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面会した法輪功学習者が行方不明、EU副議長は中共へ解放を呼びかけ   

 【明慧ネット2006年5月31日】欧州議会副議長エドワード・マクミラン・スコット氏は、5月27日に開かれた「中国の未来」国際シンポジウムの席上で、中国で同氏と面会した後に行方不明となった2人の法輪功学習者の身の安全を保証するよう中共政府に呼びかけた。

 同氏は、すでに中共駐EU大使に対して、来週中に緊急会議を開き、同氏と面会した2人の法輪功学習者と、付き添いの2歳半の娘が、安全に帰宅することを保証し、彼らが今後、嫌がらせを受けずに自由に法輪功の修煉ができるよう要求したことを明らかにした。

 2人との面会

 スコット氏はシンポジウムで、中共による法輪功学習者の弾圧の情報を入手するため、5月21日に北京で2人の学習者と1時間にわたる面会を行ったと説明。

 同氏によると、面会した2人は共に監禁された経験があり、うち1人は4年もの間監禁された。彼は監禁されている間、他の学習者と共にひどく虐待されたという。また、学習者の他に虐待を受けていたのはチベットの僧侶であると明らかにした。

 もう1人の学習者は2歳半の娘を連れてきた牛進平氏(52)。牛氏は2年間監禁された。牛氏の妻・張連英さんは現在北京の拘置所に監禁されているという。スコット氏は、「私が言う拘置所は、決して彼女が受けた扱いに対して適切な言葉ではない」と説明した。

 スコット氏によると、警官は張さんに信仰を放棄させるため、時々24時間にわたり彼女を殴打し続けたという。牛氏が張さんの面会に行くと、彼女はいつも全身傷だらけだったという。彼女は今でも信仰を放棄しておらず、現在、北京市強制労働管理局団河配置署に監禁されている。家族は昨年10月、明慧ネットに対して、張さんの頭部、顔に長さ約3センチの大小の傷が多数あり、顔はすでに変形し、本人かどうかはっきりと区別できなくなったという情報を出した。張さんは更に、歩行困難に陥り、精神が朦朧として、生命も危険だったという。張さんは、公認会計士として、光大企業グループの高級幹部だった。

 牛氏は獄中の2年間で、殴打され死亡した法輪功学習者は30人を超えていることを知ったという。

 スコット氏は、行方不明になった2人の身の安全を心配している。

 「臓器狩り」のニュースが2008年オリンピック開催に影響する

 スコット氏は、「私は法輪功学習者ではないし、また、宗教も信仰していない。しかし、信仰の自由、言論の自由、思想の自由、出版の自由、結社の自由などは、すべて必要であると信じている。中共はこれらを中国人民に与えると承諾し、国際公約を結んだが、未だに約束を果たしていない」と指摘した。

 同氏は、生きている法輪功学習者が臓器摘出されている事件について、「驚愕極まる」と述べ、事件は非人道的であると非難した。

 同氏は、「国際社会は直ちにこの事件の真相解明に乗り出すべきだ。カナダでは、一部の政府要人がすでに独立調査団を結成し、調査を行う構えでいる。他の国際社会にとっても同件の調査を進める適切な時期となった。特に国連はこれまで人権擁護を強調しているのに、まったく何の調査も進めていない」と指摘した。

 同氏は、すでに報告された、生きている法輪功学習者からの臓器摘出、拷問、虐待等について、一旦事実が確認されれば、国際社会から2008年北京オリンピックの開催に影響を及ぼすと示唆し、国際公約の履行を促した。

 EU副議長と面会した法輪功学習者行方不明、通訳の米国人が救援呼びかけ

 一方、面会直後に通訳を担当した米国人ジリオッティ氏は中共警官に強制連行され、後に釈放された同氏は、逮捕された法輪功学習者二人が非常に危険な状況におかれており、国際社会に緊急救援を呼びかけている。

 スティーブン・ジリオッティ(Steven Gigliotti)氏は、今回の面会で通訳を担当した。面会終了後、ジリオッティ氏が中共の私服警官に強制連行され、24時間の尋問を受けた後、米国に強制送還された。
 
 ジリオッティ氏は5月29日、大紀元の取材を受け、事の一部始終を明かし、国際社会に対し、スコット副議長と面会した法輪功学習者二人の安否に関心を寄せるよう呼びかけている。ジリオッティ氏によると、現在この二人に連絡が取れなくなり、命の危険にさらされている可能性が高いという。

 スコット副議長が今回の面会を行った目的は、中共による人権侵害の真相を調査し、法輪功学習者への集団迫害の事実を調べるためであるという。

 ジリオッティ氏によると、面会は北京市のあるホテルで行われ、スコット副議長は法輪功学習者二人から、自身や親族、友人らが受けた不法逮捕、不法懲役、拷問などの迫害について、詳しく説明を受けた。そのほかにも、同副議長は法輪功の概況や、法輪功学習者が生きたまま臓器を摘出されている虐殺の実情などについても、話を聞いたという。

 面会終了時に、スコット副議長が「今回の面会で、命の危険が生じる可能性はあるのでしょうか」と尋ねたら、法輪功学習者は二人とも「そうです」と答えた。これを聞いたスコット副議長は非常に驚いて、二人に自分の名刺を渡し、「問題や不測の事態に遭遇した場合、すぐに連絡してください」と言い残した。

 法輪功学習者が帰った後、スコット副議長はジリオッティ氏に、「彼らはなにもかも奪われ、すでに失うものはなにもない」と呟いた。

 面会終了後に、ジリオッティ氏は一旦ホテルを離れ、タクシーで戻る途中にナンバープレートのない車に道を塞がれ、数人の私服警官が強引に彼をタクシーから引っ張り出して、車に乗せ、布で頭を被り、連れ去った。

 ジリオッティ氏は取り調べ室で、21日午後6時から22日午前3時まで、尋問を受け続けた後、ホテル(Greater Long Hu International Apartments)に連れて行かれ、22日午後6時までに拘束され、計24時間の取調べを受けた。

 その間、中共の警官は、「どうやって法輪功学習者と連絡が取れたのか」「どうやって連絡を取っているのか」「面会の内容はなんであるのか」「あなた達はどれだけの資料を入手したのか、どのぐらい撮影したのか」「あの2人の法輪功学習者はだれなのか」、「あなたのパソコンに『九評共産党』があるのは、どういうことなのか」・・・・などと様々なことを繰り返し尋問した。最後にジリオッティ氏のノートパソコンが押収され、会見時撮影した数枚の写真も没収された。

 中共の警官はジリオッティ氏に、あなたが面会を計画した罪、面会の資料と録音を所持した罪、法輪功の関連資料を所持した罪など三つの罪を犯したと説明し、これらの罪状は中国ではみな重罪であると伝え、三つの声明文で署名することを強要した。その内容はそれぞれ「自分の所持品が押収されたのは合法のことである」「私が中国の法律を違反したため、尋問を受けるのは合法のことである」「私は中国の法律を違反したことを認める」というものである。

 24時間の尋問を受けた後、22日午後6時過ぎ、ジリオッティ氏は頭に布を被されたままで、空港に送られ、米国に強制送還された。

  拘束されている間に、ジリオッティ氏は携帯電話で米国の友人に「私は逮捕された」とのメールを送ったが、そのことが発見され、激怒した警官から、「私は安全だ」との内容のメールを強制に再送信させられた後、携帯の電源が切られた。

 メールを受信したジリオッティ氏の友人がおかしいと思って、米国駐北京大使館に電話で通報した。通報を受けた米国の領事は中共当局に電話連絡したが、「逮捕のことを知らない、ジリオッティ氏の存在も知らない」との返答があったことが、後に分かった。

 ジリオッティ氏は「私は釈放されたが、命の危険を冒して面会に応じた法輪功学習者二人は行方不明になった。幾度も試したが、彼らとの連絡が取れなくなった」と明かし、彼らは尾行を受け、逮捕された可能性は非常に高いと指摘し、国際社会に対し、命の危険に直面している二人を緊急救援するように呼びかけている。

 また、ジリオッティ氏は「今回の面会で、スコット副議長は十分な証拠を入手した。中共による法輪功学習者への残虐な集団迫害の事実が証明された」と語り、弾圧が始まって7年間、初めて欧米国家の政界要人が法輪功学習者から直接に迫害の状況を調査したと述べ、今回の面会は歴史的な意義があると指摘した。

(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2006/5/31/129318.html