文／中国の大法弟子

　【明慧日本2025年7月6日】少し前のある夕暮れ時、私は川沿いの堤防で、若い夫婦とその子どもに真相を伝え、「三退」を勧めました。赤ちゃんは、両手をたたきながら、無邪気に大笑いしました。その澄んだ、可愛らしい笑い声はとても印象的で、今でも耳に残っています。

　その日の夕方、私は町を貫く沙潁河の堤防をゆっくりと歩いていました。数キロに及ぶこの堤防は緑に覆われ、公園になっています。木々は生い茂り、草が青々と地面を覆い、鳥のさえずりと花の香りに包まれていました。けれども私は、この災難の前の静かな繁栄を眺めるためではなく、師父のお言葉を心に刻み、縁のある人を探して福音を伝え、新たな時代へ向かう法船へ導くために歩いていたのです。

　しばらく歩いていくと、前方におしゃれな服を着た清楚な若い女性が、小さな子どもと一緒に遊んでいるのが見えました。その子は歩き始めたばかりの様子でした。私が足を早めて近づいていくと、その子が両腕を大きく広げて私の方へ駆け寄ってきたのです。私もすぐに両手を広げてその子を抱き上げ、優しく「こんにちは」と声をかけました。すると若い女性（子どものお母さん）が後ろから「おばあちゃんってお呼びして」と子どもに促しました。私は「ありがとう」と返しました。

　ちょうどその時、日が沈み、空も薄暗くなってきた頃、子どものお父さんがバイクで母子を迎えに来ました。家族3人が顔を合わせると、まるでドラマのワンシーンのように、明るい笑い声と喜びに包まれた和やかな雰囲気になりました。若いお父さんは子どもを抱き上げて、頬に何度もキスをしていました。その微笑ましい光景に、私は心が温かくなると同時に、これこそ師父が導いてくださった縁のある救うべき人たちだと感じました。

　私は「さっき赤ちゃんが私にすごく親しげにしてくれて、私もとても嬉しかった。きっと私たちは前世で親族だったのかもしれないわね。今日この堤防で再会できたのは本当に貴重なご縁よ。だから、どうしてもお伝えしたい大切な言葉があります。それは『法輪大法は素晴らしい』『真・善・忍は素晴らしい』という言葉です。心を込めてこれを唱えれば、天からの加護があり、災いを避けて福を得られます」と話しかけました。若い夫婦は口を揃えて「はい！　はい！　はい！」と答え、真剣にこの言葉を何度も繰り返し唱えてくれました。

　その後、なぜ「三退」が必要なのかも話しました。お父さんは快く仮名を使って「三退」を申し出てくれました。お母さんも気持ちよく、団と隊からの脱退を宣言してくれました。私は赤ちゃんのほっぺを優しく撫でながら、楽しそうにあやしつつ、「いい？　おばあちゃんの言うことを聞いてね。『法輪大法は素晴らしい』『真・善・忍は素晴らしい』って覚えていてね」と伝えました。私がそう言い終わると、赤ちゃんは両手を合わせて、指をまっすぐに伸ばし、何度も何度も手を叩きながら、お父さんの腕の中で大はしゃぎして嬉しそうにぴょんぴょん跳ねながら、口を大きく開けて笑い声を上げたのです。その笑い声は、幼く、純真で、清らかで、本当に美しいものでした。この子は、ちゃんと話を理解し、救われたのだと直感しました。言葉ではまだ表せなくても、幼い方法でその喜びを表現したのです。あの笑い声には、救われた喜びと、大法への感謝が込められていたのです。

　あれから何日も経ちましたが、あの堤防で聞いた赤ちゃんの朗らかな笑い声は、今でも私の耳に鮮明に残っています。私はこれからも、さらに精進して実修に励み、自らの誓いを果たし、大法によって救われるのを待っている縁のある人々を一人でも多く助けていこうと心に決めました。