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広東の医者は涙を噛み締めて政府の嘘を暴きだした

【明慧ネット6月21日】広東省はSARSウイルスの感染発祥源である。現地の医師によると、今年の2月初めに感染が一挙に拡大した時、多くの医療関係者が次々と倒れ、病院や社会は大きな不安に陥った。しかし、感染がピークになると思われた2月に、当局は既に感染の拡大は沈静化したと虚報をした。結果として、感染が世界中に広がってしまい、沈痛な思いであると胸中を語った。 

最初にマスコミに採り上げられ、大量のSARS感染者が出た広州中山大学付属二院の伍衛内科主任は、香港《有線テレビ》のインタビューを受け、広東省での感染拡大の経緯を振り返った。伍医師は「今年の二月の始めに、当地で感染が一挙に拡大したため、呼吸器関係の医師が不足し、勤務医でない医師も、自ら病院に行き仕事を手伝っていた。ところが、その後次々に感染してしまい、当院だけで96名もの医療関係者及びその家族が感染してしまった」と述べた。 

病院も社会も恐れをなした

伍医師は涙を滲ませながら「関係した医師らは、皆SARSの危険性を十分認識していました。病院に行かなくとも、その責任も無いのに、皆は病棟へと向かいました。そして、一週間の後、皆は次々と倒れました」。医師になってから20年という伍医師は「当時は本当にパニックでした。新しい看護婦が来ると、今日は行けども、明日には高熱を発しといった状況で、心底恐怖を感じました。二週間のうちに五階建ての病棟が、全ていっぱいになりました。病院だけでなく、社会全体が皆恐れをなしました」と述べた。 

中山二院が、後に発見したことであるが、今年の1月30日に、一人の「保菌者」が入院し、それが当院及び他病院の130人ぐらいの人が感染した。しかし、伍医師は、当時マスコミに対し、この伝染病について、公開しようとはしなかった。「記者へ伝えることはできませんでした…ここは大陸で…規則に従わなければ」と伍医師は釈明した。 

行政は感染が抑制されたという虚報をした

広東省庁は、2月11日に記者会見を開き、省内の感染拡大は既に抑えられたという嘘報をした。しかし、インタビューを受けた数名の広州の医師らによると、当時、SARS感染はピークにあり、大量の医療関係者が感染したと述べた。中山大学附属一院の医師曾遠祥氏は「2月末から3月にかけて、当地は感染のピークで、三月の中下旬になり、やっと鈍り始めた」と述べ、さらに、広東省衛生局は、実情を隠蔽したことを否認したという。 

悲しいことに、北京、香港も前例の過ちを繰り返した 

香港と北京などの重度感染地域は、ともに広東の後を引き継ぎ、感染が病院から社会に急速に広まり、大量の人が感染、死亡者が多く出たことに対して、伍医師は深く悔やみ「北京でも、香港でも、同様に感染が拡大し、多くの無辜の命を犠牲にしてしまいました。なぜ悲劇は繰り返えされたのでしょうか?とても口惜しく感じます」と述べた。