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海外にいる中国人に法輪功の真相を伝えるときの注意点

(明慧日本)私は以前、海外にいる中国人が変異した愛国心を持っていることに対して戸惑っていました。ここで二つの例を挙げます。
 
 ① 海外にいる多くの中国人は、中国に対して褒めることなら、受け入れますが、それ以外、どんな形の批判をも受け入れません。彼らは常に中国が強国と呼ばれることに興奮していて、中国を批判する人に、「お前は売国奴だ。下心がある奴だ」と思っているようです。このような人々は中国での鉱山事故が多いことに対して、偶発の事故だといいます。中国の官僚が腐敗している事実に対して、民主主義国家にも汚職が存在しているから中国だけではないといいます。中国に民主がないという批判に対して、独裁政府の支配は発展する上で効率がよいというのです。四川省ウェン川の地震で手抜け工事の校舎の話をすると、どの国でも天災は起きるものだと言い張ります。このような人々は中国はすでに先進国だと思い込み、理性的な考えができず、どんなことでも中国の見方になります。というのは、このような人々は中国の貧困層の人々の悩みや苦しみに関心を持たず、中国で日々増えてきたさまざまな社会問題を見ようとしません。中共政権(中国共産党)は中国と等しいと思い、中共を愛することは、すなわち愛国心だと考え込んでいるのです。
 
 ② 海外にいる多くの中国人は、外国人の前で中国の悠久な歴史と優秀な文化しか話しません。実際、このような人々の中国の文化に対する知識は非常に限られています。彼らは中国のGDPとドルの外貨準備高の話ばかりして、中共統治下の中国を美化することで、世界中の人々に中国の良いイメージを与えようとしています。
 
 私は、なぜこれらの人々が、そのいわゆる「愛国心」を持つようになったのかを理解するため、多くの資料を調べてまとめました。
 
 ① 海外にいる多くの中国人の過剰な「愛国心」は、中共の洗脳的な教育を受けてきた結果によるものです。また、中共は直接的あるいは間接的に海外にいる中国語メディアをコントロールし、海外に渡っても中共による洗脳を受け続ける人がたくさんいます。これらのメディアは常に中共をむやみにほめたたえます。たとえ中国本土の本当の真相を報道する独立したメディアがあっても、これらの人々は真実を受けいれたくないのです。
 
 ② 一部の人は、海外で生活すると周りは外国人ばかりで、寂しさをいっそう感じるため、ますます祖国や故郷を懐かしく思うようになります。愛国主義に感情を寄せ、自分の心を慰め、「中国は強くて繁栄している」というニュースを聞きたがり、祖国の成就を自分の誇りとしています。この情況下で、中共政権と中国の区別がつかめず、中共に対する批判は中国に対する批判だと勘違いし、中共への批判を容認できなくなっています。中共への批判はこれらの人にとって、情感的になりやすく、受け取り難いのです。
 
 ③ また、一部の人は、望んできた海外に渡ることができましたが、その国の上流社会になかなか溶け込めず、あるいはその国の国籍に加入しても、その国の人に「身内」だと認められず、「中国人だ」と常に思われているのです。人から尊重してもらえないため、いわゆる「愛国心」を持つようになりました。これらの人々は、祖国が「強い中国」であれば、外国人からの尊重を得られるだろうと考え、中共の「虚勢を張る言動」を支持しているのです。これらの人々にとって、中国国内の民衆が抱えている重税や不動産の高騰によってもたらされた生活上の苦しみ、圧政などの問題に直面していません。ですから、中共に対する批判は、「中国のイメージを損なうことだ。外国人の前で恥じをかかせることだ」と考え、中共に対する批判は一切受け入れません。
 
 上記から鑑みて、海外にいる中国人に法輪功の真相を伝えるとき、必ず善の心を持って対処しなければなりません。そのため、以下の2点をこれらの人々に説明すべきだと思います。
 
 第一、愛国とは、中国の土地とその土地で生活する人々を愛することです。中国国民の人権を蹂躙する中共政府を愛することではありません。中共政府は中国国民にさまざまな災難をもたらしたから、偉大の中国を代表する資格はありません。
 
 第二、どんなに経済が繁栄しても、中共政府の統治下では、国民に人権が与えられていません。人権のない国はもはや世界中の国々に嫌われ、尊重されません。中国は面子を何よりも重視していますが、人権を守ることこそが国にとって一番の面子です。 
 
2011年01月28日

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