日本明慧


機 縁

 文/トロント大法弟子

 【明慧ネット2005年11月26日】2ヶ月前、北京にいる母は突然「膵頭(すいとう、膵臓の一部)ガン末期」と診断された。一連の検査により「この種のガンは悪性度が高いため、通常発見されてから、患者は平均して4〜5ヶ月ほどしか生きられない。あなたの情況は手術で切除可能な範囲をすでに超えており、他の治療方法はほぼないだろう」と医者に告げられた。

 この突然の知らせは私にいろいろ考えさせた。私はこの6年間、電話や手紙で母に法輪功の真相を伝えていたが、母はただ「迫害は間違っている」ということしか受け入れず、私たち法輪功学習者が騙されていると思い、師父と大法に対して非常に反感を持っていた。無神論の影響を受け、母は法輪功学習者が迷信を行っていると思った。母と頻繁に連絡を取っている母の大学のクラスメートはいつも大法を中傷する文章を発表し、母にも悪い影響をもたらした。母はそのクラスメートがいわゆる科学者で、間違っていないと信じていた。

 診断された後、もっと詳しい検査を行うため母はすぐ入院した。そのため母と頻繁に電話することができなくなった。再度母に大法の真相を伝えたい、そして母に「法輪大法はすばらしい」と言ってもらい、大法しか命を救えないことを母に信じてもらいたいと思い、母に手紙を書いた。しかしこの手紙をどうやって母に見せるのか。今までメールで母と連絡していたが、現在母は入院して、インターネットも使えなくなった。そして昔北京にいた頃に親しかった一人の大法弟子にメールを送り、この手紙を病院の母に渡すよう彼女に頼んだ。その後その大法弟子は何度も母のお見舞いに行ってくれた。母はとても感動し「全然知らない人なのにこんなに良くしてくれるなんて思いもしなかった。大法弟子の言うことは信頼できるものだ」と言った。母は真剣に「法輪大法好(法輪大法はすばらしい)」、「真善忍好(真・善・忍はすばらしい)」と言い始め、「この9つの文字を心の中に植えつけた」と言った。

 その間にこんなエピソードもあった。一人の隣近所のおばさん(常人で、昔仏教を信じていた)は母がガンになったことを知り、また私が修煉していることも知り(数年前、彼女に真相を伝えたことがある)、私だけが母を助けることができると感じていた。わざわざ他の人に頼んで私と連絡し、母を励ましてあげてと私に言った。その時私はまだ北京の大法弟子と連絡が取れないため、病院へ行って母に「法輪大法はすばらしい」ということを伝えてもらうようおばさんに頼んだ。おばさんはすぐ病院に行ってくれて、「病院でもあなたの病気を治すことはできない、この方法が一番だよ」と母に言った。その後私はまた、トロントで以前膵頭(すいとう)ガンにかかったことがある修煉者で今は全快した学習者と、もう一人医者の学習者に母に電話してもらい、学習者の自らの経歴をもって母に真相を伝えた。

 でも私はやはり心細かった。以前の母の態度から、母が本当に信じることができるのか、もし口で言うだけで心の中で信じていなければ、まったく効果がないものだと考え、落ち着くことができなかった。

 しばらくして、母は病院で再検査をした。検査結果は思いもよらないものだった。母はこの種のガンを患う患者の中で、確率は1%しかないが、ガンの悪性度が低い患者であることが分かり、生きられる時間は以前推定された4,5ヶ月から数年に延長された。医者はまたこの種のガンに適応する薬を母に薦めた。当時、私は本当に師父の慈悲を実感できた。少しでも善の念、正しい念があれば、師父は面倒を見てくれるのだ。母のような情況でも、師父は母を救ってくださった。私は「お母さんが『大法がすばらしい』と言っているから、この結果になったのよ、大法がお母さんを救ってくれた」と母に言った。母はまだ受け入れることができなかったが、私の言うことに反対しなかった。その後、母はカナダへの親族訪問ビザの手続きをとったが、拒否されることをずっと心配していた。私は母の唯一の直系親族なので、移民の傾向があるという理由で拒否される可能性がある。また健康診断を要求されることを心配していた。私は「大丈夫、毎日『法輪大法がすばらしい』と読み続ければいい、ほかのことを考えなくてもいい」と言った。母はずっと読み続けていると答えた。ビザは順調に下りた。母は「カナダに行ったら一緒に煉功し、法の勉強をする」と言い、大法に対する態度は昔と一変した。

 つい最近母は健康診断を受けた。あるガン細胞の指数はすでに昔の陽性から陰性になり、病院でもこの現象を釈明することができなかった。母はまだ修煉者ではないので、常人の考え方でこの事を判断している。病院が間違えたのではないかと疑い、病院に再検査を求めたが、病院側は断然断った。母はまた他のガン細胞がすい臓に転移したのではないかと推測している。「大法はすばらしい」と言い続けているが、母は病気に対してやはり常人の認識を放棄することができず、私の説明も聞き入れなかった。ある日私は母に失望し、母は悟性が低いので、カナダに来て私と一緒に煉功してもなかなか本気にならないのではないか、現実のことを重視しすぎるなど、主人とくどくど言った。主人は常人で、修煉していないが修煉の道理をすでに多少知っている。しかし主人は「あなたこそ悟性が低い、もし母に修煉の環境があれば、あなたよりもっといいかもしれない。あなたは自分の観念で他人を制約できない」と言った。私は良く考えるとそのとおりだ、私の認識は数年間をかけて一歩ずつ高まってきたのではないか? 自分も悟性の高い人ではないのに、他人に対しとても高く要求しているのだ。

 一週間後、主人の両親の親族訪問のビザも順調に下りた。手続きをとる前に、主人は両親の健康を考慮してカナダに来てから煉功するよう提案したら、主人の両親はすぐ承諾した。私は数年前に、主人の両親に真相を伝えたことがあった。主人の両親はあまり害毒を受けておらず、障害もないと感じていた。

 母が病気にかかった後、多くの人が母を見舞いに来た。母の同僚の一人に、3年前私は彼に電話で真相を伝えたことがある。彼は怒って電話を切ってしまい、私は続けてかけていったら、やはり怒って、話も聞いてくれなかった。また私達が政治に参与していると言った。母は彼に出会うと、彼は大法を中傷することを言う。そのため母は心理負担が大きく、もう彼に真相の材料を郵送しないよう私に頼んだ。今度彼は母を見舞いにきて、また娘を政治に参与させないよう母に言い出した。今回母は、「彼女たちは政治に参与していない。ただ煉功するだけで、政治に参与すると言われてしまった…」と言った。彼は何も言えなくなった。

 母の病気で、多くの親戚は北京に母の世話をしに来た。みんな大法が病気を治す不思議さを知り(母の病気を話した時、一人の学習者が母と同じ病気を患い、法輪功を修煉してすでに治ったことも紹介した)、大法弟子が迫害されていることも分かった。親戚たちは最初私が帰国することを提案した時、私はどうして帰れないのか、海外の法輪功学習者が帰国して逮捕されたことを説明した。親戚たちは数回も母を見舞いにきた北京の学習者にとてもいい印象を持っている。私はまたこの機会に普段連絡をとっていない友達に電話し、自然に真相を伝えることができた。

 今回のことで全般的に感じたのは、本来悪い事だったが、多くの人を救う機縁となったのだ。母だけではなく、周囲の多くの親友も含め、以前彼たちにしっかりと真相を伝えていないところを補足できた。ほかにも師父の圓容で慈悲な力を実感できた。北京の学習者が母を見舞いに行ってくれたことおよびトロントの学習者が母に電話してくれたことは、母の考えを転換させた。そして私一人では果たせない役割を果たした。その過程を通して師父の慈悲な救い済度および一人一人の衆生のために按配してくださった、偶然に見えるが苦心をなさった機縁を、真に体得できた。

(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2005/11/26/115234.html