日本明慧 |
|
【明慧ネット2004年8月1日】(明慧ネット・トロント駐在の林浄記者による報道)2004年7月14日、カナダ・オンタリオ高等裁判所は、中国銀行に対し、駐トロント副領事である潘新春氏の資産を差し押さえるよう発令した。2004年2月、オンタリオ高等裁判所は、潘新春氏に対して、カナダの法輪功学習者ジェエル・チプカさんへの名誉毀損により、損害賠償をするよう判決を下した。しかし、潘氏は外交官であることを理由に、裁判所の判決を無視した。その為、裁判所は上述の措置をとったものである。 中国政府は外交的手段を用いて、この判決を阻止するようカナダ政府に圧力をかけたが、失敗に終わった 2004年2月3日、オンタリオ高等裁判所が潘氏への名誉毀損罪の判決を下した後、中国政府は、弁護士に対し書簡を提出するよう要請した。その文中、潘氏が数回に渡り、トロント星報で発表した手紙は、中国政府の法輪功に対する立場を表明する命令を受けて行った行為であると主張し、従って潘氏は外交特権を有するべきであるとした。そして、判決を覆すための動議案を推進するといった必要な措置を執ると述べた。 また、中国政府はカナダの外務省と通産省に圧力をかけ、外交と貿易の手段を使いこの案件に影響を与えるようし向けた。カナダ政府に介入を要求し、さもなければ、両国関係に深刻な影響をもたらすと脅かした。 ジェエル・チプカさんの弁護士は、潘氏の行為は法律に違反しており、外交特権を有しない。もし相手方が、判決を覆す様な動議案を推進するならば、チプカさんは、この動議案にも反対するであろうと回答した。 その後、中国政府とカナダ外務省と通産省は、数回に渡り交渉をした結果、カナダ外務省は、政府はこの事件に介入しないという表明をした。そして、過去2年間、中国駐カナダ大使館に、カナダ内政に干渉することは、受け入れることが出来ないと、度々注意している経緯があると言及した。 外交交渉が失敗に終わった後に、潘氏は判決を無視し、法廷の実行命令を拒絶することを決めた。その為、オンタリオ高等裁判所は、2004年7月14日、潘氏に対し資産差し押さえ通知を発令した。同日、チプカさんの所属弁護士ピーター・ダウナード氏は、中国銀行トロント支店の潘氏の銀行口座の凍結を行った。 この案件は、カナダ政府内においても高い注目を集めた。本件以前に、駐カナダ外交官を起訴するという案件はなかったのである。外務省のスポークスマンは、メディアからの多量な問合わせを受けている。一部の国会議員の事務所は、直接チプカさんに電話を掛け、この案件に関するより多くの情報を求めた。 つい最近、チプカさんは、カナダの法輪大法学会を代表して、オンタリオ総検察長に手紙を渡し、オンタリオ裁判所と政府に、中国駐トロント総領事館による憎しみを拡散させる行為、特に領事館のビザ取扱い窓口の掲示板などに対し、調査を行うよう要望した。チプカさんは、「中国の海外駐在の代表は、カナダで継続的に憎しみをまき散らしている。外交特権を理由にして、カナダの法律に反し、カナダ市民を攻撃してならない」と述べた。 裁判所の命令は、カナダで法輪功を“X教”とすることは、カナダの法律に違反することであると、明確に指摘したものである。また、チプカさんは、「今回、潘氏が再度裁判所の命令を無視したならば、外務省に彼を国外退去とするよう求める」と表明した。 * カナダの主要メディアは、この判決令を広く報道した 裁判所が判決を下した後、カナダの各主流メディアは、このニュースを大きく報道した。 カナダの最も影響力のある新聞であるグローブ&メイル紙は、トロントのニュースの一面で報道し、チプカさんが、中国駐トロント総領事館前で、煉功している写真も添付した。その写真には、法輪功の学習者らが、領事館の前に立てたパネルをはっきりと確認することができ、「法輪功学習者は“真・善・忍”を信仰しています。私たちが領事館の前で平和的請願を行うのは、中国国内で迫害に遭っている学習者達を救援するとともに、中国政府がばら撒いている憎しみを停止させるためです。中国国内で私たちの親族は殺害及び酷刑の虐待に遭っており、私たちは虚言に傷つけられています。領事館内の憎しみを宣伝する掲示板は、カナダの法律に違反しています。中国領事館に憎しみをまくことを停止するよう呼びかけています」と書かれているのが読みとれる。 また、中国政府はカナダ政府にこの案件に介入し、中国外交官が外交特権を有することを明らかにすることを求め、さもなければ両国関係を損なうと圧力を掛けたが、カナダの外務省と通産省は、本件に介入しないという表明をしたと記述されている。 原告側弁護士によると、原告が潘氏の出廷と資産に関する審査を行うよう法廷に求めた、というコメントが記されている。 VOAは、カナダ外務省のスポークスマンであるムーア氏が、水曜日にカナダの法律を守ることは、中国外交官の職責であると発言したことを報道した。ムーア氏は、「ウィーン外交公約の第5第55条による領事館員の規定によると、全ての領事館員は、必ず所在国家の法律を尊重しなければならず、更に所在国家の内政に干渉することは出来ない」と述べた。 この他に、カナダ通信社、モントリオール特報と言った主要な中国語メディアも皆この案件を報道した。 先日、全国紙であるナショナル・ポスト紙は一面を使って、中国政府がカナダで法輪功に対する憎しみを散布する宣伝を行っていること、についての報道をした。そして、カナダ政府は、このような行為を制止させることに対し、十分な措置を執っていないと懸念を表した。 中国政府(江沢民政権)が、海外で法輪功に対する憎しみを散布する宣伝行為は、カナダ社会において、更に多くの関心と注目を集めることとなった。 (中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2004/8/1/80769.html) |