日本明慧


全国オリンピックで特等賞を受賞した瞿延来さんの母親は息子のために提訴(二)

 【明慧ネット2004年8月16日】

 以下はこの悲惨な事件の経過である。

 2002年9月30日深夜、瞿延来は上海市桃浦派出所に不法に連行され、10月2日、上海市公安局普陀支局に刑事拘留された。私達(両親)はいかなる知らせも受けていなかった。11月2日、逮捕されたが、その時も知らされなかった。2003年6月のある日、普陀区人民裁判所は「瞿延来がX教を利用して法律の実施を妨害した」と公に開廷して審理したが、私達はやはり知らされず、出廷して傍聴することはできなかった。この間、延来の音信はまったく無かったため、私達は焦って、夜通し眠れず、10万元近くのお金をかけて行方を探し回ったが、依然として分からなかった。

 2003年7月2日やっと上海市普陀区人民裁判所の判決文を受け取った。延来が不法に5年の有期懲役に処せられたことをやっと知った。しかし、今どこにいるのか知らせはなく、延来に会いたいため、私は2003年8月、酷暑を冒し上海に行き、普陀区人民裁判所に電話をかけ行方を聞いた。裁判官の唐敏は「あんたは大胆不敵ですね、まあ、なんと電話をかけてきたの? 監視してやる、逮捕してやる、息子はもう家に帰った!」と横暴に言った。本当に驚いた。自ら経験しなければ、本当に信じることはできなかった。法律を執行する人が、誰を監視し誰を逮捕するなどと、気軽に言うとは! 誰が彼女にこのような権力を与えたのか! 電話で駄目だったので、私は裁判所に尋ねに行った。唐敏は 「普陀区留置場にいる、もう聞きに来ないで!」と 非常にいやな顔をしながら言った。私はまた普陀区留置場へ探しに行った。警官は「青浦刑務所にいる」と答えたため、私はまたタクシーで青浦刑務所に向かった。昼休みあけまで待ったが、守衛から「調査したところ該当者はいない」と返事があった。

 私はまた普陀区留置場に電話をかけたところ、留置場側からまだ「青浦にいるはず!」との返事であった。私はたちまち絶望状態になった! 延来は結局どこにいるのか! どうして裁判所、留置場の人はみな行方を隠すのか? どうして家族に行方を知らせないのか? この中に何の企みがあるのか? 母親として、心痛のあまり、涙さえ出なかった。延来が不法にも逮捕され、刑罰を下されたが、母親としてはその行方を知る権利さえ剥奪された。「人民の司法官」、「人民の警察」はまた私を・・・東北から来た60歳近くのおばあさんをあちこちに引き回し、どこへ息子を探しに行けば良いのか?

 しかたなく私はまた上海市普陀区に帰って、最後の一縷の望みを抱きながら、再び普陀区人民裁判所に電話をかけた。今度は裁判長徐佳齊が電話に出て、「提藍橋刑務所にいる」と教えられた。私はまた提藍橋刑務所に駆けつけた。一年も経って、さんざんな苦しみをしばしば経験して、私達母子はやっと顔を合わせることができた。お互いに抱き合って大声で泣いた。隣にいた警官さえ感動して涙を流していた。

 その時、延来は自分の修煉と人権を守るため、ずっと断食をしていたが、野蛮にも食物注入されていることを始めて知った。留置場にいた時、延来は警官に4階から1階まで引き摺られ、また1階から4階まで引き摺られ、コンクリートの床で円を書くよう引っ張り回された。体が極度に衰弱した状態にもかかわらず何度もめった打ちにされた(それは警官、それとも他の囚人がしたのか調査して欲しい!)。普陀区留置場に不法監禁された時、延来は強引に食物注入されたため、重篤な胃出血があり4ヶ月も入院した。今までですでに4回も同じ症状で入院したことがあり、最初から3回は家族に通知されなかった。4回目はやっと知らせは来たが、手紙を書いて食事を勧めさせることであった。もともと身長180㎝、体重70㎏でたくましかった若者は、迫害によりベッドに寝たきりになっており、時に車椅子に座るしかできず、生活もまったく自立できなくなった。誰が見ても心が痛く悲しくなってくる。

 今年の春、提藍橋刑務所5大隊の劉隊長が電話を掛けてきて、延来に4回目の胃出血があり、病状がきわめて重いため、頻回に手紙を書き、彼に食事をするように勧めて欲しいと言った。しかし、私が2004年6月29日に書いた手紙は理不尽にも没収されてしまった。私達は重病のための一時出所を求めたが、刑務所側は延来の胃出血は自分の断食によるもので、一時出所を取り計らうことはできないと主張した。それでは、私達は聞きたいのだが、誰が延来に断食させたのか? また誰が不法に延来の合法的な権利・・・修煉の自由と人権を剥奪したのか? 逮捕され、刑罰を下される前は、健康的に28年を過ごしたが、断食をしたことはない。現在、延来はすでに690数日間断食をしてきた(人類の歴史上でかつてない)。

 今年5月20日、父親が延来に会いに行き、食事をするように勧めた。延来は食事をすることを決め、そして煉功をして健康を回復したいと思った。しかし、欧大隊長は延來が煉功をすることは、法律を侵す(法律のどの条項を侵すのか分からない)ことだと言って阻止した。延来は自分の合法的な権利を侵害されないために、また引き続き断食を始めた。延来は人間としての権利をすべて剥奪された情況の下で、断食という「正当防衛」を採ったのは、自分の人間としての尊厳を守るためであり、自分の修煉を守るためである;彼は生命の極限を超えた苦痛に耐え、騙された人々を呼び覚まし、人々に「真・善・忍」は無実であると教えている! 彼は貴い生命で以って、国家が憲法を踏みにじり、信仰と人権に対して迫害するのを停止させようとしているのである。

 母親としては、私は常に延来の生命の安全を心配し、寝ることも食べることもできない状態である。一分一秒でも延來への思いで胸がいっぱいである。感情から無罪であることを確信するだけではなく、法律上からも無罪であることを確信している。

1延来が「真・善・忍」を修煉するのは、《憲法》第36条(訳者注:《憲法》第36条:中華人民共和国公民は、宗教を信仰する自由を有する。いかなる国家機関、社会団体または個人であっても、公民に宗教を信仰すること、または宗教を信仰しないことを強制してはならず、宗教を信仰する公民と宗教を信仰しない公民を差別してはならない。)により保護されている。法輪功は延來に全く新しい人生観を与え、心身ともに健康になり、道徳心も高く、完全に他人のためを考える人間にさせた。これに何の罪があるのか?

2、「上海市普陀区人民裁判所(2003)普刑初字第324号」の判決文の中に、延来は陳明亮さんにより、明慧ネットからダウンロードされた法輪功関係の資料を編集したため、5年の刑罰を下されたと書かれていた。私は延来の行為は《憲法》第35条(訳者注:《憲法》第35条:中華人民共和国公民は、言論、出版、集会、結社、行進、デモの自由を有する。)により保護されていると思っている。判決文の中に挙げられた証拠は、皆証明する力を持たないもので、延来が《憲法》の与える合法的な権利を行使する範囲内のものだと考えている。

 99年7月20日以来、法輪功が弾圧され、人々の視聴の権利が剥奪され、テレビと新聞が法輪功を極めて中傷した情況の下で、法輪功学習者が広範囲に人々に善意で事実を伝えることは、憲法の規定に従っての行為であり、「正当防衛」と見なされるものだと考えている。このような「防衛」の表れは善であり、無私である。ただいろんな方法で真相をはっきりと説明するだけであり、いかなる人をも傷つけることはなく、却ってごまかされた世間の人々に、この信仰と人権に対する迫害をはっきり認識させ、人の良知を呼び覚ますことができ、これに何の罪があるのか?」。

3、延来は断食を以って、この修煉への迫害と人権蹂躙に対して抗議し、排斥し、制止することは、客観的に《憲法》の尊厳を守ることであり、何の罪があるのか? 彼の今現在の健康状態、生命の安否は、まさか関連した部門と責任者の関心をまだ引き起こすことはできないというのか? 人命は最も尊く、おろそかにできないものである!

4、法輪功は邪教ではない、瞿延来が法輪功を修煉することには何の罪も無い!

 中国の《刑法》第3条に「法律の明文規定により犯罪行為とみなされるものは、法律に従って罪や刑罰を定め、法律の明文規定により犯罪行為とみなされないものは、罪や刑罰を定めてはならない。」と明確に定めている。今日に至っても、全国人民代表大会とその常務委員会は、法輪功修煉者の処罰に関する法律を制定したことはなく、ただ1999年10月30日、《邪教組織の取り締まり、ならび邪教活動に対する防備と処罰に関する決定》を制定したのみである。この《決定》の規定は、形式から見ると、立法機関の立法行為ではあるが、内容から見ると、ただ「邪教」の認定と処罰に関することだけであり、「法輪功」あるいは「法輪大法」が邪教であるという認定、規定はなされていないし、法輪功修煉者に対する処罰内容も規定されていない。また、中国の《刑法》第300条では次のように規定されている。「民間信仰組織や邪教組織を組織、利用して、あるいは迷信を利用して、国家の法律や行政法規を侵した場合、3年以上、7年以下の有期懲役に処することとし;重罪である場合は、7年以上の有期懲役に処する」。この規定の中にも、法輪功修煉者に対して刑を科することに関する内容はない。上記の2つの規定の中で「邪教」の概念に触れられているが、いずれも「邪教」に対する認定と処罰である。しかし、邪教とは何であるのか? どんな基準を以って邪教と認定するのか? どんな機関がある種の社会組織または民衆の行為を邪教と認定するのか? どんな法定手続きによって認定するのか?

 全国人民代表大会は、中国の最高権力機関であり、《憲法》に基づいて立法権を行使する、つまり法律を制定、改正、廃止する権利を有する。しかし、今日に至るまで、全国人民代表大会とその常務委員会は法定手続きに基づいて法輪功を邪教であると認定、規定したことはない。ということは、法律の意義からして、法輪功は邪教ではない。そのため、延来に対する逮捕、罪と刑罰を言い渡すことは、いかなる法律的な拠り所もないものである。それでは桃浦派出所、上海市公安局普陀区支局、普陀区留置場、普陀区人民検察院、普陀区人民裁判所、提藍橋刑務所および関連した人々は、延来に対するすべての行為が憲法に違反したものであり、法律に従い法的責任を負わなければならない。

5、延来に対する逮捕、裁判、拘置の過程の中で、国家の法律執行機関としての派出所、留置場、裁判所、検察院、刑務所などは、皆、国の《刑事訴訟法》に定めた法定手続きに違反し、国家が制定した法律を空文化させてしまったのである。

 私達は中華人民共和国の合法的な公民であり、《憲法》第41条(訳者注:《憲法》第41条:中華人民共和国公民は、いかなる国家機関ならびに国家公務員に対しても、批判及び提案を行なう権利を有し、いかなる国家機関並びに国家公務員の違法または失職行為に対しても、関係国家機関に提訴、起訴または告発する権利を有する。国家機関並びに国家公務員によって権利を侵犯され、損失を被った公民は、法律の定めるところに従って補償を受ける権利を有する。)に基づき申立を提出した。そして延来に対する判決を直ちに撤回し、無罪放免し、公に名誉を回復し、法律に従って経済的な損失を弁償し、また、法律に従い関連した部門と個人の法的責任を追及し、この冤罪事件の責任を全うさせることを厳正に求める。

以上

最高人民裁判所
最高人民検察院
上海市人民検察院
上海市第2中級人民裁判所
上海市普陀区人民裁判所
上海市普陀区人民検察院

申立人:趙栄傑 
2004年8月10日


(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2004/8/16/81892.html