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連名による江氏への告訴は、オーストラリア国内において前例のないことである(写真付)

【明慧ネット8月17日付】江沢民氏に対する新たな告訴が動きつつある。オーストラリアでは、法輪功学習者の章翠英さんが、個人として江氏を告訴したことに続き、シドニーの学習者が、連名で告訴することを検討しているという。現在、この告訴案は更なる調査と書類送検の段階に入ったという。

大紀元ネットの報道によると、2002年10月法輪功学習者が、酷刑罪、集団虐殺罪などの罪で、江氏及び“610法輪功取締本部”を、米国イリノイ州北区連邦裁判所へ裁判を起こしてからというもの、中国の官僚は海外で頻繁に活動しており、世界各地において江氏への告訴案の進展を阻止しようとしている。オーストラリアの中国大使館は、オーストラリア外務省を通じて暗に、オーストラリア国内における江氏告訴の可能性について打診したことがあるという。大紀元の記者は、連名訴訟案の連絡人の一人、李麒忠さんへのインタビューを行った。李さんは、法律と道義の角度から、江氏及び“610法輪功取締本部”への訴訟案が実現する可能性とその意義について述べた。【以下敬称略】

記者:江氏は外国の元首であり、オーストラリアの該当する法律も無いはずですが、いかにして訴訟を実現させようとしているのですか?

李:確かに、オーストラリアで外国元首を告訴するということは、初めてのケースです。米国などでは、これらの法律があるため、訴訟ができるのですが、オーストラリアにはこのような法律がありません。しかし、慎重な調査を重ねた結果、我々の弁護士は、訴訟できる可能性があることを示してくれました。簡単に申しますと、一つは、オーストラリアは国際刑事法の加入国であるということ。もう一つは、江氏らは、中国国内で自国民を迫害しているため、オーストラリアの法律では手を出せません。ところが、オーストラリア国内にいる人が、その迫害により傷害を加えられたならば、オーストラリア国内法の範疇となります。一方、別の要素としては、裁判所が政府から圧力を受けた場合、この告訴を受け入れない可能性があるということです。しかし、多くの関係者が原告となり、しかも動かぬ証拠があれば、法廷側は受けざるを得なくなることでしょう。

記者:江氏は中国大陸にいますが、どうやってオーストラリア国内の人へ迫害を加えることができるのですか?
李:弁護士によれば、オーストラリア国内における迫害というものの法律的概念については、以下の3つに大別されます。

(1)親族の人が、中国で迫害を受けていることにより、オーストラリア国内にいる本人も苦しい境地に置かれた場合は、既に間接的迫害を受けたと言うことになります。

(2)弾圧政策を強引に推進するため、中国のマスコミは様々なルートを通して、世界中に虚報をばらまいています(天安門焼身自殺事件など)。このような行為は、名誉毀損に値し、海外に居住する法輪功学習者へ精神的な圧力を加えると共に、これにより多くの人(親戚、友人、職場の人など)に、差別視される可能性があります。こうなると、国内法の範疇のものとなります。

(3)オーストラリア国籍の人が、中国大陸へ親族訪問する際に、入国拒否され、不法に監禁され、ブラックリストに載せられたとすれば…もし、これらの経歴が、その人の記憶にも残っているならば、国内法は連続する迫害を受けているということを認めます。とりわけ、中国国内の家族にも会えないこと(家族の人が危篤状態にあっても面会することさえも禁止される)は、大きな人権侵害とみなされます。

以上のいずれかに該当すれば、オーストラリア国内で告訴をすることが可能です。

更に、ある意味では全ての法輪功学習者は、法律上の原告となりえ、法輪功を修煉しているか否か、出身(オーストラリア人、オーストラリア永住者、あるいはオーストラリア在住)はどうであれ、直接あるいは間接的に、江氏らによる迫害を受け、また受けたことがあれば、オーストラリア国内で告訴をすることが認められるというのが、弁護士の見解です。

記者:どのくらいの人が原告団に加入したのですか?彼らはいずれも法輪功学習者ですか?この裁判にかかる費用はどの程度必要なのでしょうか?

李:先日、我々はニュヨークの全ての弁護士に対し、合計3,000通以上の手紙を出しました。結果180通以上の支持を表明するという回答をもらいました。更に15名の弁護士は、この告訴に関する相談も受け付けるという意思を表明してくれました。この弁護士の方々は、この訴訟案が極めて特殊性を帯び、歴史上かつてなかったことという共感をもってくれました。

我々は、既に著名で十分な実績のある弁護士団へお願いしましたが、出廷弁護を含め、この訴訟案及び関連する一切のことを、無償で引き受けてくれました。弁護士の方は、この訴訟案が、今後研究課題へとなりかねず、法律系の学生らに、課題として研究させるつもりでいるとも申してくれました。

法律により、連名による告訴の場合、原告は最低10人以上が必要です。既に80名以上の法輪功学習者が、原告として名乗り、32通の証言がそろい、関係する一切の手続きの準備が、順調に進められています。我々原告団は、ますます強固になっていくことと思います。一方で、迫害を受けた人は法輪功学習者に限らず、我々の連名訴訟団への加入を歓迎します。

記者:オーストラリアにおける訴訟では、中国前国家出席江沢民氏への法の裁きに、どれほどの効果が出せるのでしょうか?最終的にどのような結果となる見通しでしょうか?

李:セルビアの前大統領であったミロシェビッチ氏が、英国のある空港で逮捕されたことがあります。これは英国の法廷がミロシェビッチ氏に対し、有罪判決を言い渡し、更に召還状をも提出していたからです。オーストラリアと英国は、法律も非常に似通っていますから、その点からも、オーストラリアの法廷に、江氏への召喚状を出すよう要請することが出来ると考えられます。江氏及び“610法輪功取締本部”のメンバー、あるいは法輪功学習者に対する迫害の直接的加害者、責任者がオーストラリアへ入国する際に、法廷からの召喚状を受け、あるいは直接逮捕されることさえもありえます。

オーストラリアにおける江氏への連名での告訴は、世界における江氏への訴訟活動のごく一部に過ぎません。いかなる人といえども、法律に触れたら、その法的責任を負わなければなりません。法律は被害者を守るべきであり、正を拡張すると共に、犯罪を罰しなければならないものでしょう。法律と道徳は、基本的な人権を守るものでもあります。ご存知のように、江氏は法輪功を迫害しただけでなく、更に他の宗教による信仰をも迫害しています。わたしたちは、いかなる国家いかなる政府にも、反対することはありません。わたしたちが反対していることは、ほかならぬ弾圧であり、告訴しようとするものは、無辜の民を虐待した犯罪者にほかならないのです。わたしたちは、ただ社会へ出て、すべきことをするまでです。江氏は、既に人心による道義上の審判を受けていますが、この一連の訴訟活動を通して、より多くの人が迫害の真相を知るようになった時、法律的審判も間近に迫ってくることでしょう。