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高智晟弁護士がアメリカ国会に手紙を送り、中国の人権災害に注目するように呼びかけた(写真)

(明慧日本)(アメリカワシントンDC明慧記者の李静菲からの報道)最近、高智晟弁護士はアメリカ国会の衆参両議院に手紙を送り、中共がオリンピックを開催することに対して非常に不安であると表明した。高智晟弁護士は手紙の中で、「法輪功」の問題に関して論じ、アメリカ国会に対し中国で持続的に行われている人権災害に注目するよう呼びかけた。

法輪功が受けた迫害の真相連合調査団(CIPFG)のメンバーであり、元カナダ外務省アジア太平洋局局長のデイビット・キルゴール(David Kilgour)氏(左)、CIPFGアメリカ代表のキースウェア(Keith Ware)氏(中央)とアメリカ国会下院議員イレアナロス-レーチネン(Ileana Ros-Lehtinen)氏(右)が共にアメリカ国会レイバーンハウス事務所ビル前で記者会見の現場で撮影

 2007年9月20日の午後、アメリカ下院議員・外交事務委員会の重要なメンバーの一人であるイレアナロス-レーチネン氏と元カナダ外務省アジア太平洋局局長のデイビット・キルゴール氏は、アメリカ国会レイバーンハウス事務所ビルで行われた記者会見へ共に臨席した。また、欧州議会副議長のエドワードマクミラン-スコット(Edward McMillan-Scott)氏と電話がつながり、高智晟弁護士の応援へ駆けつけた。

 *「法輪功」の問題は人類が直面している最大の人間性への災難である

 この9ページにも及ぶ高智晟弁護士の長い手紙は、中共が人権を残酷に迫害した独自の調査資料も含まれていた。アメリカ国会へ送られた手紙では「法輪功」の問題に大きく触れている。高智晟弁護士は、「法輪功」の問題はこの時代の人類が直面している最大の人間性への災難であると断定している。

 数百万人にも及ぶ修煉者が“610弁公室”によって、強制的に各市、町の行政単位で区分、整備され、“強制教育転換(化)基地”に違法に監禁されている。こうした監禁のあり方はもともとの労教制度よりも無制限で簡易化されている。手段はもっと残虐で、血生臭く、その酷さは天と地も驚くほどである。また数千万人にも及ぶ人たちはそれぞれ違う形で、迫害を受けている。さらに、驚くことに両親が修煉者であれば、多くの子供たちが、学校、自宅から追い出され町で放浪している。(去年の8月から今まで、私の娘の格格(GEGE)が彼女の学校の玄関でこうした子供に数多くあった。放浪中の彼らは自分たちが非常に危険な状態に陥りながらも、そして危険を知りながらも娘の格格(GEGE)の学校の校門まで応援と激励にきてくれていた。娘が今日に起こったこうした出来事を聞くと、私と妻の心はナイフで切られているように痛くなる)と高智晟弁護士の手紙に書かれている。

 高智晟弁護士が自ら現地調査をしてまとめた報告書をアメリカ国会議員たちに推薦した。その中には、28歳で医科大学を卒業した経歴を持っている劉博陽さんと母が、十日間同じ建物内で拷問と虐待を受け死亡した。高智晟弁護士は、これらはすべて私が弁護士の身分で責任を持って収集した法律的証拠であると書いている。

 さらに、中共の「法輪功」に対するこうした残虐な迫害は8年間も続いている。これは間違いなく全中国、全人類に対する最も深刻な人道主義の災難である。これこそ私がこの手紙を書いた最も重要な原因ときっかけである。

 *高智晟弁護士が人類全体へ問う質疑

 手紙の中で、私は今日失礼ながら皆さんに次の質疑をしたい。それは私が人類の一員として、人類全体へ問う質問であると書いている。

 「中共による現在の法輪功の問題は、8年間も続いている人類に反する集団虐殺犯罪行為であるが、我々人類が共に直面している問題ではなく、これらは被害者だけの問題なのか?」

 「中共の人類に反する集団虐殺犯罪行為は、人類全体の文明、人類の倫理、人類の尊厳及び、道徳に対する脅威ではなく、虐殺された人たち、その被害者だけの問題なのか?」

 「人類は今日こうした国家権力の下に隠れている人類に反する集団虐殺犯罪行為を阻止できる能力もないのだろうか?」

 *中国で人間性に反する残酷な悲劇が至る所で起こっている

 さらに、「こうした法輪功に対し酷く迫害すると共に、中共は家庭教会への残忍な弾圧を今日までずっと続けている。また、国民に対する自由の権利を剥奪したり、人権を訴える民衆に対する暴力的弾圧、拷問と虐待、人民の私有財産を無理に没収したり、及び環境災難、農民問題、司法の反動などはもう既に普遍的災難になっている」と指摘する。

 高智晟弁護士は、こういう手紙を書くとき、私の心はとても重いのであると。また、「もし、このような犯罪が中国で一つ二つ起こっている個別の例なら、人々が聞いたら私のように怒りを発するでしょう。こうした犯罪行為は中国の至る所、あらゆる場面で起こっていることので、中国国民の一人ひとりの生活の常態になりつつある。大勢の人々はこうした犯罪に耳と目を向けなくなり、無感覚になっていた。これこそ、中共が最初から工夫し宣伝してきた、また教育して育てた国民性なのである。これらのことによって、中共が一党独裁を維持している所以である。暴力により騙し、詐欺、脅迫によって無感覚な国民を育てることこそ、今日の中共が権利を維持するための宝物である。終わる事なく全国で蔓延する汚職と腐敗。国民全体の道徳レベルが最低水準を下回り、こうした現象が暴力によって国を安定させる中共の政策に合致している。さらに、こうした道徳腐敗の戦略を国際社会へも輸出した。もし、オリンピックが中共によって開催されるなら、中共のこうした道徳腐敗戦略が国際的に成功したことになるだろう」と指摘している。

 *中共のオリンピックは人々の良知を痛める

 高智晟弁護士はさらに指摘する。「中共がオリンピックの開催を申請する最初の段階から、今日に至るまでオリンピックを中共が主催することは、重大な政治的任務と位置付けている。オリンピックの要求を保障することは「すべてを超える政治任務」だと見ているからだ。このことは、中国では家庭の主婦から幼い子供までみんな知っているのだ。中共がオリンピック運動を主催することにより達するべき二つの政治機能と意図について、国民一人一人がみんな知っている。それは、両手を正義ある国民の血で染めた中共は、国内を残虐な弾圧で安定させ、なおかつオリンピックを成功させられるならば、中国国民と国際社会の眼前で、血生臭い弾圧が合理的で且つ成功したことになる。そうなれば、国際社会と中国国民が中共の独裁と8千万の国民を虐殺した事に対し、納得したように受け取られるだろう。」

 「一人の普通の中国人として、私の命の深い所では生まれ育った故郷を愛している。我々の自分の祖国を愛している。数々の困難を乗り越えた多難で善良な正義のある国民を愛しているのだ。私も同様にオリンピックが自国で開催されることをとても期待しているのである。しかし、今の中国の現状で、こうした環境と変態機能の集団虐殺の中で、平和のシンボルでもあるオリンピックを開催することは、私の心をナイフで刺したように痛める。私の正義感と良知を深く痛める事にしかならない。今日の中国で、もし誰かがオリンピックと人権問題を関連して議論したなら、すぐに中共の「国家の敵」、「民族の糞」として、「社会の調和を破壊した犯罪者」という政治の重い帽子を被せ、死に至るまで迫害しても正当になるのである。」と高智晟弁護士が書き続ける。

 「我々は、政治道具になったこのオリンピックを絶対支持することができない。絶対に良知に反するこうした国民を犠牲にする政治的手段となったオリンピックの開催を支持するふりもできない。絶対に人類の良知と正義、基本倫理と価値観から離れたオリンピックを支持するふりをしない」と書き続けた。

 *政治大物からの応援

 アメリカ国会の下院議員イレアナロス-レーチネン(Ileana Ros-Lehtinen)氏、元カナダ外務省アジア太平洋局局長のデイビット・キルゴール(David Kilgour)氏と欧州議会副議長のエドワードマクミラン-スコット(Edward McMillan-Scott)氏は、共同記者会見で高智晟弁護士のことを応援した。

 イレアナロス-レーチネ議員は話の中で、この世界ではノーベル平和賞にノミネートされた著名な弁護士の高智晟さんは誰よりも中国の厳重な人権事情を知っていると話した。

 イレアナロス-レーチネ議員は引き続き、北京政府はオリンピックを改革開放のいいチャンスとして利用するのではなく、中国人民や意義者を弾圧する政治道具として利用した。私を含める大勢の国会議員は、こうした中共の集団虐殺に、オリンピックを開催することに深い不安があると指摘した。

 イレアナロス-レーチネ議員はさらに、アメリカ国会は共同で六一0号決議案にサインをした。それは、北京政府に対して、法輪功学習者に対する迫害を含めた多数の行為を直ちに停止するように強く要求したものである。もし、中国政府は決議案を無視し、人権迫害を直ちに停止しなかったら、アメリカの国会議員たちはすぐ共同で行動を起こし、来年の夏に北京で開催する予定のオリンピックをボイコットするとはっきり語った。

 *ブッシュ大統領への呼びかけ

 手紙の最後に、「私はこの手紙の最後の部分を書いているところだが、情報筋によれば、ブッシュ大統領が来年のオリンピックに参加すると明言したようだ。私のような普通の人が勝手を言うことを怒らないで欲しい。ただ、どうしても私はここで言わなければならないことがある。それは、大統領様、あなたは何をしたいのですか?1988年のソウルオリンピックの時に、レーガン当時の大統領がどう対応したかを忘れてはいないでしょう?ここで皆様にも一つお願いがある。衆参両院議員の皆様も1988年のオリンピックで対応したように、人類の文明の模範になって見せて欲しい。」と書いた。

 高智晟弁護士は、「中共の各地の刑務所の中で、今日か明日でも殺されるかもしれない数千万人の人々はあなたの助けを待っている。中共の拷問、虐待の中からあがく大勢の人々が、あなたの援助の手が伸びてくるのを期待している。中共が準備していた花火、赤い絨毯、そしてシャンパンを持って各国の政治首脳を迎えるとき、また北京と上海の高層ビルと輝くネオン灯でまるで、この国は現代化、自由、民主、繁栄のように見せかけている時、あなたたちが忘れてはならないことがある。それは、中共が作り上げ、そして経営している黒い刑務所、監禁所、労教所で正義のために命が随時危険にさらされている人々を助けることである。彼らは人類の正義、良知、尊厳のために中共の迫害を受けているのだ。偉大なアメリカに神からの恵みと加護があるように祈りたい。無限の知恵がある神様が、我々一人一人に正義、責任感と強い決心を与え、自由の光が中国の大地に早く降り注ぐように祈りたい。悪魔の中共が跡形もなく全滅し、迫害で苦しんでいる人々が永遠に苦しまないようになることを祈りたい!」と書き続けた。

 2007年9月24日

(英語:http://www.clearwisdom.net/emh/articles/2007/9/22/89801.html