日本明慧


江沢民訴訟案は米国最高裁判所へ 迫害の暴露に重大意義(二)
——江沢民訴訟案担当の弁護士テリー・マーシュ博士を独占インタビュー

 【明慧ネット2005年3月5日】記者: 当該訴訟案の弁論の中で主な論点は何でしょうか?

 テリー・マーシュさん: 私が当該訴訟案の中で述べる主な論点は、一つに、現任国家元首と異なり、前国家元首は免除特権を享有しないこと。二つに、この原則に基づき、一つの例外が考えられます。それは前国家元首が政府側の行為として免除を与えられることです。しかし、中国の法律に従っても、米国の法律に従っても、また国際法の基準に従っても、拷問及び集団殺害の罪は、江沢民の罪であり、政府の行為として見なすことはできません。

 記者: なぜ米国司法部が当該訴訟案に反対すると思われますか?

 テリー・マーシュさん: 司法部は江沢民政権及び中国共産党の圧力によって当該訴訟案に反対したと私は思います。中国共産党及び江沢民政権は電子メール、ファックス、電話を通じて米国の各部門の上部長官に脅迫の通知を入れ、米国政府に対して当該訴訟案は絶対に却下しなければならないと圧力をかけました。そして、米国の行政部門は恐れにより当該訴訟案に反対したと思います。この決定は非常に理性的ではありません。他の国々にとっても米国にとってもメリットのない決定です。

 中国では法規がありません。即ち、中国の行政と司法は分かれていません。中国では独立的司法体系はありません。中国に於ける多くの案件の判決は全て事前に定められています。実際に、中国に於ける法輪功学習者の審判は全て事前に中国共産党によって秘密に決定されています。

 中国共産党は米国政府に対して干渉しようとしています。中国共産党は米国の最も貴重な財産である—独立の司法及び法制に対して破壊を企んでいます。これはとんでもない事です。当案件の原告側に有利な判決を下すことこそが米国の最も基本的な利益に相応しいことです。

 当時、イギリスの清教徒が宗教の迫害から逃れるために米国にたどり着いたのです。米国の立国の基本は宗教信仰の自由を含んでいます。米国の開国の父であるハミルトン(Hamilton)、マディソン(Madison)、ジェファーソン(Jefferson)、ジョーン・ジェイ(John Jay)が多くの文献を提出し、人々は宗教信仰の自由及びその他剥奪されてはならない権利について明らかに述べています。独立宣言の中にあるように、人々は神によって、剥奪されることができない権利を授けられました。これらの権利は宗教、言論及び集会の自由を含みます。時代の変遷に連れ、奴隷のように酷使されることを免除することも内容に付け加えられました。従って、宗教及び信仰自由の保護に基づいて、米国が法輪功に対する迫害を制止させることは米国の基本的利益に相応しいことです。

 拷問被害者保護法案(Torture Victim Protection Act)は1992年に米国の参、衆両議院の全員通過によって制定されました。シニア・ブッシュ前大統領が当該法案を法律に加えた時に、米国のリーダーに対して報復性に絡む訴訟を引き起こす可能性があると認めていました。しかし、彼は「米国の裁判所はこれによって複雑に入り組む外事の争いに巻き込まれる危険性は存在する。…しかし、これらの潜在的危険は当該法案の立案により達成したい目標自体とは無関係である。…我々は如何なる所に於いても必ず人権が尊重されることを確保し、そのために尽力すべきである。」と述べました。

 江沢民が起こした罪はサダム・フセインに比べて、いっそう甚だしいものがあります。違いは江沢民が中国の元首で、サダムはイラクの元首です。しかし、米国のサダム・フセインと江沢民に対する態度は明らかに異なります。我々は外的な要素が米国に影響し、米国の司法部門及び行政部門の決定に影響していることがはっきりと分かります。

 米国行政部門が正しい決定を出し、裁判所に対して当該訴訟案を地方裁判所に戻し、審理し直し、犯罪者を法の下に裁くよう要求するのに時間的には未だ遅くはありません。

 記者: 一部の中国人は江沢民が有罪判決になれば、中国人にとって恥さらしとなり、中国の名声を損なうと懸念していますが、この問題について、あなたはどう思いますか?

 テリー・マーシュさん: 私はそうは思いません。中国共産党は中国ではありません。多くの中国人は共産党の洗脳や宣伝に欺かれ、彼らは深く強い精神、文化及び道徳根源を持つ中国を忘れてしまっています。中国人は文化大革命、天安門虐殺及び法輪功の弾圧を許すことは決してありません。今回の訴訟案は真の中国の理念と原則に一致しています。同じように大きな精神と道徳の力を備えています。別の角度から言えば、中国の人々に対して大きな罪を犯した非合法的なリーダーを法の下で裁くことこそ中国の尊厳を回復させることになるのです。

 記者: なぜ江沢民に対する起訴は「意義ある一里塚」と思われますか?

 テリー・マーシュさん: 私はこの訴訟を提出したことについて本当に喜んでいます。最終的に結果はどうであれ、重要なのはその過程です。当該訴訟案は米国の地方裁判所、米国の第七の巡回法廷、最高裁判所へ提出するまでに我々はこの迫害を暴露し、それぞれ迫害に関わった犯罪者に対して、法輪功の迫害に参与した如何なる者が米国の地に踏み入れば、必ず起訴されることを表明しました。同時に、非常に重要なことは、当該訴訟案が法律界で前例を樹立しました。私個人として、当訴訟案が中国の迫害を制止する助けになることを希望します。

 今までの過程の中で、法輪功学習者が国会、メディア、大衆に対して当訴訟案を述べ、沈黙を打破しました。我々は出来る限り江沢民が法輪功に対する集団殺害及び拷問、その他残虐な行為の罪を全世界の人々に知らせてきました。

 当該訴訟案の提訴によって世界各地で江沢民に対する告訴の提出が巻き起こりました。世界各国に於ける30数名の弁護士が一斉に江沢民に対して起訴をしています。このように多人数の弁護士が同一人物に対して起訴することは歴史上でも前例がありません。ニュルンベルクでもこのような状況はありませんでした。

 この起訴案は「意義ある一里塚」だと思います。正義の声は世界各地の隅々までに届いています。江沢民が法輪功を迫害することは有罪であり、法廷に引き出すべきです。

 記者: 今回の起訴案は中国共産党官員に対する唯一の起訴案ですか?

 テリー・マーシュさん: 違います。2001年、湖北省公安庁長兼610弁公室(法輪功取締事務室)の副親分である趙志飛が米国ニューヨークを訪問中に、私はニューヨーク地方裁判所へ告訴を提出しました。他には北京市市長劉淇、前河北省委書記の王旭東、元武漢テレビ局局長の趙致真の起訴案にも参加しました。米国の人権弁護士は法輪功の迫害に積極的に参与した中国共産党官員に対して多くの起訴案を起こしました。

 記者: これらの起訴案の中で幾つが勝訴になりましたか?

 テリー・マーシュさん: 現在まで、趙志飛及び劉淇の訴訟案が勝訴になりました。趙致真の訴訟案も勝訴になると予測しています。彼がコネチカット州で裁判を受けることを希望しています。王旭東の訴訟案については判決待ちです。

 記者: お忙しい中、インタビューに応じて頂き、本当にありがとうございました。

(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2005/3/5/96714.html