アムネスティ・インターナショナル新聞公告:香港の23条立法──職権濫用の隠れた危険
【明慧ネット】法輪大法インフォセンターの情報によると、アムネスティ・インターナショナルは12月9日、「香港23条立法は権力を濫用した可能性が有る」と公告した。本日(9日)香港特別行政区立法委員会に提出した報告書によると、アムネスティ・インターナショナルは香港政府が23条立法白書に対して重視するよう広範に呼びかけている。この組織は、政府の諮問公文書の提案、及び周知の法律制定に具体的説明の足りない白書令に対して深く懸念を表明した。
アムネスティ・インターナショナルは「法律制定の草案が登場する前に、香港の人民はこれらの提案が未来にどういう意味が有るかを知るべきだ。」と強調している。
「香港未来の基本自由発展の勢いと(一国二制度)の概念を明確にすると、基本法の第23条の実施は香港が中国に返還されてから最も重要な出来ことだと言った。」
アムネスティ・インターナショナルは「現在、政府の提案は言葉遣いが曖昧で、定義は不明で、国際法律と慣例とは食い違いがある。国際法規は犯罪行為の定義に対して必ず明確にし、どの種類の行為が犯罪であるのかを明らかに述べてある。」
国際人権組織は「現状にとって、提案は基本法の第23条を実施する必要をはるかに上回っている。しかも基本的人権の制限を増長することができる。あれらの権利を行使する人にとって、彼らは良心犯にされ監禁される危険に直面しなければならない。」アムネスティ・インターナショナルは、脅迫を受けている基本的な人権は国際公民及び政治権利の規約第18本条の保護を考えること、良知と宗教の自由は第19本条の言論の自由、及び21条と22条の平和的な集会の自由と結社の自由が含まれていことを強調した。
アムネスティ・インターナショナルは、香港特別行政区の政府による、いかなる「祖国を裏切る、国家を分裂する、反乱を扇動する」 あるいは「中央政府を転覆する」ことに対する法律制定は、基本的権利の行使ではないので、例えば結社や平和的な集会の自由に対して刑罰或は制限することを禁止することの保証を求めた。
「外国組織の法律制定提案に対して、大陸で禁止している組織と香港の組織を結び付けているが、これははるかに23条の定義を上回っている。これらの提案は中華人民共和国中央政府が国家の安全な定義に対して、香港特別行政区で優先地位を占めることを許している。これらは深遠な影響をもたらしている。例えば1つの組織が大陸で国家の安全という名義で取り締まりを受けるならば、香港でも取り締まりを受ける可能性があるということを意味している。」
大陸で基本的な人権が広範に制限されることによって、いくつかの団体と組織は政府の承諾を得られずに、返ってこれらの組織と関係がある人士が逮捕され拘留されることになる。人々は多くの組織が香港特別行政区で取り締まりを受けるのではないかと心配している。中国大陸に異議のある香港人や団体は特に危険に直面しているので、彼らの仕事は必要のない制限を受けています。
あの組織はまた、香港政府が再び考慮した「国家機密を盗む」という部分で提案を促した。アムネスティ・インターナショナルは「このような提案はあまりにも曖昧な言葉で、しかも透明度を維持するために公表しなければならない情報を潜在している。」「これらの提案は香港の商業、金融業とメディアの国際的中心、及び文明社会の名誉に対してマイナスの影響をもたらしている。」と表明した。
背景
「基本法」は香港の小憲法とも呼ばれ、香港で「一国両制度」というシステムを保障するために、香港特別行政区にのみ有効な法律である。中国と英国政府は1984年、「連合声明」に調印した後、北京は直ちに将来の香港政府が独立して主権を行使できるような法律骨組みを立てるよう仕掛けた。1985年6月、全国人民代表大会は59人の「基本法」を起草する委員会を設立した。当委員会は36名の大陸出身の人と23名の香港人から成る。1988年4月、当委員会は第一次「基本法」を発表し、同時に香港社会の意見を聴取するために「基本法」の諮問委員会を設立した。当時のものは現在の第23条と大きく異なっていた。第一次「基本法」第23条は以下の通りである。
「香港特別行政区は、国家統一を破壊し、中央人民政府を転覆する、いかなる行為も禁ずるよう立法すべきである。」
諮問期間において、諮問委員会は合計73,000の意見を徴集し、そのうち、マスコミ、法律界、政界と立法局の数多くの議員はこの条文の言葉遣いがあまりにも曖昧であり、香港に「反革命罪」と類似した法律をもたらし得る恐れがあり、更に香港人の人権と自由を剥奪する心配があるため、この条文を強烈に非難した。1989年2月、修正を加えた第二次「基本法」が発表された。
「香港特別行政区は、祖国を裏切り、国家を分裂し、叛乱を扇動し、或は国家機密を盗み取る、いかなる行為も禁ずるよう、独自に立法すべきである」
この第二次では「独自に立法する」という言葉が加わった。すなわち、特別行政区は、必要だと思うときに立法すれば結構であるが、草案に規定した“祖国を裏切り、国家を分裂し、叛乱を扇動し、或は国家機密を盗み取る”などの犯罪行為にはっきりした定義がないため、依然として香港社会に非難されている。丁度そのとき、北京で天安門事件が発生した。起草委員会の仕事は一時停止してしまったが、数ヵ月後、再開した。諮問委員会は社会各界の意見をまとめ、以下の意見を提出した。
「“祖国を裏切り、国家を分裂し、叛乱を扇動し、国家機密を盗み取る行為”ははっきりした定義がないため濫用されやすい。上述のいくつかの概念を解釈できる者はいるのだろうか?言論・刊行物を発表すると芸術を創作する自由は同様に禁じられるかどうか?“祖国を裏切り、国家を分裂し、叛乱を扇動し、国家機密を盗み取る行為”という概念はあまりにも大雑把である。尚且つ、自由民主と共産専制の国家はこれらの概念に対する解釈において、大きな相違がある。また、この条文の解釈権は中国の人民代表大会の委員が握っている。したがって、“祖国を裏切り、国家を分裂し、叛乱を扇動し、国家機密を盗み取る行為”という概念に対して、具体的な犯罪行為を定めるか、それとも今までの法律をそのまま使うか?さもなければ、この条文は言論と報道の自由を大きく侵害し得る。」
これらの意見があったが、北京政府は天安門事件後、香港へのコントロールを強めなければならないと考えたため、起草委員会はより厳しい「基本法」を定めた。第23条の最終版は以下の通りである。
「香港特別行政区は、祖国を裏切り、国家を分裂し、叛乱を扇動し、或は国家機密を盗み取る、いかなる行為も禁じ、外国の政治的組織や団体も香港特別区での政治活動を禁じ、香港特別行政区の政治的組織や団体が外国の政治的組織や団体との連繋をとることを禁ずるよう、独自に立法すべきである。」
「基本法」の他の条文と同様に、起草委員会が公衆の第23条への意見を無視した原因は、北京政府が天安門事件で引き起こされた警戒態勢にある。当時の北京の民主運動に対して、香港は大規模の支持を与え、言葉での声援を送っただけでなく、募金で集めたお金を北京の学生にも送った。また、弾圧後、北京政府の武力を行使したことに香港民衆と各団体が厳しく非難を行った。これは、香港が「転覆基地」になり得るという北京政府の懸念を深めた。したがって、第23条の範囲が拡大され、起草段階で第23条への非難が無視された。結局、この厳しい最終版が通過され、しかも1990年4月4日、公布された。
2002年9月24日、香港特別行政区政府は、論争があった転覆を反する法の提案を公表し、中国の支持を得たが、民主人士はこれによって言論の自由を窒息させることを心配していた。この件は3ヶ月に及ぶ公衆の諮問期限が有った。
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