日本明慧


年越しの三つの宝物

 陸南が記録を整理

 【明慧ネット2005年2月8日】伝説によると、中国の大昔に“年”という怪物がいて、頭には長い触角がついており、とても狂暴な獣でした。“年”は年中深い海の底に住んでおり、年越しの際に岸に上ってきて、家畜を丸飲みしたり、人々を襲ったりするのです。そのため、毎年除夜になると、村の人々は年寄りと子供を連れて山奥に逃げて、“年”の被害を避けていました。

 今年の除夜も、桃花村の人々がお年寄りと子供を連れて山に避難しようとしている時に、他所から1人の行脚の和尚がやって来ました。彼は手に杖を持ち、腕には袋を掛け、髭は銀色で飄々としており、目は星のようにキラキラしていました。

 村の人々は窓を封じたり、ドアに鍵を掛けたり、荷物を詰めたり、牛をひいたり羊を追ったりしていて、至る所で人の叫び声や馬の啼き声がして慌ただしい恐怖の雰囲気でした。こん時、誰でも和尚の面倒を見てあげる余裕が有る筈はありませんでしたが、村の東に住んでいるあるお婆さんはさすがに和尚に食べ物を少しあげてから、すぐ山に逃げて“年”の被害を避けるように勧めたのです。しかし、和尚は髭を撫でながらニコニコしていました。「おばさん、私を一晩だけ家に泊めてくれたら、私はきっと“年”を追い払ってあげますよ」と言うのです。そこで、おばあさんが吃驚して良く見て見ると、和尚は真っ白い髪で若い顔をしており、元気がよくて、到底普通の人には見えませんでしたが、やはり彼に逃げるよう説得しました。和尚は何も言わずに笑っていました。おばさんはそれ以上無理だと思い、家を放って山へ避難したのです。

 夜中に“年”が村に飛び込んできましたが、村の雰囲気がいつもと違うのに気付きました。村の東にあるおばさんの家の正門には赤い紙が貼ってあり、部屋の中には唯一明かりがついていました。“年”は驚いて震えながら叫びました。

 “年”はおばさんの家をじっと見てから、気が狂ったように叫びながら飛びかかってきました。入り口の所まで来た時に、突然庭から「パンパン」という爆発音が聞こえてきました。その音で“年”は全身が震え、前に進む勇気を失いました。実は“年”は赤色や火の光や爆発を怖がっていたのです。この時、おばさんの家の正門は大いに開いており、庭の中には赤色の長い服を着ている和尚がけらけらと大笑いをしていました。“年”は怯えて真っ青になって逃げてしまったのです。

 翌日の旧正月になると人々が避難先から帰って来ました。彼らは村が何の被害も受けていないことに気付き、とても不思議に思いました。その時、おばあさんはやっと悟って、慌てて村の人々に和尚のことを伝えたのです。村の人々がお婆さんの家に行って見ると、正門には赤色紙が貼ってあり、庭の中には燃え残りの竹がまだ「パンパン」と爆発しており、部屋の中には数本の赤い蝋燭に火がついていました。

 喜んだ村の人々は次々と新しい服と新しい帽子で親友の家にお祝いに行きました。この事は直ちに隣の村まで広がり、人々はやっと“年”を追い払う方法を知るようになったのです。それから、毎年除夜になると、皆は赤色の対聯を貼り、爆竹を鳴らし、蝋燭をつけて年越しをし、旧正月の元旦の明け方からは、親友の家にお祝いに行く風習になったのです。

 この風習は広く伝わり、中国民間の最も賑やかで伝統的な祝日となったのです。

(中国語:http://www.minghui.ca/mh/articles/2005/2/8/95054.html