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“秘密工作員”の年収は、農村の40人分の年収に値する


 【明慧ネット2004年8月13日】私は、河南省北部に位置する県の農村部における中学校の教師をしています。偶然にも、私たちの県に、一つの特殊な組織が存在することを知りました。その組織のメンバーは、北京に常住しており、唯一の任務は、私たちの県から、北京へ陳情に行く人を阻止することです。彼らは、国への投書窓口及び陳情局の入り口の側に立ち、全国各地から陳情に来た人の群れの中から、私たちの県から来た人を見つけ出しては、騙したり、脅したりして、陳情を阻止し、家へと送り返します。私たちの県から、北京に常住しているこのような人は、5人いるとのことです。このような特殊な任務により、自らの仕事が、他人に知られることを恐れているようです。人々は、これらの人を、現代の「秘密工作員」と呼称しています。

 秘密工作を行うのですから、彼らの給料は決して低くはありません。本給以外に、毎日100〜120元の手当が与えられ、年収は5万元前後になります。私は大学を卒業し、中学校の教師となり、まもなく8年目を迎えます。4クラス200名余りの生徒を教えていますが、工作員一人の年収は、私の年収のほぼ5倍にあたります。北京に常住している工作員5名の年収の合計は、私が勤務している学校の、全教員の年収の合計に相当します。私たちの県の農村部に於ける平均年収は、1,000元程度であり、工作員一人の年収は、農村部の40人分もの年収に相当するのです。

 私たちの県では、毎年多くの人が、北京へ陳情に行っていたのですが、ここ数年陳情した人は、誰もいません。昨年は、国への投書窓口及び陳情局の入り口だけで、数10人もの人が、阻止されました。政府が発表した統計によると、ここ数年間連続で、私たちの県は「陳情なし」ということになっています。これは、これら工作員の「工作実績」の現れともいえます。

 陳情に行く人々は、かなりの労力を使い、やっとのことで北京までたどり着いて、自分らに対する不当な扱いを、何とかして訴えようとしたのです。にもかかわらず、北京に着いて、一言も言わないうちに、送り返されてしまうのです。家に帰れば、県に登録され、重点的に監視されることになります。しかも、県の各幹部から、様々な干渉や要求をも受けるようになるのです。心中の無念を訴えることも、二度とは出来ないのです。

 これらの工作員は、「県のイメージを守る」こと、「局面を安定させる」ことを理由に掲げ、民衆が心血を注いで稼いだお金を費やし、不当な扱いへの訴えをさせない、という行為を働いています。一握りでも良心があるのでしょうか。このような秘密工作員は、いつになったら、なくなるのでしょうか。(「看中国」より転載)

(中国語:http://www.minghui.ca/mh/articles/2004/8/13/81640.html