【明慧日本2018年8月9日】(米国=明慧記者・李静菲)米国国務省主催の「第一回宗教の自由を促進する」大臣級会議が7月24日、首都ワシントンで開幕された。40カ国以上の外務大臣と80カ国以上の民間団体がこの会議に出席。米国の法輪功学習者3人が招かれて3日間の会議に参加した。
国際宗教自由大使「宗教信仰の自由は神が一人一人に授けた権利」
米国国務省国際自由宗教大使のサム・ブラウンバック氏は、24日の宗教の自由を促進する大臣級会議の開幕式で、宗教信仰の自由は神が一人一人に授けた権利で、人類が構成した尊厳の美しい部分であり、いかなる場所であれ、宗教の自由が欠けていては、世界の平和、繁栄と安定に脅威を与えてしまうという。政府と民間機構が連盟を形成し、共に宗教の自由の蹂躙を制止しようと呼びかけた。
会議前日の7月23日、サム・ブラウンバック大使は、中国で迫害を受け、幸運にも生き残った数人の法輪功学習者とともに、米国大虐殺記念館を訪れた。大使は「我々は世界規模で連盟を設立し、宗教に対する迫害の鉄のカーテンを阻止して、その過程の証人になり、共にこの邪悪を打ち負かそう」と話した。
大使は大虐殺記念館で取材に応じ、7月19日、ワシントン記念碑での米国東部の法輪功学習者たちの「7.20」迫害反対活動を見て、「私は、彼らが勇敢に信仰を堅持し続け、自由に煉功ができ、世界の多くの人々がこの考えに同調することを希望します。人々には自由が必要なのです」と述べた。
法輪功スポークスマン 中国で法輪功学習者が置かれた境遇を紹介
米国政府が主催した「宗教の自由を促進する」大臣級会議は、米国建国以来初めて開かれた。主旨は各国の外務大臣と宗教のトップが一同に会し、宗教に対する迫害および宗教差別を打破する方法を見出し、一人一人の信仰の自由をさらに尊重し確保することである。
前米国下院議員のフランクウルフ氏は会議上で、迫害を受けている法輪功学習者の心からの叫びに耳を傾けるよう呼びかけ、中国共産党の法輪功に対する迫害、および法輪功学習者の生体からの臓器の強奪を強く非難した。
法輪功情報センターのスポークスマン・張而平氏は、会議に招かれた3人の法輪功学習者の1人で、彼は「今日私たちはこの会議に参加して、国際社会ならびに米国政府に、私たちが目下中国で置かれている境遇を訴えたい」と話す。彼は国際社会と宗教自由団体に、中国で発生している迫害を公の場で非難し、19年にわたる共産党による法輪功に対する迫害の制止の手助けになることを希望した。
1999年以来、米国国務省は毎年の人権報告の中で共産党の法輪功に対する迫害に触れ、共産党が法輪功学習者からの臓器強奪をしていることに言及している。国際宗教自由オフィスおよび関係団体は迫害の状況に関する資料を収集しているという。
国務長官のマイケル・リチャード・マイク・ポンペオ氏は先週の記者会見で、3日間の会議は多くの国に宗教自由の問題を正しい方向に発展するよう促進させたいと述べた。ポンペオ長官は会議の当日、「USA Today」紙で発表した文書で、中国とイランで発生している宗教への迫害は必ず停止させなければならないとした。彼は「我々は信仰のために迫害され、苦痛を受け、囚われて殺害された経歴に耳を傾けなければならない。このような暴行の発生を阻止することは、彼らの犠牲に対する敬意を現れである」と述べた。
米国首都の法輪功学習者 迫害の停止を呼びかける
「宗教の自由を促進する」大臣級会議以外、非政府組織と信仰団体は国会などの場所で活動を行なった。7月23日、非政府組織「国際宗教自由円卓論壇」は米国上院でシンポジウムを開催し、中国で発生している宗教に対する迫害を焦点に討論した。
法輪大法情報センターの劉寧平博士は、「国際宗教自由円卓論壇」が主催したシンポジウムに招かれた。彼は「法輪大法は『真・善・忍』を準則とする佛家の修煉法であり、1999年の初め、中国共産党の統計では7000万人が法輪功を修煉していました。1999年7月20日、共産党首魁の江沢民は一人の判断で、法輪功に対する弾圧を発動しました。大勢の法輪功学習者が強制収容されている間に拷問によって死亡し、甚だしきには臓器を強奪され殺害されています」と述べた。
中国遼寧省から来た学習者の遅麗華さんは娘さんの徐鑫洋さんと会議に参加し、夫の徐大為さんが共産党の迫害により死亡した経緯について語った。徐大為さんは8年の実刑を下され、不明瞭な薬物を注射され、解放された13日後に死亡した。
真相の映画 観衆を震撼させる
7月24日の夕方、法輪功学習者はワシントン市内で映画上映会を開催し、中国の労働教養所の内幕を暴露するドキュメンタリー映画『救いを求める手紙』を上映した。上映場所は米国国務省と一通りを挟んだところで、観客のほとんどは外務省や人権の政府関係者だった。上映終了後、映画監督の李雲翔氏はネットを通して、映画の背景について討論した。
救いを求める手紙を書いた孫毅さんは、2008年に法輪功を修煉しているとの理由で、遼寧省馬三家労働教養所二所第八大隊に収容され、長期にわたり拷問を受け、奴隷のような長時間労働、毎日力仕事を20時間させられ、ハロウィーンの装飾品を制作していた。彼は危険を冒して20通の救いを求める手紙を装飾品にひそかに入れた。この商品は米国に輸出され、その中の一通はオレゴン州に住むジュリーキースさんが購入し、この手紙を公開しメディアに注目された。
ピーボディー賞を受賞したことのある映画監督の李雲翔氏の指導の下で、孫毅さんは命掛けで貴重なショットシーンを撮影し、一通の救いを求める手紙の奇跡を巡り、共産党の労働教養所での法輪功学習者に対する非人道的な迫害を暴露した。
映画を鑑賞した観客は震撼を受けた。「信仰を堅持するため、2年間も収容され、彼はあらゆる拷問を受けた。魔難は次から次へとやってきて、ただ生きるために彼と家族はあのような多くの苦痛を耐えなければならなかった」と話す観客。米国国務省の職員は映画を鑑賞したあと、孫毅さんの物語に深く感動した。
米国駐ルーマニア大使館の外交官として赴任したことのある、アーネスト・レーサム氏は、映画から中国共産党とルーマニア共産政権が国民を厳しくコントロールする手段はよく似ており、これは共産主義が創り上げた悲劇だという。
「この映画は人々を非常に感動させた」と話したのは、ある公益ウェブサイド編集助役のアンナ・ミズレさん。「孫毅さんの労働教養所での経歴、困難な逃亡、奇跡的な救いを求める手紙などを見て、私は強い衝撃を受けました。私が思うには、人々の注目を惹きつけ、本国やその他の国民に知ってもらうことが、人権迫害を終わらせる特効薬です」とミズレさんは話した。