国連専門家、中国「拷問問題」の顛末を考察(一)(写真)
文/力子
【明慧ネット2005年12月8日】
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2005年12月2日、国連北京本部で「拷問問題」についてのシンポジウムを開き、マンフレッド・ノーワック国連特使は中共が権力を乱用して拷問していることについて譴責した |
* 背景 国連「拷問問題」の専門家オフィスはというのは、国連人権委員会の下に設置されている人権機構の一つである。
「世界人権宣言」の精神に基づいて国連は歴年、人権方面の公約と宣言を許可してきた。この公約と宣言により、国連はこの専門家と委員会を成立し、任命した。本委員会は各国の政府が公約と宣言により人権基準に基づいて行っているかを監督する。この国連特使と委員会はすべて「国連人権機制」と呼ばれている。
招聘され特使と委員会役員はほとんど、人権と法律方面の専門家らに尊敬され、認められた人である。これらの人々はボランティアで国連のために働き、かつ自分の仕事もやっているので、国連の仕事は普通の仕事の時間以外の時間を使ってやっている。彼らは、自分の仕事は独立しており、全ての政府に制約されない。これらの人々は専門家であり、ボランティアであるから、彼らの仕事は、各国の政府、各人権組織から特別注目を浴びている。彼らの調査は政府の影響を受けないので、最も権威性があることを認められている。
国連「拷問問題」特使専門家は、各国の拷問問題の調査を担当している専門家であり、国連人権委員会に対して最も深い影響を与えている。彼らは通常、各国外務省と世界の有名な人権人士に推薦され、1回、4年を担当することが基本で、それ以上も可能である。
中共は歴年で、国連人権委員会に人権について譴責されることから逃れるため、多くの政府を買収することに成功したが、独立した人権特使専門家に対しては為す術がなかった。多くの人権特使専門家は、国連人権委員会に提出した年度報告の中で、中共が人権を侵していることについて批判した内容が最も多かった。しかも、法輪功学習者を迫害している案件については、中共すべての迫害案件の中で最も多かった。「拷問問題」を調査している特使専門家3人の歴年の報告では、中共が権利を乱用して拷問していることについて厳しく非難した。
* 10年延長
中共が権利を乱用して行っている拷問がだんだんひどくなっている問題について、十年前から在任している「拷問問題」の特使専門家ロドリーさんは、中国現地に行って調査を行えるよう自ら申請した。国連人権特使専門家は国際上崇高な威信があるので、多くの政府は彼らの調査について「完全開放」の待遇をしている。すなわち、これらの専門家はいつでも調査を行うことができる。しかし、びくびくしている中共は特使専門家に自由に調査を行わせないため、直接断ることはできないので、ならず者のような手段をとっている中共は、絶えず次々に「中国国情」を作って断ったり、あるいは延長させた。
中共は最初、特使専門家にわずかな指定された刑務所でしか調査することができないなどの不合理な条件を迫った。国連の規定により、特使専門家は各国の人権を考察することを無条件でできる。例えば、事前に政府部門に問い合わせしなくても、どの刑務所でも調査することができる。彼は、迫害されているどんな人にでも面会することができる。面会するときは、政府関係者はその場にいることができない。政府は面会している人と家族に報復してはいけない、などがある。中共の不合理な要求は、事前に特使専門家に毅然と断られた。彼らは国際基準を堅持して、却って中国には行かず、この不合理な条件を許せない。筆者は、特使専門家テオ・ヴァン・ボーヴェン教授が国際基準を堅持して、国連に駐在している中共官僚と激しい弁論をした様子を一部始終見た。
年年、特使専門家はこの原則を堅持して、中共は延長することができたが、世界中から巨大な圧力を受けた。延長させた原因は誰もが知っている。最後の局面に行き詰ったら悪意を見せ始め、道理が行き詰ったら無頼の行為に走る。やむを得ず、中共は特使専門家が国際基準で調査しにくることを許可した。しかし、別の芸当で今度の調査を延長させた。一昨年、中共がSARSを隠すことに力を尽くし、特使専門家が尋ねてくる時期で、SARSを理由にして断った。去年、中共は特使専門家テオ・ヴァン・ボーヴェン教授の来中日をわざと7月1日に設定した。教授が来中するとき突然に、すみません、この日は「中国共産党建党日」の日であり、全国で慶賀するので、お迎えすることができません、と断った。
中共はこの計画に成功したと思い込んでいたが、国際間では笑い話となった。2005年3月ジュネーブ人権会議の間、ボーヴェン教授はこのような発言をした。私の中国ビザと飛行機のキップはファイルケースの中に入っているが、結局行けなかった。これに対して中国代表はこのように答えた。一昨年中国ではSARSがあった。去年は慶賀していた、と答えた途端、すぐ皆に笑われた。
最後、巨大国際圧力下で、中共はアメリカが暫時、中国人権譴責案を言わないことを条件として、特使専門家が今年中国現地で考察することを許可した。これは国連および国際社会が中国に対してはじめて、正式な人権と拷問の問題について現地考察できる。
* 準備
マンフレッド・ノーワック教授(オーストリアの法学教授)は、今年赴任してきたばかりの「拷問問題」特使専門家である。国連有史以来はじめて、中国で人権問題を調査することを実現した調査員である。だから世界の各マスメディアおよび政界で歴史の意義がある考察である。
これに対して、中共の陰謀がある。特使専門家は中共が、中国の考察を条件として国際社会に協力をしているが、それは偽善の顔で皆を騙しているということがわかった。中共は国連ジュネーブ本部で絶えず人心を買収し、いろいろ考えた上でこの計画を立てた。ならず者の中共はノーワック教授が初めてこの会議に来ているので、国連内部の複雑な人間関係を知らないと思い込んでいる。しかも、ノーワック教授がもし中国に来たら、なんでも勝手にさせない、と勘定した。しかし、ノーワック教授は合議中、中国官僚に言葉上で温和かつ友好的だった。記者会見のときにも中国官僚に対する理解と協力の態度を現した。ここからもわかるように、ノーワック教授はボーヴェン教授と鮮明な差がある。中共はよくこの計画を立てたので次回失敗する可能性は万に一つもない、と思っている。
考えられないことに、善良なノーワック教授をいじめようとしているのだ。
(中国語:http://www.minghui.ca/mh/articles/2005/12/8/116107.html)
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