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集団虐殺は必ず国際社会に裁かれる


 文/鐘 延

 【明慧ネット2006年6月16日】2006年6月6日、スペイン最高裁判所刑事法廷は数名の法輪功学習による集団虐殺罪で中共高官の賈慶林氏への上訴を受け取り、スペイン国家裁判所に審理および調査をするようにと命じました。

 13日午後、中国外務部で開かれた記者会見において、今回の控訴について記者に質問を聞かれた外務部スポークスマンの姜瑜氏は、賈慶林氏への控訴に関して「誣告」で、「政治目的がある」と答えました。中共スポークスマンは「国際法が公認されている国際関係基準に基づいて、他の国家の法廷はこのような事件を受理し審理する権限が無い」、また中国とスペインの外交関係を以って脅かそうとし、「スペイン政府が適切にこの問題を解決してほしい」と強気な発言をしました。

 実際に、中国当局のこの虚言を少し分析すれば、 別の角度から法輪功学習者の控訴が正しいものだと証明できます。「誣告」であれ、「捏造、誹謗」であれ、いずれにせよ、スペインの法廷は事実と証拠に基づき正しい判決を下すでしょう。しかし、中国当局が悪事を働いて心を落ち着かせなければ、なぜスペインの法廷が受理し審理することを阻んでいるのでしょうか?

 中国当局スポークスマンの、このような表から見れば強いが中身の無い「警告」は、実に「中国の特色ある」専制制度を西側民主法治国家に示そうとしたと思います。スペイン最高裁判所がはじめて審理を決めたとき、中共はスペイン政府に類似の「抗議」を出し、直ちに最高裁判所に審理を撤回するよう干渉してほしい、とスペイン政府に対して要求したといいます。そのとき、スペインの副首相は「スペインは民主国家です。司法が独立しており、政府には干渉する権力は無い」とはっきり回答しました。

 中共はスペイン最高裁判所に法輪功学習者からの控訴を審理させないようにと妨害したもう一つの理由はなんと「国際法と公認されている国際関係基準」だというのです。しかし、スペインは国際司法原則に基づいて今回の控訴を受理したのです。オーストラリアのザ・アドバタイザー紙(The Advertiser)の6月7日の報道によると、スペイン国家裁判所は賈慶林氏がスペインに滞在しているからと言って、同裁判所が法輪功学習者からの上訴の受理を拒否したというのは事実ではないと述べたといいます。また、同裁判所は、最高裁判所が法輪功学習者からの上訴について裁決を下すのはスペインの裁判所の裁決権限内に属すると言いました。なぜなら、2005年10月裁判所は「国際司法」原則を受け入れたからです。つまり、犯行はどこで行われているか、あるいは犯罪者はスペイン人であるかどうかを問わず、スペインの裁判所は団体虐殺罪および人道に反する罪に関する控訴を受理することができるということです。

 人道に反する罪の犯人は人類文明を脅かす公の敵です。いかなる国もその犯行を裁く権利と責任があります。これは常識だと思います。中共当局はこの7年間の間に、誰が国際法を踏みにじって、人道に反し、人間性を失い、道徳に背く言行で国家機器や国の資源を利用して、集団虐殺という罪を行い続けてきたかとでも思っているのでしょうか?

 法輪功学習者を代表し訴状を提出したスペインの人権弁護士であるカルロス・アグレシア(Carlos Igrecia)さんは「中国の司法機関は独立していないのです。中共当局はそのような中共体制の中に属する人への控訴を審理しないよう阻止するに違いない。国際司法を使わないと、これらの犯罪者を裁くことができないのです」と話しました。

 アグレシア弁護士はまた、「1999年7月、中共前主席の江沢民氏が一億を上る法輪功学習者に対して弾圧および集団虐殺を命じ、しかもメンバーが全員中共高官である610オフィスを構成しました。賈慶林氏はその中に直接関与した一人です。610オフィスは以前ドイツのナチスのような組織で、その最終目的は1億人以上の罪の無い法輪功学習者を消滅するということです。一億人以上の法輪功学習者というのは、これは中共独裁者が受け入れることが絶対にできない数字です。控えめの推測では、今現在まで少なくとも200万人の法輪功学習者が労働矯正収容所で不法監禁されて残酷な迫害を受けています。また2000万人が迫害によって死亡したと推測しています。その中に老人や女性、子供も含まれています。このような迫害は近代史上最大な集団虐殺だといえます」と述べました。

 2006年3月以来、中国で中共当局は各地の労働矯正収容所や秘密強制収容所(法輪功学習者が不法監禁されている強制収容所が36ヶ所ある)を利用して、生きたままの法輪功学習者から臓器を摘出し、臓器を売買して莫大な利益を儲けました。しかも彼らは、跡を残さないように法輪功学習者の遺体を燃却炉に入れて燃やしたと何人かの証人は証言しています。

 最近、国連は中共に対して邱明華さんへの任意拘禁を停止するようにと要求したことから、中共当局による法輪功への迫害は不法的なもので、人権に反しているのが明らかにされました。国際法に基づき、国連の調査団は、中共が法輪功学習者を監禁することは「任意拘禁」と見なし、「国際人権宣言の第9条と第18条に違反した」と認識し、「邱明華氏の迫害現状について、中国政府に対して合法に必要な改善措置を取るようにと要求します」と発言しました。

 最後にグレシア弁護士は、スペイン最高裁判所が法輪功学習者の控訴を受理したことについて述べた言葉でこの文を結びたいと思っています。「間違いなく、これは国際司法界にとって大きな躍進だと思います。またこれは恐ろしい集団虐殺の被害者にとって一つの勝利でもあります。この歴史的な一歩が進んだのは、残酷な虐殺をし、でもまだ中共当局が保護されてとりあえず法的な処罰を受けていない犯罪者にとってきわめて重要な意味があります」、「これは集団虐殺を終わらせる初めの一歩になることを願います。集団虐殺に関わったすべての人は国際司法の厳しい審判が直面するに違いありません!」とアグレシア弁護士は述べました。

(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2006/6/16/130616.html
(英語:http://www.clearwisdom.net/emh/articles/2006/6/19/74602.html