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中国の茶文化(三)

(明慧日本)

 (三)茶道文化

 唐の時代に陸羽という人がお茶に対して長年の観察、研究を経て、『茶経』を書いた。この本は、お茶に関する栽培法、採集法、作法、品茶方法など科学的に総括してまとめたもの。茶芸に深い文化の内容を与えた。これが最初の茶道文化の前身となった。後世、陸羽氏は「茶の聖人」と呼ばれるようになった。

 茶道文化は東方伝統文化の特徴を現し、「茶」と「道」の結合である。

 古代中国の聖賢・老子は「道可道、非常道(道の道とすべきは常の道にあらず)」、道は一般の道と違うとした。また「大道氾兮、其可左右(大道は、あふれる水のように、右へも左へも自由自在に行きわたる)」、「道」はどこにでもあるとも教えた。一体「道」とは何だろうか? 中国儒家の『中庸』ではこのように述べた。「神様は性という人の素因を授けて、その本性によって何かをやれば、道という」

 「道」の神髄は宇宙に存在する全ての物事、天体の運動、人類の繁栄、時代の変遷、人の生老病死は「道」に依存し、一定の規律がある。物質の成、住、壊、滅も宇宙の規律である。人のできることは「返本帰真」で、自分の本性に戻ることである。人の先天的な本性は純真で、宇宙と疎通している。このように天と人が合致し、道を修める自然な境界に達する。これが、古代から人々が修行する「道」である。

 「道」は宇宙、人生の法則と規律を表し、中国人が道を奥深いものと認識し、簡単には言えないため、(道を)軽々しく言わない。しかし、近代の中国人は「迷信」と言う言葉に遮って、道のみちに入れない。今の日本は茶には茶道、花には花道、香には香道、剣には剣道、柔道、テコンドー(道)などが存在するが、古代の中国には各業種に「道」があり、人々は仙道への偲びもあったという。それが、品茶に茶道がある理由だ。

 茶道文化は「仲介」文化で、茶を媒体として中華伝統文化の精神を伝承してきた。唐代の劉貞亮は『飲茶十徳』の中で明確に述べた。「茶でもって真の道を進む、茶でもって品格と徳をもつ」 では一体、茶道とは何だろうか?

 一般的に茶礼、茶規、茶法、茶技、茶芸、茶心の六つを茶道という。茶道修業は茶道の六つを通して茶道精神を悟る。茶道修業の表が「技」であるが、重要なのは「技」ではなく「心」である。茶の心を修業するには、茶の技から修業しなければならない。この道理を理解した上で、初めて茶と道を論じるという。

 (続く)

 2010年7月7日

(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2010/2/2/217321.html

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