【悩みの処方箋】ダニーのカルテ
【大紀元5月9日】黒の服装に鎖のベルトを締めて、数十個の穴のある靴を履き、紫がかった濃赤色の髪の毛と黒色の口紅を塗ったダニーは、思わず視線を向けたくなる人々の横を通って、私のところにやってきた。
彼女は自分の内心の虚しさと自信のなさを、私の視線から読み取ってから、少し落ち着かなくなった。
肩周炎と頭痛を受診しに来た彼女が肩を見せたとき、私は驚いた:その若い体のいたるところに傷跡が残っていた。鞭に打たれた後の、痛々しい傷跡だ。
「どうしたんですか?この傷跡は?」と私は聞いた。
「彼氏よ、もうしないと約束してくれたけどね」と気にしないふりをして、彼女はそう答えた。
その新旧入り混じった傷跡から、この約束はもう何度も破られていたことが分かる。そこで私は「このままで良いと思うのだったら、なぜカウンセリングを受けに来たんですか?」と聞いてみた。
「ある友人に言われたからです。あなたが彼の肩の病気を治してから、彼とはよくあなたの話をします。あなたが“真・善・忍”の法理を知っているとか」と彼女は言った。
この言葉を聴いて、私の心は少し震えた:「彼女の過去はどうであれ、今生私から法輪大法のことを聞く縁があるなら、私は最善を尽くさなければならない」
そこで、私は彼女に輪廻転生、因果応報、そして修煉について話してみた。彼女はまじめに聞いてから、私に自分の身の上話を語り始めた。
彼女が8歳のとき、父親は彼女を車に乗せて、遠く離れた場所についてから、彼女を捨てて去った。しかし数日後、なんと8歳の彼女が自力で家までたどり着いた。それ以来、彼女への虐待がますます酷くなる一方にもかかわらず、人に捨てられなければ、どんな虐待も甘んじて受けようと、彼女は決心した。しかし虐待が重なるにつれて、彼女の孤独な心がさらに虚しくなり、今日までに至った。
私の業による輪廻転生の話を聞いてから、「前世の自分は誰だったのかは知りません。ただ、夢の中で、私は自分と親しく接してくれないすべての人を痛めつけてきました。私は跪く兄を殴り、そして私の両親もそうでした。そのときは本当に楽しかった…。でも、もしあなたのいう業による輪廻転生が本当にあるとしたら、私は前世の報いを受けているだけなのかもしれません…」と彼女は少し考えてから、そう言った。
「先生、私はまだ救われるのでしょうか?」と少し間をおいてから、彼女はいきなり私に聞きだした。
「今から、もしあなたが嘘をつかないで、人と仲良く接し、自分への不平を我慢することができれば、まだ間に合うと思いますよ」と私は答えた。
(執筆者:玉琳)
(中国語:http://www.epochtimes.com/b5/3/2/15/n276122.htm)
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