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江沢民訴訟案は米国最高裁判所へ 迫害の暴露に重大意義(写真)(一)
——江沢民訴訟案担当の弁護士テリー・マーシュ博士を独占インタビュー

 【明慧ネット2005年3月5日】(明慧記者李智、程書より報道) テリー・マーシュ(Terri Marsh)さんはユダヤ人の家庭に生まれました。彼女の両親はナチスの「大虐殺」時代を経験したこともあります。彼女は際立って優れた大学教授でした。1989年の天安門での六・四事件がきっかけで、迫害された無辜の人々を助けるために彼女は改めて法律の勉強を始めました。彼女は現在、米国ワシントンDCで弁護士として活躍しています。

 2002年、テリー・マーシュさんは米国法輪功(ファールゥンゴン)学習者から前中国共産党総書記江沢民に対する訴訟案件を受け取りました。今年の2月中旬にテリー・マーシュ博士は江沢民に対する起訴書類を米国最高裁判所へ提出しました。江沢民が米国で初めて起訴を受けてから、世界各地の法輪功学習者が次々とベルギー、スペイン、オーストラリア、韓国、台湾などの各国において江沢民を告訴しました。

                      テリー・マーシュ弁護士

 テリー・マーシュさんは明慧記者のインタビューの中で、米国法輪功学習者が江沢民を起訴したことの過程及び進展、また米国の司法制度についての詳細を話しました。マーシュさんは中国共産党がかけた圧力は米国政府及び司法部に影響を及ぼしていると話しました。テリー・マーシュさんは当案件に対して原告側に有利な判決を下すことが米国の最も基本的利益及び立国の基に相応しいことであると話しました。下記は、明慧記者がテリー・マーシュ弁護士を独占インタビューした内容です。

 記者: 江沢民を起訴する案件の過程、また進展状況についてお話しください。

 テリー・マーシュさん: 2002年10月に江沢民が米国を訪問した際、米国法輪功学習者は彼に対して告訴を行いました。我々は5回にわたって召喚状を江沢民の護衛に手渡しました。同年12月、我々は司法部から江沢民は国家元首として免除特権があると言う外交上の理由で当案件を取り消すようにとの回答を受けました。2003年4月、我々は80ページに及ぶ反駁する陳述書を提出し、米国の法律及び国際法に基づき、江沢民は前国家元首であって、現在は国家元首としての免除特権は享有しないことを述べました。しかし地方裁判所は、第二、第四、第五、第九の巡回法廷で下された“前国家元首は現任長官と同等の保護地位及び免除特権を有しない”判決を無視し、当案件を取り消しました。地方裁判所は前国家元首が行った個人行為に関して、免除特権を享有できないことを認めました。しかし、拷問及び集団殺害は政府の合法的権限を越える行為として認めるべき、本質上個人行為として扱うべき、特別の免除はあってはならない事実を見直さなければなりません。上述の事実及び地方裁判所が下した判決についての誤りに基づき、我々は米国第七の巡回法廷に対して提訴しました。

 2004年5月、我々は第七の巡回法廷で口頭弁論を行いました。しかし、巡回法廷はまるで我々がある現任の国家元首に対して訴訟を起こしているように見ていて、我々の訴状及び口頭弁論で述べた法律的論証を無視しました。江沢民が既に離任していることについて、前国家元首は現任の国家元首と同等の免除特権を享有しないことについて我々が提出した大量の法律事例に対して、法廷側は全く適切に考慮しませんでした。第七の巡回法廷の決定は沢山の事例の判決に相反しています。中には第九、第五の巡回法廷の判決が含まれています。これらの判決は、免除特権は一人の官員の職権範囲を越える極端な行為を行う者に与えるべきではないとして、米国裁判所からは当案件の被告者は非授権で、非政府関係で、あくまでも個人行為としての判決を下しました。行為そのものの不法性は関連国家の国内法律や国際法のどちらに基づいても、特に世の中で認められている正義至上の国際法基準を違反したときに、その行為は不法であることは確かなのです。

 我々は2005年2月7日に米国最高裁判所に対して訴状を提出し、第七の巡回法廷の判決を改め、再度審議するように求めました。3月11日は司法部が当要求に対する回答の締め切り日です。そして、我々が司法部からの回答に対しての反駁提出の締切日は10日後の3月21日となっています。

 最高裁判所は2、3ヵ月の内に当案件を受け入れるか否かの決定を出します。

 当該訴訟案のあとに、世界各地で江沢民に対する告訴がベルギー、スペイン、韓国、台湾を含む多くの国々及び地区で提訴されています。多くの国々の弁護士達が同一人物に対して告訴することは世界で初めてです。これらの人権弁護士は共通の観点を示し、江沢民は有罪であり、江沢民及びその他の如何なる中国政府官員が法輪功を迫害し続ける犯罪行為に対して裁きを受けないことは決してありえないと、はっきりと表明をしました。

 記者: なぜ米国の裁判所で江沢民を起訴することができましたか?

テリー・マーシュさん: 米国国会の参、衆両議院は外国人不法行為賠償法案(ALIEN TORT CLAIM ACT)及び拷問やその他残虐な行為による被害者保護法案(TORTURE VICTIMS PROTECTION ACT)に関して既に法律を制定し、米国にいる弁護士は外国人が海外で起こした集団殺害、拷問及びその他の残虐な行為並びに反人類の罪に対して告訴を認められています。

記者: あなたはなぜ米国最高裁判所へこの訴訟を起こしましたか?

テリー・マーシュさん: 私は数年前に江沢民を告訴することを決めていました。この決定をした時点から、私は当訴訟案に勝つために全てを惜しまずに全霊をかけて取り組むことに決めました。江沢民は拷問の罪、及び集団殺害の罪を起こしています。彼が持っている前国家元首の地位であっても彼は裁きから逃れることはできません。米国では、個々の人間は法律の前で皆平等であり、どんな人でも、どんな高官の地位に就いていても、自分が起こした罪に対して必ず自分で責任を負わなければなりません。江沢民もそうしなければなりません。私は最高裁判所へ当案件を提出したことは、最高裁判所から下に属している全ての裁判所に江沢民の起こした罪に対して確認してもらい、その罪に見合う裁きを下すようにしてほしいためです。

最高裁判所は今までに画期的な判決を下した事例が沢山あります。これらの判例が原動力になって、米国は世界で道徳と良知、正義と勇気を持つリーダー的存在の重要な国家になりました。(例えば、リンダ・ブラウンがトペーカ校に対する訴訟案——Brown v Board of Education ) これらの判例結果が米国はどういう国かをはっきりと表しています。我々のリーダー的役目は全ての所に於ける人権を維持し保護することです。例えば、第二次世界大戦後、ドイツ・ナチスのニュルンベルク審判の中で、米国の裁判官が審判官を担当し、その他の国々と共に審判憲章を起草しました。米国及び他の文明国と共に国連の憲章を起草し、第二次世界大戦に伴った条約の批准をした等のことをしました。

(つづく)

(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2005/3/5/96714.html

(英語:http://www.clearwisdom.net/emh/articles/2005/3/6/58193.html