日本明慧

『運動と健康についての再考』 封 莉莉 教授の講演についての追記


2002年4月15日 

【明慧ネット】昨日ボストン駐在の大紀元新聞記者・何麗娟女史は以下の報道をした。
現代人は運動による健康法を提唱し、それに熱中している。運動によって病気治療、健康促進、高血圧の予防、コレステロールの減少、糖尿病の予防、ダイエットと美容、新陳代謝の増強、若さを保つなどの効果があると思われ、人々は健康のため一生懸命に室内運動や、ジョギング、水泳、各種の球技などをしている。このために多くの時間、費用、労力を掛け、その重要度は食事と睡眠の次に位置している。特に生活水準が高いと言われている所では、多くの人はその生活を維持するために忙しく、精神的ストレスも重なり、心身ともに疲れている。運動することによって、精神的ストレスを緩和しようとしている。辛いことに耐えて得た報酬をスポーツ施設などに使ってしまい、冷房の利いたジムで汗を流すことは流行の消費パターンとなっている。

過度の運動は人体に悪影響を及ぼすことについて、多くの研究発表があった。ヒュースのトンバイロア医科大学(Medicine at Baylor College of Medicine in Houston)免疫学の封莉莉教授は、細胞分裂の研究において、もう一つの角度からその原理を深く分析した。教授は最近のハーバード大学における講演の中で、次のように論説を発表した:人間の一生において細胞の分裂回数は限定されており、細胞の寿命は短い。スポーツ選手は高い競技水準を保つために、常に体を最高の状況に保つ必要がある。持続的なトレーニングによって体細胞の寿命を短縮させ、早く新しい細胞に交代させる。新しい細胞は生命力が強くエネルギーが高い。これによって運動する人は一時的に興奮及び強壮を感じる。しかし、この様な過剰な消耗には高い代償を払う必要がある。スポーツ選手の免疫力は過剰な新陳代謝によって能力が低下し、生命もこれによって短縮される。スポーツ選手の競技中における突然死は、その健康不良の証拠でもある。過剰なトレーニングによって老化も加速される。

一般の人は適度な運動によって体内へ酸素が補給され、軽快と活力を感じ、暫くの間に疲労感が軽減される。しかし、運動を停止した後には、細胞分裂の周期がまた元通りに戻るため効果を持続するために、継続的な運動が必要である。そうしなければ疲労感をもっと強く感じるようになる。実際、運動による健康促進法は東洋の気功、座禅修煉より効果が低く、人体の健康は免疫力の強化に関係している。最近、東洋の気功修煉がより重要視された点はここにある。修煉法は運動法の原理と正反対で、動作は緩やかでゆったりとし、まろやかに動き、時に静止状態を保ち、心拍数も下がり、血液の流れも遅くなる。身体はこの状態において細胞分裂が減少し、細胞の寿命は一般の人の数倍までも延長できる。これによって人の寿命は延長される。

教授の研究の一つは、煉功者の細胞から1万2千個の遺伝子を抽出し並べることにより、遺伝子全体の変化を観察した。この研究で一つの重要な結果が見つかった。被実験者の代謝系に関連する細胞は顕著に減少しており、その中の一つである好中球は極端に減少していた。通常、好中球の細胞分子は9〜12時間生存しているが、骨髄は10の10乗の好中球を日々生成し、血液中に補充している。これは体内において、かなり大きな仕事である。煉功者の好中球の寿命は一般人の3〜4倍であり、代謝の減少によって体の健康は増強される。

第二の発見は、修煉者体内のタンパク質の分解系物質は一般の人より少ないが、ウィルスに対する殺傷力が高いということである。タンパク質の分解系統は体内の病原菌を除去する作用があり、炎症や腫瘍に関係が深い。九割の病気は炎症と関係があるので、この系統はとても重要な役割を果たしている。例えば癌患者の体内におけるタンパク質の分解系統の代謝は特別に高く、早く死滅する細胞を補充するために、たくさん製造しなければならない。これによって患者は更に虚弱へと陥る。

その他の発見では、煉功者の免疫機能は抗HIVのR309の作用が、通常の10倍にも増強され、抗微生物のある種の遺伝子も8〜9倍増加し、抗老衰のホルモンも増加していた。これらのものはすべて体内の重要な抗体である。

封教授の研究成果から、気功修煉が人体免疫機能を改善することに顕著な効果があると証明された。これらの細胞分子の解析から得られた実証科学のデータは、伝統的観念に対する、一つの挑戦になったとも言える。我々は改めて運動による健康法の真意を考える必要があるかもしれない。