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国際人権弁護士は外交官が憎しみを扇動したことを起訴する法律的な根拠を話す(上)

 【明慧ネット2004年7月9日】(明慧記者の冬娜報道)2004年6月19日、モントリオールで開催された“正義を求める:憎む犯罪、残虐な体刑罪と反人類罪を制止する”の法律フォーラムで、カナダの有名な国際人権弁護士デビッド-マタス先生が発言した。“憎しみを煽動した言論と外交免除権”をテーマにし、国際法と外交免除権の適用範囲などあらゆる方面から検討した。そして憎しみを煽動した言葉を言った外交官について、法律で起訴し制裁することについて議論した。

 ※いったん憎しみを煽動する言葉が口から出ると 外交官は起訴に直面する

 マタス先生はまず三つの典型的な訴訟の実例を通して、外交官の憎しみを煽動する言論を具体的に陳述した。その中の訴訟の実例:カナダの法輪功学習者のチャオ-チェブカは、“トロントスター”新聞に手紙を書いて、中国のSARSについて述べた。すると中国駐トロント副総領事の潘新春は2003年5月にこの新聞に一通の返事を発表した。そしてチャオーチェブカとその他の法輪功学習者に険悪的なΧ教のラベルを貼り付けた。

 そしてこのような行為にどう対応するべきか?についてマタス先生は:“外交官や領事官のこれらの評論と文章で、ある団体の憎しみを扇動することは、別の団体を絶滅するよう扇動することである。さらにこれは反人類罪を誘惑し、別の団体を誹謗したとも言える。もし外交官や領事官の官吏が彼らの政治首脳としての立場を利用したのならば、国家の憎しみを広めたことになる。そしていったん憎しみの言葉が口から出ると、彼らは起訴される運命から逃げることができない。少なくとも、彼らは海外にいるため、そこの法律システムによって彼らの憎しみを煽った犯罪を処理することができる。”と言った。

 またマタス先生は刑事法廷ローマ規約の第25条にある個人の刑事責任の規定に関して:“下記の状況に一つでもあてはまる人は、当規約の規定によって裁かれる。当裁判所の管轄内の犯罪に対して刑事責任を問われ、処罰された者。命令やそそのかしによって、犯罪を誘発した者。しかもこの犯罪は事実上実施されたてもされなくても含まれる。国際刑事法廷のローマ規約は反人類罪を誘発することも反人類罪だと規定されている。”と言った。

 マタス先生は、カナダの反人類罪と戦争犯罪の法案を実例とした。カナダで反人類罪を扇動することは起訴の対象となる。しかしこの法律の一部には権限上の制限がある。その中の一つの制限は犯罪人がカナダにいること。もう一つは、カナダの刑法の中でも憎しみを扇動する罪を犯したことである。一般的に、この刑法はカナダ国内に適用できる。だからカナダにおける刑法の法律の権限は(犯人)がカナダ国内にいることである。カナダ国内にいない場合は、誹謗する民事訴訟か更に欠席裁判に促成する。

 マタス先生は総括し、「だから、一人の外交官あるいは領事官吏はカナダで刑事事件を犯したかどうかに関わらず、民事上の誹謗をされた場合、すべてカナダで法律権限を利用することができる。また違法行為はカナダ内で発生し、違法者本人がカナダにいるため違法者の法律責任を追及出来る。問題は外交や領事の治外法権がこれらのカナダの官吏に適用され、訴追免除されるかどうかだ。」

 ※外交免除権は人権犯罪を保護することはできない

 外交関係ウィーン公約、対外使節と政府間機関法案など国際法は、外交官の刑事治外法権を与えた。

 しかし、マタス先生は言う、「彼らの治外法権は決して職責過程外の行為に及ぼすことはできない。」マタス先生は更に説明し、国際法の根本的な特性、群体絶滅を扇動し、憎しみを煽り、反人類罪を挑発する行為は永遠に外交行政と官吏者の職権外の行為だ。“外交関係ウィーン条約”加盟国は国際刑法以外の治外法権を外交機構の官吏に提供することはできない。

 マタス先生は例を挙げて言う、ピノチェットの訴訟事件の中で、イギリス議会上院兼最高裁判所のボランニーウィルチンが、「強大な法律的拠り所があると思って、国際公約の中で禁止されている残虐な体刑を実施することは決して国家の機能ではない。」と語った。

 治外法権は実に絶対的でなく、マタス先生は、「存在する治外法権は輸送国治外法権で、しかもこの国は取り消すことができる。輸送国はその外交官の治外法権を取り消すことができるため、受け入れ国も治外法権を取り消すことを求めることができる。被害者も受け入れ国へ輸送国に送り込む治外法権を取り消すことを求めることができる。」と言った。同時に、マタス先生は、治外法権は地区性で、全世界性ではないと語った。

 (続く)


 (中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2004/7/9/78963.html