文／ベトナムの大法弟子

　【明慧2025年12月24日】ベトナムにおける現在の修煉環境について考える時、まず理解しておきたいのは、師父がベトナムの修煉者の修煉と真相を伝える方法について、すでに具体的かつ明確な按排をなさっているという点です。そこに曖昧な部分はありません。もし「個人の体悟によって調整できる」と捉えるのであれば、それは修煉者の考えで法に向き合っていないということです。

　2018年、師父はベトナムの修煉者に向けて特別に経文「ベトナムの学習者へ」を発表され、その中で明確に述べられています。「したがって、この非常な時期において学習者は冷静にならなければなりません。現在、真相を伝える大規模な活動を行なわないでください。対抗行為はなおさらいけません。修煉はそもそも、自身を修め執着を取り除くことです。ですから、現段階では、主に個人の法の勉強と煉功に取り組み、大規模な法の勉強と煉功の活動を行なわないでください。メディアがいくら虚言を宣伝しても、冷静になり動かされないようにしてください。静かに観察していればいいのです。事態をエスカレートさせる人は問題のある人です！　くれぐれも覚えておいてください」

　この法は、ベトナムの修煉者が現在置かれている具体的な政治・社会・修煉環境における指導原則を直接示しています。師父は経文の中で「してはならないこと」を示されたばかりでなく、同時に「なすべきこと」も明確に指示されました。すなわち、個人の修煉に立ち返り、冷静と理性を保ち、全体の環境の安定と安全を守ることです。

　しかし、現実には、様々な理由を持ち出して、この経文の現実的な指導意義を軽視し、更には否定しようとする人もいます。例えば、「今は既に情勢が違う」と主張する人もいれば、「残された時間が少ないのだから、もはや以前と同じやり方ではいけない」という人もいます。さらには、「これは自分が法の中で得た体悟だ」という名目で、経文の要求とは明らかに相反する行動を公然と取る人までいます。修煉者にとって、このような言動は極めて危険なものです。

　まず、いわゆる「情勢が変わった」という主張について、それが師父によって法の中で明確に示され、且つ新たな按排がなされていない限り、如何なる人であっても、師父がすでに下された指示を否定したり、修正したりも、またその境地もありません。「情勢の変化」を理由に経文を否定することは、本質的には、人の判断を持って法の基準に取って代える行為なのです。

　次に、経文の要求に従わないことを「境地が違う」、「体悟が異なる」と言い換えるのは、修煉における極めて厳粛な一線を混同する行為です。個人の体悟は、法に背かないと言う前提の上にのみ成り立つものです。いったんいわゆる「体悟」が師父の明確な要求と衝突しているのであれば、その体悟は既に逸脱しており、更には邪悟、あるいは外来の干渉である可能性すらあります。

　更に、ベトナムの修煉環境には、高度な特殊性と脆弱性があります。師父は経文の中で、中共の勢力が迫害の圧力を他国に転嫁しようとしており、ベトナムがまさにそのような敏感な位置に置かれていることを既に明確に指摘しています。このような背景の下では、目立つ行動や大規模な行為は「対抗」、「政治活動」と性質づけられやすい行動は、いずれも悪意を持って利用される可能性があり、その結果、修煉者全体、ひいてはより廣範囲な衆生に危険をもたらしかねません。

　したがって、ベトナムの修煉者にとって、「ベトナムの学習者へ」の要求を厳格に守るかどうかは、精進しているかどうか、あるいは勇気があるかどうかの問題ではなく、真に師を信じ法を信じているかどうか、法の側に立っているかどうかの問題なのです。

　どれほど立派で正当そうに聞こえる理由であっても、師父の明確な按排を否定するものであるなら、それを聞いた人は必ず冷静に、法の上から判断しなければなりません。その行為は一体法を実証しているのか、それとも自我を実証しているのか。私にこのことを見せたのは、何を修めさせるためなのか。自分にはどの点を高める必要があるのでしょうか。

　師父の按排に従うという根本的な前提において冷静さを保つことが出来てこそ、ベトナムの修煉環境は真に維持され、修煉者は安定して正しい道を歩むことが出来ます。またそれによって、特殊な時期に一念の違いによって取り返しのつかない損失を招くことを避けることができるのです。