日本明慧


無関心と衝動的な行動は時機を逃させてしまう   

 文/一部の大陸と海外の大法弟子

【明慧ネット2006年4月26日】中国共産党指導者である胡錦涛氏が訪米した際、同修の王文怡さんがホワイトハウスで大声を上げて抗議した事を最初に聞いた時に、とてもうれしく思い、感激しました。しかし、同時に思わず今回の出来事について深く考え始めました。

 まず、王さんが個人的な方法で迫害を停止させようとしていた事については、忍の限界という法理に適っていると私は思います。残酷な迫害に対してブッシュ氏や胡錦涛氏、或いは欧米の主要世論が経済利益の為に、長い間沈黙を続けてきたという状況において、王さんはあのような行動を行った事は理解できます。だから、私たちは王さんに道義的なサポートを与えるべきです。今回の出来事が起きた場所、時間そして状況から言えば、これはもはや単に一人のことではなくなったのです。今回の出来事は、すでに報道の封鎖を突破するのに大きな役割を果たしたと思います。

 しかし、これによって、例えば、大紀元新聞社はホワイハウスでの記者取材証を没収された事や、常人が大法弟子の行動が過激だと思ってしまう為に真相を伝える事が更に難しくなったことなど、私たちは大きな代償を払ったのも事実です。記者として、もし質問を行う時間以外に静かに正念を発して、質問時間になってから、全世界の人々の前で胡錦涛氏やブッシュ氏に法輪功学習者に対する不法臓器摘出についての質問や事情紹介をすれば、より効果的でしょう。しかも、もし質問が出来なければ、ホワイトハウスの外にいる大勢の法輪功の同修に「迫害を停止させよう」と呼びかけてもらっても遅くはないと思います。こうすれば、常人に文句を言われないし、旧勢力に付け入られる隙もないでしょう。

 また、私たちは自分自身に対して、「我々は真理を守るのに衆生を救わないのでしょうか?」「我々は寛容をもって真理を守り、衆生を救い済度するのでしょうか?」「我々は真理を守り、衆生を救い済度するのはただ自分の感情を守るためなのでしょうか?」「我々が衆生を救い済度するのはただ衆生からの見返りを期待しているだけなのでしょうか?」「我々は本当に完全に他人と真理のために全力を尽くしたのでしょうか?」と問わなければいけないのです。

 そして、アメリカの裁判所の王さんへの提訴を撤回させるべきです。しかし、もしわれわれ多くの大法弟子は依然として衝動的で、理智を持たずに行動すれば、事態がまた旧勢力が段取りした方向に向いてしまうのです。したがって、経済上の利益を利用して大法弟子が臓器摘出について国会で証言するのを妨害し、また王さんに懲役を言い渡すように米国政府を脅かしているという中国共産党の陰謀を失敗させる為に、王さん本人にせよ、あるいは同修の皆さんにせよ、私たちは絶対に自分の心の内へ向かって自分自身を修めなければならず、心の状態を正して、時機を惜しんで一層の力で真相を伝えていくべきだと思います。

 ここで一つ強調したいのは、私たちは常人の感情で王さんを支援してはいけないという事です。三月に行った秘密強制収容所で監禁されている同修たちを救出する活動のように、多くの常人の心で行えば、効果があまりないだけではなく、しかも、結果としては事前に予想していた事とまったく違うものだったりします。よって、ある出来事が起こった時、私たちは常人のメンツや気兼ねを捨てて、お互いに素早く法理上で注意し合って共に向上してはじめて、私たちの行うべき事をよりよくやり遂げられ、より多くの衆生を済度することが出来るのです。

 皆さんが知っているように、蘇家屯秘密強制収容所での暴行が報道されてから二、三週間に、各地で多くの学習者がすぐ真相を伝えたり、迫害を制止したりする行動はまったくなく、重視しなかったのです。これは、これらの学習者たちは常人としての心から、このような残酷な事件が発生した事を認めようとせず、信じようともしなかったからだと思います。時間が経つにつれて、やっとこれは真実だと気づいて、行動を起こすようになりましたが、二、三週間の時間が無駄になったのです。一方、悪人たちはこの二、三週間に、蘇家屯秘密収容所に関するすべての物証や証人を移し、そして国際社会に調査してもかまわないと明言したのです。さらに深刻なのは、蘇家屯事件に関していろいろな活動を行ってきましたが、多くの学習者は世の人々を済度するという正念で行っているのではなくて、やはり怒りや衝撃を受けた心理状態で行っていました。これは、真相を伝えると言えますが、多くの常人の心を抱いているので、効果が良くないのは決まっていることです。また、これはやはり時間を無駄にしているに等しくて、あるいは邪悪に時間を譲ることに等しいのです。

 今現在の状況下で、私たちはまず教訓を受け入れるべきです。これから真相を伝えていくには無関心、あるいは常人の感情的な行動を克服して、理智を持って行っていくべきだと思います。今回、王さんがホワイトハウスで抗議した事は、真理を守り衆生を済度するという面から言えば、部分的な役割しか果たせなかったと思います。なぜなら、済度出来るように胡錦涛氏とブッシュ大統領という二人の人間に真相を伝える事が出来なかったのです。これは、非常に残念な事だと思います。しかしながら、もし今回の抗議事件は中国共産党に利用されて、中国共産党が米国政府に圧力をかけるとすれば、大法にはきっと良くない影響を与えるし、長年真相を伝えてきた私たちの努力が損なわれてしまいます。でも、私たちと王さんが正念をさらに強めて、司法部門の王さんに対する提訴を正しく対処し、王さんへの迫害を制止する事をよりよく行っていけば、今回ホワイトハウスでの抗議事件の不足を補う事が出来ると私は思います。

 王さんの事を見て、私は思わず中国大陸にいる同修たちが天安門広場へ行って、そこで「法輪大法はすばらしい」と叫んだ事を思い出しました。これらの同修たちは社会秩序を撹乱したとされて邪党に労働教養を言い渡されました。これは、王さんが提訴されて6ヶ月の監禁を言い渡される事とまったく同じ事ではないでしょうか。これは軽罪だとでもいうのですか?

 法を正す進展は素早く進んでいて、誰かを待つ余裕がないし、時間も人を待たないのです。世の中の多くの事は実に大法弟子の心で生じたのです。たとえば、人々や政府機関、団体、マスコミなどが生きたままの人から臓器を摘出するという事に対して無関心で信じようとしないのは、私たち多くの学習者が信じようとしない状態と似ているのではないでしょうか。人の命にかかわっているという緊急事態に対して政府機関、マスコミが理智を持って対処しようとしないのは、私たち学習者が感情的で理智を持たないという状態を反映しているのではないでしょうか。

 邪悪は時間を急いで人を殺しながら、すべての証拠を消滅しようとしています。法を正す中で、人々が真相を知る機会もますます少なくなっていくのです。一つ一つの機会はますます短く見えてしまいます。蘇家屯強制収容所を暴露されてニ、三週間が経った後、心を静めて自分の心に向かって問題点を探そうとしない同修がまだ多くいた為に、より多くの問題が現れたのです。新しい状況に直面した時に私たちは大法弟子として理性を持って鋭く問題に対処出来るのか、また師父が要求された事で私たちは智慧を持って人々を済度することが出来るのか、これらはまさに一つ一つの試験、試練であり、邪悪との戦いでもあります。これによって、普段私たち一人一人の修煉状態は実際に反映されるのです。したがって、もし自分の一念一念を大法で量らなければ、誤りが絶えず生じるでしょう。これはすべての大法弟子と私たちを待ち望んでいる衆生が見たくない事だと思います。

 ここではすべての大法弟子に対して、どれほど忙しくても必ず冷静になって、自分たちの心に向かって自分の中にある問題点を探すように呼びかけます。こうしてはじめて、大法弟子が全体として直面しているすべての事に対して、ほんとうに真剣に取り組んで責任を持ったと言えると思います。困難を前にして、私たち一人一人はまず自分の不足を探り出さなければならず、自分の心性を正して調整する事が必要です。これによって、真相を伝えるのに用いる常人的な方法や手段に、一層の効果が現れるのです。また、私たちが衆生に責任を持つことには、充分な理性を持たなければならないのです。心の内に向かって修める事は、修煉する人の理性の現れです。心の内に向かって修煉する事は、迫害を制止するのに大きな効果をもたらす事が出来ます。師父は私たちに対して三つの事を同時にやり遂げるようにと繰り返して求めてられてきました。もし、私たちは毎日三つのことの中で、一つのことでもやり遂げられなければ、ほかの二つのことがきっと影響されて、良い効果を得られないでしょう。

(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2006/4/26/126088.html