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中国副総領事潘新春に名誉毀損の有罪判決 カナダは憎しみの宣伝に反対

【明慧ネット2004年2月5日】2004年2月3日、カナダ・オンタリオ州高等裁判所はトロントに駐在している中国副総領事・潘新春の名誉毀損案件に判決を下し、トロントの法輪功修煉者ジェエル・チプカー氏が勝訴した。判決結果は:潘新春には名誉毀損の罪が成立し、当日欠席した潘新春は名誉毀損発言のため引き起こした損失を賠償しなければならない。

トロントに駐在している中国副総領事潘新春は、2003年5月1日「トロントの星」紙に、中国当局がサーズの情報を隠蔽した行為について弁護する手紙を発表したが、非常に悪意のある言葉でチブカー氏及び他の法輪功修煉者を攻撃したため、同年8月に名誉毀損で起訴された。

カナダ・オンタリオ州高等裁判所のこの普通の民事訴訟に対する判決は、単純なように見えるがその意義は重大である。原告はカナダの一般国民であるが、被告は領事級の中国外交官である。中国の千年に亘る伝統的な意義からみて「庶民が官僚を告訴」する案件では、裁判所で尋問を受ける時、被告の「官」は出頭する勇気がなく、最終的に敗訴したのは「官」であり、このこと自体で意義は充分である。法輪功は平和的、善良な民間修煉団体であり、4年来常に中国大陸の広い範囲で迫害されているが、西洋諸国では政府の官僚から庶民まで共感を呼び、歓迎されている。こんなに著しい対照が、この「庶民が官僚を告訴」の案件により、より多くの人々の注目を集めている。

* 免責権の保護下で憎しみを煽動している「外交官」に警鐘

この案件を審理する過程で、カナダの裁判所によれば、被告が原告を名誉毀損したことは、カナダが1976年5月19日に加入した「国際民事と政治権益契約」(The International Covenant on Civilian and Political Rights)に違反している。法律文書を受け取らず、裁判所にも出頭しない等カナダ司法を軽視する傲慢な態度から、「藩領事」の恐怖心が見える。このような恐怖心は他人を名誉毀損した罪悪感から生じたのか?虚言が暴露されて裁判所に起訴されたため不安になったから生じたのか?それとも自分の前途や名利に関わっているから生じたのか?どんな理由であっても、名誉毀損の判決結果は、外交免責権の保護下に隠していた憎しみを煽動し、迫害を一層煽り立てている「外交官」に警鐘を鳴らした。

中国では、法輪功を公然とけなすのは独裁者の宣伝手段になっている。ラジオ放送局やテレビ局、新聞など、小学生の教科書まで真善忍を誹謗する対象としている。同時に、法輪功修煉者は基本的人権と尊厳まで奪われている。陳情したり、公然と「法輪大法は素晴らしい」と言ったり、家人に送るメールの中に法輪功のことを入れたため等で、時には捕えられることもあり、甚だしい時は家族にまで波及する。迫害される人は不法に監禁されながら上告権、弁護権等の合法的権利まで密かに奪われる。家族がバラバラになり、家がなくなり、死亡するまで迫害される法的「根拠」は、ただ江沢民がどうにでもなる“人民代表大会”を利用し命令して制定したいわゆる「法律」であるが、この「法律」は憲法と国際人権条約の上に君臨しているのである。まさに、99年の迫害の初期に、「ワシントンポスト」の記事にあるように、「中国共産党の指導者は自分自身にとって必要でないものには、新しい強力な法律を作り出し、これで以って平和的に座禅する団体に対してすら弾圧する。現在、このようにして作り出した法律は、過去の問題を裁判するまで利用され、もちろん、その団体の指導者達の死刑の判決にも利用するが、それは見せかけだけの裁判に過ぎない。」
 
カナダでは、潘新春の名誉毀損事件についてカナダ政府は干渉しないと明確に表明したが、これはカナダの司法の独立性と公正であることを十分に表わしている。それだけではなく、迫害に参与した者を法律に照らして審理することは、カナダでは盛んに行われている。「オタワ市民」紙(Ottawa Citizen)と「バンクーバー太陽」紙(Vancouver Sun)の2004年1月21の報道によると、「15名の中国高官が連邦警察の監視名簿に入っているが、彼らは残酷な苦しみで法輪功精神運動のメンバーを弾圧していると告発されている。その中のどの高官であれカナダに入国すると、カナダの連邦警察はその犯罪行為を調査する。移民と難民保護法により、入国申請者に“人権侵害”があるという理由が十分あれば、彼の入国申請は拒否される。告発された中には、78才の前国家主席で現在中央軍事委員会主席である江沢民も、北京市市長である劉淇もいる。」

* 恨みの文字に隠れている黒幕

潘新春は何故敢えて西洋社会のマスコミで、平和的精神団体をけなし、名前まで指摘して法輪功修煉者個人を攻撃するのか?まさに彼はカナダの法律を知らないか、或いはカナダの法律を軽視する勇気を持っているのか?と理解出来ない人がいるが、実はそうではない。彼がこのような事をやったのは、江沢民に強要された特別の“任務”を実行するためである。江沢民はこの4年来ずっと政府の名を掲げて、彼のようなすべての外国に駐在している中国外交官に、法輪功を誹謗中傷したり、法輪功の学習者を迫害したり、人々の中に法輪功への恨みを煽動したりすることをさせた。このような「ウイ—ン条約」に規定された外交官の職権範囲を超えた犯罪行為は、江沢民に特別の“任務”と指定された。これらの犯罪行為の証拠は、各国に駐在している中国大使館や領事館のインターネットサイトに載っている法輪功に関する内容、大使館や領事館の建物の廊下に展示されている法輪功を誹謗する写真、或いは定期的に所在地の政界、マスコミ、各図書館に配っていた法輪功を誹謗する資料、及び大使館の仲介によって外国を訪問する所謂「宗教代表団」、「文化代表団」の人々を欺瞞する活動などから、充分に見ることができる。

江沢民は自分の利益のために、中国憲法と国際人権条約に違反し、外交官の職務を規定している「ウイ—ン条約」を無視し、外国に駐在している外交官を強制して、法輪功と法輪功修煉者にデマを飛ばして誹謗したり、恨みを宣伝したりするが、これは外国に駐在している中国外交官を威嚇して犯罪行為をさせるのと等しく、彼らを江氏集団の餌食にすることと等しい。

しかし、自分を欺き人をも欺く恨みの宣伝と迫害が直面したのは、文明社会全体の堅い抵抗であつた。カナダでは、このような恨みの宣伝は、法輪功修煉者だけではなく、カナダの主流社会や政府官僚にも抵抗されている。トロント地域の国会議員であるクリン氏は、中国政府から恨みの宣伝資料を受け取った事があるが、このような資料で私は説得されることはなく、私は中国が人権を迫害していることを、激しく非難するよう外交官に頼んだことがあり、中国がこのような事をするのは、法輪功修煉者の人権を侵害するために理由を付けるだけであると言った。恨みの宣伝に対して、国会議員のロバート・アンダーソン氏は、「カナダでは人の信仰の自由を妨害する中国外交官は追い出すべきであり、しかも、再入国を永遠に不許可にするべきである。このような宣伝用品をカナダに持ち込んで、カナダの法輪功修煉者に対して反対することは、更に更に不要である。彼らは宗教の自由を制圧しようとしている。ここに来て邪魔をしないで!中国でこんな事をやるだけでもすでに酷過ぎます!こんなものをカナダに持って来ないで!」と言った。

* 次の被告は誰か?

実に、潘領事が使った名誉毀損の言葉の創造者が誰であるかを知れば、何故潘領事にこんなに勇気があったのかが分かるだろう

中国大陸では、1999年の「7.20」後、中国の人々に文化大革命式の人をけなす手法や膨大な数の誹謗宣伝が次第に嫌がられるようになり、10月末江沢民はフランスの「フィガロ」紙のインタビューで、自ら法輪功に捏造した罪名を付け、これによりその後弾圧を増強させるような風潮をつくった。そして国内政府の代弁者である「人民日報」などマスコミは江沢民の誹謗に応じて、江沢民の「発言には根拠がある」と論評した。江沢民がインタビューを受け、法輪功の誹謗を検討してから5日後、すなわち、99年10月30日、全国人民代表大会常務委員会は一つの決定をした。この事で、江沢民は法輪功に対して集団虐殺を実行する法的基礎を完成させたのである。

4年来、江沢民は「名誉を汚し、経済的に破綻させ、肉体的に消滅させる」の絶滅政策で、不法な組織「610事務局」を利用して、無実の修煉者に対する大規模な迫害を継続している。全国に渡る労働教養所、洗脳班で、江沢民は国家財政の4分の1を費やして、数千万人の中国法輪功修煉者を迫害している。実は、潘新春の類の者は、迫害者でありながら被害者でもあり、本当の迫害者の首魁は江沢民である。しかし、誰でも自分の行為に責任を持たなければならない。法律が健全に機能している社会では、いかなる方式で迫害に参与しても、その責任から逃がれられない。(明慧記者冬娜)

(中国語:http://www.minghui.ca/mh/articles/2004/2/5/66676.html
(英語:http://www.clearwisdom.net/emh/articles/2004/2/14/45110.html