中国違憲審査の試金石〜いかに法輪功に対処するか
法輪功学習者
【明慧ネット2004年12月9日】最近の大陸からのニュースによると、2004年12月1日、全国人民代表大会常務委員会において、法制工作委員会の責任者が「中国は違憲審査機構が無く、違憲となる問題が現れた場合、どの機関が対処するのか」という問題を提起し、中国の違憲審査制度についての説明を行った。中国共産党前江沢民政権が制定した、全ての法輪功を迫害する「法的根拠」を取り消すよう、法輪功学習者が違憲審査機構へ申し立てたことについて、法律に基づいて対処し、適切に処理出来るかどうかは、中国の違憲審査確立への試金石となることであろう。
2004年12月1日、人民大会法律工作委員会における違憲審査についての説明では、中国は西側諸国の三権分立制に見られるような違憲審査機構を設けていないと言う。中国憲法の定めによって、憲法監視は人民代表大会と常務委員会が実施することになっている。今年の全国人民代表大会の法律工作委員会では、審査室を設け、規範的文書の合憲性審査を行うことになった。
違憲審査の申請と実施に関して、この責任者は、もし法規が違憲になる、あるいは法律に背くという状況があれば、公民といかなる組織は皆全国人民代表大会常務委員会に提出することができる。また、関連する国家機関も提出することができると述べた。
これにより、中国大陸と海外の法輪功学習者らは、各種の方法によって、再度人民代表大会と常務委員会に、真相を明確に説明し、法輪大法の純粋さ及び素晴らしさを実証し、江沢民政権による法輪功迫害の不法性を暴露することが出来る。全ての国家民政部、公安部、最高人民法院、最高人民検察院、司法部と全ての機関及び団体が、江沢民政権の法輪功迫害政策と命令の下に制定した、全ての違憲、違法な決定、規定、通達、司法解釈、法規、指名手配令、判決、行政命令、それぞれの職務部門が発した行政指導なども含め、違憲審査機関よる審査を行い、取り消すように求めるものである。
中国共産党の前江沢民政権が、法輪功を迫害する「法的根拠」は重大な違憲となる。
中国共産党の江沢民政権は、法輪功を弾圧して以来、この不法な弾圧は、終始「法律に基づく」、「合法的」という名目によって、「法的根拠」とされている。根本的に違憲となる不法な「法的根拠」により、公然と社会を欺き、人民を騙しているだけではなく、国際世論をもかわそうとしている。
法律は人間の行為を規範とし、行為がもたらした後の結果を懲罰するためのものである。法輪功を迫害する運動の中では、法律は適用すべき範囲外にも濫用され、人間が善へと向かおうとする信条の禁止、厳重な処罰に用いられている。法輪功への残酷な弾圧は、本質的に邪悪であり、何ら根拠のないものであることを如実に表している。
弾圧を引き起こした江沢民は、憲法に背き、国家主席の権力をも飛び越え、国家の立法機関を抑え、迫害政策を推進した。法輪功に対しては、先に罪状を申し渡し、その後裁判を行い、全国人民代表大会には、個人の思惑により法律を制定するように強いた。「最高人民法院」と「最高人民検察院」を脅迫しては、司法解釈を拡大し、《刑法》第300条の実施細則を補足制定して、法輪功を弾圧する「法的根拠」とした。弾圧を発動した際も、行政の正常な過程を経ることなく、完全に江沢民個人による独断専行であり、恣意により国家権力を奪うという結果となっている。法輪功を迫害する「法的根拠」の全ては違憲なのである。
民政部の取締令は、弾圧のための粉飾である。
《中華人民共和国憲法》の第35条は、「中華人民共和国の公民は、言論、出版、集会、結社、行進、デモの自由がある」と定義されている。民政部の取締令は、憲法の「結社の自由」という条文に背くものであり、違憲となる。
次に、この取締令は、「すべての法律、行政法規と地方性法規が皆憲法と抵触してはいけない」、「 いかなる組織、あるいは個人は皆憲法と法律を越える特権があってはならない」という憲法第5条にも抵触する。そのため、取締令の公布自体も違憲となるものである。
また、法輪大法研究会は、もともと中国気功科学研究会の1つの分会である。96年、この会は、中国気功科学研究会から脱会した後、既に存在しなくなっている。民政部の取締令は、既に存在しない研究会を取り締まっているものであり、法輪功自身ではないのである。この違憲となる決定を公布することは、迫害者が弾圧のため、外観に「法的根拠」という粉飾を施していることである。
公安部の「六禁止」条例が弾圧の理由となる
以下は公安部の「六禁止」条例である。
1、 いかなる人もいかなる場所で、法輪大法(法輪功)を宣伝する横断幕、ポスター、マークやその他の掲示物を掲げたり、貼ったりしてはいけない。
2、 いかなる人もいかなる場所で、法輪功の書籍と雑誌、音響映像製品とその他の宣伝用印刷物を配ることを禁止する。
3、 いかなる人もいかなる場所で、集団となり「煉功」、「法を広げる」などの法輪功の活動を行うことを禁止する。
4、 座り込み、陳情などの方法を以って、法輪功を保護、宣伝する集会、行進、デモ活動を禁止する。
5、 捏造するあるいは事実を曲げ、故意に虚言を流布、あるいはその他の方式で、社会秩序を扇動し乱すことを禁止する。
6、 いかなる人も、組織、連絡、指揮などをして、政府が決定した関連活動に対抗することを禁止する。
この「六禁止」から容易に分かることであるが、公安システム全体のみならず、社会全体に通告するものであり、法輪大法の全ての合法的な権利を奪うためのものとも言える。
「六禁止」は、公然と違憲となるものであり、信仰の自由、言論、出版、集会、結社、行進、デモといった権利のみならず、政府を批判するという公民の権利をも剥奪している。このような違憲条例が公然と発布され、信仰への迫害の「法的根拠」として用いられ、正に「中国共産党江沢民氏による法治」の生々しい描写と言える。
「六禁止」は《憲法》第5条、第33条、第35条、第36条に背き、《憲法》第41条にも背いた。それはまた、中華人民共和国・国務院の《投書・陳情条例》の第八条、「投書・陳情人は下記の投書・陳情する事項に対して、関連行政機関に提出することができる。(1)行政機関と従業員に対する批判、提案と要求。(2)行政機構の従業員が法律に反した場合、職務上の過失行為への告発または摘発。(3)個人の合法的権益を侵害する行為への告訴」に背いている。
「最高人民法院」と「最高人民検察院」と「人民代表大会」が、弾圧のために「立法」し、「合法的」という衣を被せる
中国《刑法》における「国家転覆罪」は、国際社会との融合という名の下に一旦消滅したが、異なる見解、危険な思想及び信条と見なされた人を、制圧、処罰するための法律上の問題が出現した。中国共産党前江沢民政権は、既に開始している弾圧への「法的根拠」を求め、人民代表大会の常務委員、「最高人民法院」と「最高人民検察院」へ圧力を加え、《刑法》第300条の実施細則を制定させた。
弾圧開始の3ヶ月後の99年10月、江沢民はフランス《フィガロ誌》の記者の取材を受けた際、初めて「法輪功は×教に他ならない」と放言した。10月26日、中国の各大手新聞の一面では、「法輪功は×教に他ならない」と題して、江沢民の演説を発表した。10月27日、新華社は、同様な見出しで、《人民日報》論説員の文章を発表した。長文を持って、法輪功を攻撃し、江沢民の「×教」論のための証拠を提供した。
3日後の99年10月30日、全国人民代表大会の常務委員会は、《邪教組織を取締り、邪教活動を防犯し、処罰することに関する決定》を通達した。
江沢民は、《憲法》第80条、81条の国家主席の権限に関する条文に背いており、法輪功に罪を着せた後の人民代表大会における立法は、「違憲」であることに疑う余地もない。それは違憲している「独裁者」のために捻り出した、虐殺を「合法化」し、国内を欺き、国際社会に対する茶番に過ぎない。
しかも、人民代表大会における決定にしても、「最高人民法院」と「最高人民検察院」の司法解釈自体にしても、全く「法輪功」の三文字には触れていない。従って、法輪功に対する根本的な法的意義を備えてはいないものである。
法律に基づいて違憲審査を行い、全ての違憲、違法な迫害「根拠」の取り消しを求める
今回の弾圧の「法的根拠」と実施過程は、全てが違憲であり、法に反したもので、踏みにじった法律法規は枚挙にいとま無く、もたらした巨大な災難は、計り知れないものである。法輪功に対する迫害は、少なくとも以下の中国現行法に背いている:《憲法》、《刑法》、《刑事訴訟法》、《行政処罰法》、《行政再議法》、《未成年者保護法》、《女性権益保護法》、《教育法》、《民法》、《民事訴訟法》、《労動法》、《国籍法》、《著作権法》、《裁判官法》、《検察官法》、《人民警察法》、《刑務所法》、《デモ法》、《犯罪者への労働による思想改造試行方法》、《投書・陳情条例》、《中華人民共和国人民警察は警官の装備と武器使用条例》、《出版管理条例》、《ラジオ・テレビ管理条例》など。
いかなる個人、国家機関の責任者を含め、事物事象を認定するためには、明文化された合法的手順に従い、導かれた結論が、はじめて有効とみなされる。個人的見解を、国家的機関あるいは国民へと強いることは、法律を破壊し、法治を攪乱し、政治を乱す行為となる。これらは、全て制止是正されるべきであり、重大な罪を犯した者は、法により裁かれるべきである。
法輪功学習者が提出した、全ての法輪功迫害の「法的根拠」を取り消すための違憲審査申し立てを、法律に基づいて、適切に対処することが、出来るかどうかということは、中国の違憲審査制度確立への試金石となることであろう。
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2004/12/9/91040.html)
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