1年9カ月拘禁の楊月亮さん 3回目の不当な開廷
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 【明慧日本2018年6月6日】河北省滄州市塩山県の法輪功学習者・楊月亮さんは、1年9カ月拘禁された。そして、2018年5月14日、楊さんに対し3回目の不当な開廷がされた。もう1人の法輪功学習者・劉文廷さんも楊さんとともに判決を受けた。楊さんと劉さんは「邪教組織を利用して法律の実施を破壊した」という罪に問われたが、弁護士はこの罪名は不成立だと指摘した。

 また、弁護士は「まず誰に対しても、どの組織に対しても、政府が邪教であるという認定を下す権利はありません。中国の今の法律には法輪功が邪教だと書かれていません。最高裁判所と最高検察庁はいくつか『邪教組織が法律の実施を破壊することに関する刑事案件に適する若干の問題箇所に対する解釈』の規定を出しましたが、それらの司法解釈は不当であり、法律の効力は何もありません。というのは、最高裁判所と最高検察庁は法の執行機関であって、法律を作る権力がないからです。しかも、最高裁判所と最高検察庁によって作られた司法解釈は憲法と国際法に相いれないもので、公民の信仰の自由を踏みにじっているので、法律の根拠になりません」と指摘した。

 弁護士はさらに「この案件に被害者はありません。つまり、楊さんと劉さんは誰にも害を与えていません。それゆえに、犯罪にはなりません。これは常識です。証人は楊さんと劉さんのことについて、法輪功を学んでいると証明しただけで、犯罪の証拠を何も出していません」

 法廷で弁護士は在席の裁判官に「610弁公室などに利用されないようにしてください。法律に基づき、良知を持って、独自で判断を行ってください」と忠告した。

 楊さんと劉さんは2016年8月4日、ある人の家に新唐人テレビのアンテナを取り付けたとき、聖佛鎮派出所の警官らに不当に連行された。その後、2人とも塩山県留置場に送られた。劉さんは1カ月拘禁され、罰金を支払わされて解放されたが、押収された車は返却されていない。楊さんは1カ月拘禁された後、同県検察庁に逮捕令状を出された。

 楊さんに対する3回の不当な開廷はともに辺鄙な留置場で行われた。毎度、留置場に行く道にパトカーが止まったり、往来したりした。

 2017年8月17日、第1回の開廷で弁護士は「中国領事館は『新唐人テレビが法輪功を宣伝している』と言うのですが、領事館は立法機関ではありません。領事館の出した書類に基づいて、それを提訴の根拠とし判断するのですか? テレビアンテナを取り付けることが罪になりますか? 領事館という機関が人を断罪できるなら、我々司法機関は何者ですか?」

 「当事者がアンテナを買うこと、付けること、工具を持っていることのすべては、当事者が問われている犯罪に関係ありません。もし、アンテナを取り付けることが犯罪ならば、テレビを買うことも犯罪になります。テレビがないと番組を見られないからです。今度の開廷のとき、新唐人テレビの番組をみんなで一緒に見て、番組の内容を見てみましょう」と答弁した。その答弁を聞き、検察官は証拠不足であると認めた。

 2017年12月11日、第2回の開廷で、公訴人は証拠として、『真善忍国際美術展』のDVDを約20分間放送した。これに対して、弁護士は「皆さんはこの美術展の画面も音楽もきれいで、慈悲と平和と感じたでしょう。美術展の第1演目は『主佛降臨 佛光普照』で、「良知を呼びかけ、正義が永遠」という画面が出てきました。共産党はずっと、自分達が偉大で光栄かつ正しいと言っていますが、こんなにも良い党であるなら、なぜ評論を怖がるのですか? 批判と違う意見をなぜ受け入れられないのですか? なぜ、どうして『共産党についての九つの論評』を恐れているのですか?」と指摘した。

 公訴人は1回目と同じように滄州市国保大隊の印鑑が押してある証明書を出して、新唐人テレビが法輪功を宣伝いているとしてこれを証拠として提出した。弁護士は「滄州市国保大隊は鑑定機関にも、認証機関にも属していません。それゆえ、それらの書面資料は法廷で出す証拠として採用できません」と指摘した。

 弁護士のこれらの指摘を聞いた検察官は、これからもうこの案件に関わりたくないという意を表したという。

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2018/5/18/366706.html)
 
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