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当事者は自己弁護を決定、シンガポールの裁判が延期


 文/シンガポールの法輪功学習者

 【明慧ネット2006年8月10日】シンガポールの法輪功学習者が警察に起訴された案件について2006年8月7日に再び裁判前の会議が開かれ、シンガポール司法の公正性への懐疑と高い弁護費用などが原因で、起訴された法輪功学習者全員は自己弁護を決めた。法廷は二つの訴訟案の中のひとつ「無許可集会」を二つの案件として審査することにした。

 元中共610オフィスリーダーの李嵐清が7月にシンガポールを訪問した前後、シンガポールで連続して法輪功学習者を中国大陸に引き渡す事件や、法輪功の真相を説明する活動を取り締まる事件が起こった。シンガポール警察は2回法輪功学習者を起訴した。去年10月9日に資料を配った学習者が「無許可集会」として起訴され、今年7月20日に中国領事館前で法輪功への迫害に抗議した3人の法輪功学習者が「攪乱罪」として起訴された。

 この二つの案件は、元々7月28日の会議で開廷する日付を決めたが、今回また変更した。法廷は8月7日にもう一度、開廷前会議を開いた。「無許可集会」案が二つの案件として審理されることになり、そのうち5人についての去年10月22日「無許可集会」案は、9月25日から29日に開廷し審理することになった、その他の6人についての去年10月23日の「無許可集会」案は10月に伸ばされ、日程は未定である。3人の法輪功学習者が「攪乱罪」として起訴された案件は変わらず、8月28日から9月1日まで行われる。

 *仕方なく自己弁護から積極的に自己弁護へ

 7月28日の審議前の会議で、裁判長はこれ以上弁護士に準備時間を与えないため、弁護士はその中の8人の学習者の弁護を放棄しなければならなかった。その後、裁判長が決定を変更し、弁護士にもっと弁護する時間を与えたが、起訴されたすべての学習者は最終的に自己弁護するときめた。

 *なぜこう決めたのか? 当事者はこの決定について慎重に考えたと言った

 黄才華さんは、2004年の浜海公安事件の当事者の一人だった。当時、彼らは5人が煉功し、2人が資料を配り、まったく集会をしていなかったが、警察に「無許可集会」として起訴された。彼女は8万シンガポールドルで弁護士を雇ったが、長期間の弁護の末、当時の裁判長は証拠不足にもかかわらず不公正な判決をした。その後、裁判長はいつも「シンガポールは小さな国だ」、「我々は大国に影響を及ぼすことができない」など非法な理由で上訴を拒否し、不公正な判決を堅持した。「これに対して、私は非常に失望しています」と黄才華さんは表明した。

 当事者の王宇一さんは、最初から弁護士を雇わないつもりだった。彼女は「これはシンガポール政府が初めて我々を起訴したことではない。前の2回も我々は弁護士を雇ったが、2004年の案件はもっと努力したにもかかわらず、結果はどうだったか? 問題は、これは法律上の事件ではない、許可があるかどうかとも関係がない。法廷に出てくる警察はみな大したことはなく、本当に決定している人は背後に隠れており、たとえどんなに優れた弁護士をもってしても、どうしようもありません」と言った。

 もう一人の当事者・尤欣さんは、「シンガポールで弁護士を雇うことは非常に高くつく。シンガポール司法体系の特徴および政府がずっと訴訟案をうまく利用していることを考えると、弁護士を雇わなくても影響がないと思う。中共が法輪功を迫害してから、シンガポールのマスコミが中共の中傷報道を転載し、多くの人が法輪功を誤解している。省いた弁護費用をもっと多くの当地の民衆に中共の生体臓器摘出の真相を伝えることに使うほうがさらに意義があると思う、コントロールされたシンガポールのマスコミが中共の生体臓器摘出にまったく反応しないため、多くの人はまだ真実を知らないのです」と言っている。

 法廷決定の変化

 法廷では、いつこの二つの案件を審理するかについてもずっと変わっていた。7月28日の最初の会議では、法輪功学習者側の弁護士はもっと準備時間がほしいと申し出たが、裁判長は最大3週間しか時間を与えなかった。そのため弁護士はその中のひとつの案件の弁護を放棄した。

 当事者の学習者によると、8月1日から、裁判長は彼らの案件を延期する代わりに彼らに代表弁護士をつけたいと希望した。しかし法輪功学習者の当事者全員は自己弁護の決定をした。

 8月7日の審理前の会議で、裁判長はまた学習者に弁護士をつけたいと希望した。2時半から開廷する予定だが、裁判長は双方の弁護士を招集して非公開の会議を開いた。その後、弁護士は法廷を出て、裁判長は怒って彼女になぜ案件の弁護を放棄したかを聞いた。彼女の答えとしては、これは彼女個人の決定ではなかったという。

 その後、4時になって裁判長がやっと現れ、審理前の会議を正式に開始した。その間、法廷保安員にあとどのくらい待つのかと聞いたが、保安員は繰り返し「裁判長がずっと電話している」と答えた。

(中国語:http://minghui.ca/mh/articles/2006/8/10/135266.html