　【明慧日本2025年11月30日】（豪州明慧記者の報道）オーストラリアの複数都市から集まった法輪功学習者（以下、学習者）が11月24日正午、首都キャンベラの国会議事堂前で集会を行った。集会では、オーストラリアに到着した中国共産党（以下、中共）序列第3位の趙楽際が法輪功への残酷な迫害において重要な役割を果たし、生体臓器収奪の暴行にも関与していることを明らかにし、豪州政府に追及を呼びかけた。

　オーストラリア法輪大法学会スポークスマンのジョン・デラー氏は集会で、趙楽際は「普通の来訪者ではなく、深刻な人権侵害者だ」と指摘し、さらに「外国の高官を歓迎すること自体は珍しくないが、オーストラリアは無実の市民を迫害し、虐殺し、拷問する共産政権の高官を軽々しく歓迎すべきではない」と述べた。

　趙楽際は現在、中共政治局常務委員および全国人民代表大会常務委員会委員長であり、11月22日から25日まで4日間オーストラリアに滞在した。就任当初、中共前党首・江沢民に追随して法輪功迫害を進めたとして国際社会から調査を受けており、現在、オーストラリアを含む複数の国の人権団体によって審査・制裁の検討対象に挙げられている。

　当日の集会では、複数の学習者が自身や家族が中共から受けた残酷な迫害の体験を語り、国際社会に対して救援の手を差し伸べ、善良な信仰者への残酷な弾圧を阻止するよう呼びかけた。

'图1～3：二零五年十一月二十四日中午，澳洲部份法轮功学员在联邦国会大厦前集会，揭露中共迫害，呼吁澳洲政府追责。集会吸引澳洲九号电视台等主流媒体的记者拍照和摄影。'

オーストラリアのチャンネル9など主要メディアが活動を取材した

'图4～12：二零二五年十一月二十四日和二十五日，在堪培拉中领馆附近街道和机场附近，澳洲部份法轮功学员在中共人员车队必经之处，展示<span class='voca' kid='62'>真相</span>横幅，抗议中共持续二十六对无辜法轮功学员的残酷迫害以及不断升级的跨国镇压。'

11月24、25日、キャンベラの中国領事館付近の通りや空港周辺で横断幕を掲げ、無実の学習者に対する26年にわたる残酷な迫害と、激化し続ける越境弾圧に抗議する学習者

　明慧ネットの報道によると、趙楽際は学習者を迫害するために設立された違法組織「610弁公室」を解体し、海外からの関心をかわそうとしたものの、政法委員会を通じて迫害と弾圧を継続しているという。

　法輪大法情報センターは2025年10月、米国政府に対し趙楽際への制裁を求めた。

　趙楽際一行の車列は二度、学習者による平和的抗議に出くわし、「法輪大法は素晴らしい」「法輪功迫害を停止せよ」との呼びかけや横断幕を目にした。

　平和集会が趙楽際の人権侵害を明らかにし　豪州政府に追及を呼びかける

集会で発言する、オーストラリア法輪大法学会スポークスマンのジョン・デラー氏

　ジョン・デラー氏は集会での発言の中で、趙楽際が2000年代初頭に青海省知事および省委員会書記を務め、2007年から2012年まで陝西省委員会書記を務めた際、当地の学習者への迫害・拷問・さらには殺害を主導し監督していたと述べた。

　デラー氏は強調した。「趙楽際が執政したすべての省で、法輪功学習者が迫害によって死亡した事例があります」

　またデラー氏は、オーストラリア政府が中共高官と会談する際、人権問題を避けるべきではなく、法輪功迫害に関わった中共高官に対する人権責任を追及するよう呼びかけた。

オーストラリア法輪大法学会会長・趙博士

　オーストラリア法輪大法学会会長・趙博士は明慧記者に対し、趙楽際は法輪功迫害に加担した「元凶」の1人であり、青海省で執政していた期間、現地での法輪功迫害は極めて深刻で、学習者から生体臓器収奪するという恐ろしい犯罪行為にまで及んでいると語った。

　趙博士はこう述べた。「法輪功への迫害は26年間続いており、今もなお続いています。多くのオーストラリア国民の家族が、中国で信仰を理由に拘束され迫害されています。中共の魔の手は海外にも伸び、越境弾圧は絶えずエスカレートしています。ですから、これはもはや中国だけの問題ではなく、オーストラリアの建国の根本である民主と自由を直接侵害する問題なのです」

　「私たちはこれまでに何度も、迫害を主導したとされる人物のリストをオーストラリア政府に提出してきました。その中には、趙楽際が迫害に関与した証拠も含まれています。彼がオーストラリアに来たことを非常に残念に思います。オーストラリア政府には、貿易を人権より優先せず、人権問題を回避しないでほしいと願っています。オーストラリア政府が本当に国民とその家族を代表し、中国側に対して明確に要求してほしいのです。法輪功への迫害を直ちに停止し、拘束されているすべての法輪功学習者を解放するよう求めます」

　趙楽際の訪豪に先立ち、オーストラリア法輪大法学会はアルバニージ首相およびペニー・ウォン外相に書簡を送り、信仰の自由と基本的人権を重視する国家として、オーストラリア政府には中共代表団との会談において宗教・信仰迫害の問題を明確に提起し、信仰の自由と人間の尊厳に対するオーストラリアの揺るぎない立場を再確認する責任があると訴えた。

　趙楽際が生体臓器収奪に関与　オーストラリアの弁護士「趙を迎えることは国家の名誉を損なう」

'图15：二零二五年十一月初，澳洲国际人权律师马德琳‧布里吉特（Madeleine Bridgett，中）与加拿大国际人权律师麦塔斯（David Matas）和戴乐出席电影《国有器官》座谈会。'

11月初めに開催された映画『国家の臓器』の座談会に出席した、オーストラリアの国際人権弁護士マデリン・ブリジット氏（中）、カナダの国際人権弁護士デービッド・マタス氏、オーストラリア法輪大法学会スポークスマンのジョン・デラー氏

　中国での臓器移植濫用停止ETAC国際ネットワーク委員で弁護士のブリジット氏は、趙楽際がオーストラリアに到着する直前、オーストラリアの政界に警告した。趙楽際を迎えることは国家の名誉を損なうと述べ、世界中が趙楽際の深刻な人権侵害および大規模な臓器売買への関与の可能性に注目していると指摘した。

　ブリジット氏は、オーストラリアの指導者は自らの責任を明確に認識し、基本的人権侵害に関与した、あるいは関与する可能性のある人物と接触・協力する際には「人権デューデリジェンス」を行うべきだと述べた。

　2025年11月時点で、多くの一次報道によれば、中共の工作員や関連医療機関による生体臓器収奪の対象は多岐にわたり、死刑囚、ウイグル族、学習者、社会的異議者などが含まれているという。

　ブリジット氏の懸念には、ノーベル平和賞候補者でカナダの国際人権弁護士デービッド・マタス氏も支持を示した。マタスは次のように指摘した。「中国の臓器移植システムはいまだ基本的な透明性と独立した監督が欠如しています。このような環境で協力関係を築くことは極めてリスクが高く、名誉を損なうだけでなく、深刻な人権侵害への共謀となり、国際人権法の下で法的責任を負う可能性があります」

　趙博士も次のように述べた。「近い将来、中共の人道に反する罪が世界に明らかになった時、オーストラリアがこのような迫害の責任者であり殺人犯を『上客』として迎え入れたことは、国として非常に大きな恥となり、永遠に残る後悔となるでしょう」

　首都住民「中共は人命を軽視している、オーストラリアは制裁を実施すべきだ」

定年退職したキャンベラの元公務員デイビッドさん

　キャンベラ在住の定年退職した元公務員デイビッドさんは、抗議活動で理性と平和を示した学習者を高く称賛した。「法輪功は抗議活動で素晴らしい振る舞いを見せました。中共の代表（迫害責任者）がここに来るのを見るのは辛いことですが、活動自体はとても平和的に行われました」と述べた。

　中共による生体臓器収奪や越境弾圧への対応について、デイビッドさんは次のように語った。「オーストラリア政府は中共に対して何らかの制裁を検討すべきだと思います。経済的に中国と密接に結びついているため困難はありますが、抗議の意思を示す特別な方法を見つける必要があります。中共は（生体臓器収奪などで）人命を全く軽視しているようで、まったく理解できません」

　中共は真実を恐れ、親中団体が法輪功の平和的抗議を妨害

　趙楽際がキャンベラに到着した当日、中国大使館前および国会議事堂へ通じる主要な通りには、多くの親中共団体が旗を掲げた。ジョン・デラー氏は、これらの親中共勢力が複数のバスで集まり、その多くが中共統戦部の管理下にある民間団体、例えば郷友会などに属していると述べた。彼らは何度も学習者の横断幕を旗で覆い隠そうとしたり、高齢の女性を含む平和的抗議者を押しのける行為をはたらいたという。

　趙博士はこの行為を強く非難し、オーストラリア政府に対し、これら中共に操られた団体を『外国影響力透明化法』に基づき調査し、オーストラリアの民主と自由の価値を守るよう呼びかけた。

　また趙博士は、現場で親中勢力による学習者への複数の攻撃が発生したことを確認し、うち2件の具体的な暴力行為については、すでにオーストラリア警察に正式に通報済みであると述べた。

'图17～18：二零二五年十一月二十五日清晨开始，在堪培拉中领馆附近街道，法轮功学员展示真相橫幅。'

11月25日早朝、キャンベラの中国領事館付近の通りで、中共による法輪功迫害の実態を伝えるを学習者

　連邦議員に携帯電話・ネットの使用を制限

　趙楽際がニュージーランドの首都ウェリントンに到着した後、ニュージーランド当局は特別な警備措置を取らなかったが、オーストラリア議会事務局は、11月24日の趙楽際の行程に関して、厳格な指示を記した内部メールを送付した。

　メールでは、連邦議員およびスタッフ全員に対し、期間中は携帯電話やタブレットを「機内モード」に設定すること、無線ネットワークも使用が制限される可能性があると指示。さらに、議員事務所が中共代表団の近くにいるかを把握できるよう、国会内での代表団の通行ルートまで明示されていた。これは、Wi-Fi接続でさえ中共に悪用される可能性があることを懸念しての措置であった。

　「国会がこのような警告を出さざるを得ない状況は、趙楽際が単なる来客ではなく、私たちの民主制度に対する真の脅威であることを示している」と、ある連邦上院議員は述べた。

　数週間前、オーストラリア安全情報局の局長マイク・バーガス氏は、公に警告していた。中共国家支援のハッカーは「諜報活動」から「破壊行為」に移行しており、オーストラリアの最重要インフラを標的にしているという。