割り込み放送事件から見えた善と悪
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文/鐘延

 明慧日本2012年1月1日)北京衛星テレビが法輪功の真相のドキュメンタリーに割り込まれた。中国政府のメディアはアジア衛星有限会社の声明を発表し、衛星中継器が“悪意に妨害された”と評した。筆者は、このように善悪を転倒する評論が、引き続き迫害の真実を隠し、民衆を愚弄する悪者の真実に対する恐怖感が現れていると思っている。 

 善悪は、道徳の基準に基づいて評価されるべきである。言論と行為の善と悪は歴史と現実の検証を経た人類の普遍的な価値観から考えれば、そう見分けにくいものではない。

 2003年12月、ルワンダの特別国際法廷は1994年の大虐殺の中でメディアを利用して憎しみを宣伝し、攻撃対象の相手を中傷した三人の犯罪者を審判した結果、二人は無期懲役、一人は35年の懲役を言い渡された。

 ルワンダ国際特別刑事法廷の法規の第二条の“群体絶滅罪(集団虐殺)”の第3項(c)によれば、“懲罰されるべき行為として”、直接、公然と憎しみを扇動して群体絶滅を行う行為が含まれている( “Direct and public incitement to commit genocide” http://www.ictr.org/ENGLISH/basicdocs/statute.html)。ルワンダの特別法廷に提出されたルワンダラジオ放送局の憎しみを扇動する証拠と対照してみれば、五年来、中国共産党江氏集団の制御下の政府メディアが法輪功に対して行った憎しみを扇動する宣伝は、規模から形式まで、驚くほど多くの相似点がある。例えば、メディアは政府部門や司法界の官吏の演説を報道して、公衆に法輪功に対する憎しみと恐れを巻き起こして、そして全国民に呼びかけて法輪功学習者の“転向”と法輪功を根絶することに参加させる;メディアは意図的に法輪功を攻撃する“座談会”や“交流会”を組織する(http://ictr.org/ENGLISH/cases/Bizimana/indictment/govI.pdf (page 10));そのほかに、江氏集団はメディアを利用して嘘をでっち上げて、法輪功に濡れ衣を着せる。最も典型的な例は、いわゆる“天安門広場の焼身自殺”の事件である。様々な証拠から“焼身自殺”事件は、江氏集団が一手に監督演出したでっち上げの事件だと表明した。

 一人の中国の官吏は『ワシントン・ポスト』に次のようなことを漏らした:“初期の弾圧はうまくいかなかった。2001年になって、やっと「有効な方法」を形成した。この有効な方法とは、三つの内容を含んでいる:つまり暴力、高圧の宣伝と洗脳である。”法輪功迫害追跡調査国際組織の調査結果によると、1999年7月20日に、江氏集団が法輪功の弾圧を始めてから、政府の新聞『人民日報』は初めの一ヶ月で法輪功を誹謗中傷する347篇の文章を発表した。中央テレビ局も積極的に弾圧に協力して、法輪功を誹謗する番組をたくさん作り、2002年4月25日〜2003年末までの2年足らずのうちに、「焦点訪談」、「ニュース番組」、「科学技術チャンネル」、「法律論説週刊」、「中国外交のフォーラム」、「テレビ批判」、「中国ネットメディアフォーラム」、「生活チャンネル」などで332項もの法輪功を誹謗する番組を放送した。これらの番組はさらに地方のメディアに広範囲に中継された。また、2000年1月〜2003年10月まで、新華ネットは522篇もの法輪功を誹謗する文章を載せた。これらの文章はさらに国内外のその他のウェブサイトに広範囲に転載された。言うまでもなく、これらの報道は、すべて政府メディアの犯罪証拠である。

 つい最近、大紀元新聞社の記者は一人の中国宣伝管理部門の官吏を取材した時、この官吏は政府メディアの浸透方法について言及し、次のように語った:“中国共産党中央宣伝部が発行している党の機関紙は『人民日報』、『経済日刊新聞』、『求是』である。中央はこの三つの党機関紙を各省に押し付け、各省は更に各省の機関紙を加えて各市に押し付け、各市は更に各市の機関紙を加えて各県に押し付けて、購読させる。表面的には自由な購読だと言うが、実際は購読しなければいけない任務である。普通の一つの郷鎮(町村)に10万部の購読任務である。これは農民にとって非常に重い負担である。”“私達はイデオロギーの領域の問題を主管しており、中に法輪功を批判することを含んでいる。” 

 このことから、五年来、江氏集団が法輪功の迫害に使った高圧な宣伝、浸透方法について少し認識することができる。 

 悪と言えば、「天安門焼身自殺」事件のような、放火、殺人を行った後、他人に罪を被せる犯罪より凶悪なものがあるだろうか?全社会を扇動して犯罪に参加させることよりも悪いものがあるだろうか?人間の善良な一面を利用して、長期に民衆を騙して愚弄することより悪いことがあるだろうか?このような極悪非道なことを、江氏集団と江氏集団が制御したメディアはやり遂げたのである。

 振り返って割り込み放送のことを考えてみよう。これは法輪功学習者の行動にしろ、或は他の正義感がある勇士の行動にしろ、何れも江氏集団の犯罪を積極的に暴露する行為である。結果的に、政府メディアの誹謗宣伝によって人々の頭に注ぎ込まれた憎しみと悪念を取り除くことができた。五年余りの反迫害の中で、法輪功学習者の初志は少しも変わっていない。それは即ち迫害を制止して、犯罪の元凶に法律の裁きを受けさせ、真相を分からずに迫害に参与する人々に真相を伝え、犯罪をやめて損失を挽回するように呼びかけてきた。法輪功学習者は自ら巨大な苦難と圧力に耐えながら、個人の損得にこだわらず、命の危険を冒して真相を伝えて、世の人々にすばらしい未来が得られるように努力している。もし個人の偏見を持たずに、割り込み放送事件の実体を見てみれば、善悪の判断は既にはっきりしている。

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2004/11/24/89872.html)
(English: http://www.clearwisdom.net/emh/articles/2004/11/30/55081.html)     更新日:2012年1月1日
 
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