文／子媛

　【明慧日本2025年10月22日】私は幼い頃から両親とともに修煉してきました。現在はアメリカで学位を取っています。半月ほど前のある日、発正念をしているときに、ひとつの光景が見えました。

　悪竜が死に、黒気が人間世界を覆う

　一つの竜が全身深紅色（しんくしょく）で、頭部の一部が黒く、ところどころに非常に複雑で濃い模様があり、見る者に不快感と恐怖を与えるものでした。その龍は空中に浮かび、中国の地図の輪郭の上にちょうど重なる位置にありました。竜が空間の中を漂い動くと、その頭の後ろに、数本の宝剣のようなものが突き刺さっていました。その「宝剣」は実体のあるものというより、光やエネルギーの作用として龍の体に現れているように感じました。竜は背中に「宝剣」を受けながらも動き続けていましたが、それはすでに生命の最後の段階に入っていたのです。

　やがてこの竜は「滅」の段階に入りました。しかし、その「滅び」もひとつの完全な過程でした。死の瞬間、竜は体内に蓄積された黒気をすべて吐き出しました。その黒さは言葉で表せないほどで、墨汁よりも黒く、この世で見たどんな黒よりも深く濃いものでした。私はその瞬間、この竜が中国共産党（中共）を象徴していると理解しました。そのとき、竜の身体は中国の半分を覆うほどの大きさで、頭部の位置は北京ではなく、上海に非常によく似た場所でした。竜が黒気を吐き出すと、その黒気は街全体を覆い、さらにゆっくりと拡散していきました。

　黒気を吐き終えた竜は、次第に生命の力を失い、地面へと落ちていきました。地面に落ちた時にはすでに体が小さくなっており、私たちの空間の動物が死んでも体の大きさが変わらないのとは違って、どんどん縮小しながら死んでいき、完全に死にきると、跡形もなく消えてしまいました。

　この一幕を見たとき、私は「今がちょうどその竜が黒気を吐き始めた時なのだ」と感じました。このあと大量の黒気が放出され、拡散し、竜が地上で死ぬというのが、これから現実に起こる出来事だと理解しました。

　個人的な考え

　半月前にこの光景を見たとき、私は特に気に留めませんでした。自分が見たものが必ずしも正確だとは思わなかったし、他の同修に影響を与えたくなかったからです。そのため翌日、父に簡単に概要だけをメッセージで伝え、この件を忘れてしまいました。しかし今回、周囲の人たちの勧めもあり、自分の次元で見たことや最近の省察（せいさつ：自分のことをかえりみて考えめぐらすこと）を、参考として書き残すことにしました。

　これからの時期、人間の世界では、ますます多くの常人、特に世間で比較的まともで良心のある人たちが、腐鬼（腐った霊）に操られた悪党・暴徒の頭目たちによって、さまざまな形で迫害されることが現れるかもしれません。修煉者として私は、それが旧勢力の按排の一環であると理解しています。衆生が罪業を償う過程の中で、それぞれの心の状態によって位置づけが決まるということです。

　なぜ、比較的善良に見える常人、良心のある人たちが多く苦しむのか？　それは旧勢力の考えでは、罪の深い者たちはどうせ最後の審判で一括して消されるから、今は放っておいてもよい、という理屈だからです。旧勢力には慈悲がありません。彼らの観念では「たとえ今修煉とは関係がなくても、定められた罪業をすべて償わなければ、未来に入る資格はない」と考えているのです。

　実は、これは今の中国で起きている出来事と対応しています。最近、中国の若者たちのSNS上で、集団的な覚醒が起こっています。多くの若者がこう語っていました。

「殺されない限り、私は正義のために声を上げ続ける」
「私が倒れても、千千万万の私がいる」
「無数の蟻のような私たちが、夜明けを掴もうと戦っている」
「神の使命は悪魔と戦うこと。私は神と正義の側に立つことを選ぶ」
「未来の私たちは、皆、歴史の勇士となるだろう」

　そしてある人はこうも言いました。

「私の死をもって、この天下に再び光明をもたらしたい」

　このような悟りある人々が目覚めたことに、私は深い感慨を覚えました。彼らの姿に、人類の未来への希望を見たのです。

　一方で、彼らのことを思うと胸が痛みます。良心があり、早くに覚醒した人たちは、他の人々よりも大きな精神的苦痛を背負っているように見えます。いわゆる「覚醒の痛み」と呼ばれるもので、それは絶望や無力感を伴います。彼らは力を尽くそうとしても力が及ばず、叫ぼうとしても声が出ない。人々のために不正を訴えようとしても、命の危険にさらされる。文字で人々を目覚めさせようとしても、検閲によって削除され、それでも再び投稿し、削除され、また書く——その繰り返しです。私たち大法弟子は知っています。常人の中にも高い次元から来た生命が多くいます。彼らが目覚めるとき、正義の一面を現します。しかし彼らはまだ修煉していないため、これらすべてが旧勢力によって周到に仕組まれた一つの罠であることを知らないのです。

　個人的な悲しみ・落ち込み・そして奮い立ち

　このような情勢の変化を感じ取ってから、私は丸2週間、気がひどく沈みました。仕事や勉強を終えて椅子に座ると、知らないうちに涙がこぼれることもありました。まるで哀れな叫びが満ち、民が苦しみにあえぐ光景が、すぐ目の前に迫っているようでした。あの広がりゆく黒気——それを地上の衆生が少しずつ受け止め、浄化していかなければ、人類は新たな紀元へと入ることができないのです。

　私は「時間がこのまま止まってくれればいいのに」とさえ思いました。もうこれ以上、見ていられなかったのです。私は周りの同修にこう言いました。「旧勢力のあの『按排』というのは、修煉者をありとあらゆる苦しみで責め立て、さらに普通の民衆までも苦しみに落とす。それが彼らの望む結果なの？　そんな按排、私は好きじゃない。でも、私にはどうすることもできない……」と私は理解していました。修煉している人たちは、たとえ迫害を受けても神への道を歩んでいます。しかし、他の衆生たちはどうなるのでしょうか？　そんな按排によって、どれほど多くの人たちが修煉の機会を失ってしまったことでしょう。誇張ではなく、本当に私は少し打ちひしがれていました。立ち上がろうとしても、どうしても力が湧かなかったのです。

　おととい、学校からの帰り道。車を運転しながら、静かに心を落ち着けようと音楽をかけました。流れたのは、神韻交響楽団の演奏でした。たぶん、ある年の開幕曲だったと思います。壮大で雄々しい旋律と音の流れが、私の心をまっすぐ貫きました。その瞬間、ひとつの明確なメッセージが私の頭に響きました。「あなたは、自分が何をしに来たのかを忘れている。あなたが本来どれほどの力を持っているかを、忘れてしまっている」。その瞬間、私は涙が止まりませんでした。車を運転しながら、わかりました。——師父が、再び私に語りかけてくださったのだと。その瞬間から、私を縛っていた沈滞の物質は消え、私は本来の自分に戻りました。心の中はエネルギーで満たされ、悲しみの感情は跡形もなく消えていました。

　たとえ旧勢力が幾重にも仕組みを敷こうとも、正法は必ず成就します。私たちは気を奮い立たせ、衆生を救うことを続けなければなりません。宇宙の邪悪な魔は必ず滅び去り、試練のあとには、人類は新しい紀元へと歩み出すでしょう。恐怖の大王が再び天から降りてきたとしても、それは悪竜が死ぬときに吐き出した最後の一口の黒気にすぎません。大法弟子が正しく修め、正しく行うならば、より多くの生命を救い、人類文明の未来を築くことができるのです。

　師父、ありがとうございます。

　もし不適切なところがあれば、どうぞ同修の皆さんご指摘ください。