西洋の楽器を融合させたオーケストラ、そして手製の彩り豊かな衣装も、『神韻』の特徴です。舞踊では、ムーランや岳飛などの伝説、また法輪功のストーリーなど現代中国で起きていることなどが表現されています。これらのストーリーを芸術的に舞台で表すことで、中国の神伝文化がもたらした精神性の真髄と価値感に新たな息吹をもたらすことを目指しています。

 中国共産党政権は、これまで各国の高官や劇場に対して公演をキャンセルするように圧力をかけ、神韻公演の妨害を行なってきました。

 私どもは、香港の人々が神韻を鑑賞する権利が剥奪されたことを遺憾とし、この事件は香港の人々の自由を侵害するものと理解しております。香港の人々が「自由」を尊び、香港政府に、このまちがいが正されるように訴えることを望んでいます。 

 公演を心待ちにしていた数千人もの香港の人々に、感謝しております。近い将来、さらに大きなスケールで香港の地を踏めることを期待しております。

 神韻芸術団

 米国・ニューヨーク

 2010年1月24日

 *1)1月21日時点で、7名のスタッフのビザ申請が却下されたが、その後1名のスタッフのビザ申請が口頭で許可された。

  2010年1月28日

(中国語:http://minghui.org/mh/articles/2010/1/26/217012p.html

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